興味深い研究の記事を読みました。

サイエンティック・リポーツという科学誌に発表された研究で、8万人の子供から得られたデータによれば、歯磨きをよくする子供ほど便秘になりにくいのだそうです。

東北大と東北福祉大の研究チームの研究結果から分かったものです。

歯磨きを毎日しない幼児は、1日2回以上歯磨きをする幼児に比べて、慢性的な便秘のリスクが6割以上高いそうです。

これは、口内細菌と腸内細菌に関連性があるからではないかと考えられます。

歯周病などの人は、循環器や消化器の疾患にかかりやすいことが知られています。

噛むという行為も腸の運動を促進し、便秘が改善されるのではないかと考えられています。

別の研究では、歯がなくなってしまった人は、認知症になりやすいという傾向があるようです。

これは噛む時の歯からくる刺激が、脳に影響があるからとされ、歯がなくなると刺激がなくなるので、認知症にかかりやすくなるのではないかと考えられています。

口内細菌と腸内細菌の関係、噛むという行為の刺激が脳や腸に与える影響を考えると、腸は第2の脳というのは、決して大げさではないようです。

食べることは生命維持の基本ですから、高齢になっても自分の歯を維持できるように様々な啓もう活動がなされていますが、食べるためだけでなく、腸や脳を通じ、元気で生活するためにも、口腔衛生が重要であることがわかります。

現在高齢化社会を迎え、健康保険料をいかに削減するかということは、日本の重要なテーマになっています。

病気のお年寄りが増えることは、個人の懐具合だけでなく、社会的な経済的負担が増えることを意味するのです。

お年寄りが健康に暮らすためにも、日々の口腔衛生の状態をいかに改善するかということが、カギになりそうです。