我々の年代が昭和をイメージするのは
勿論、戦後からの中期以降の事であり、
戦後から数年後に生まれた世代が
家庭を持つ1980年頃までの間を差すん
じゃ無いかなと思う。
8~90年代は子供達と伴に育とうとした
頃で有り、また別の末期の昭和を差すん
じゃないかな。
で、関川夏央著に「昭和が明るかった頃」
がある。
この著では、テーマの軸となるのが、
その当時に活況な業界だった映画であり、
活躍した「吉永小百合」なのだ。
彼女の「キューポラのある街」から
始まる吉永小百合出演作を年度ごとに
取り上げ、関わった業界人と日本女優
の代表格となった小百合さんの時代の
処し方を追っている。
日本経済において、高度成長期を背景に
日本人は昭和をどのような思いで生きた
のか・・・人としての高度成長期として
機会とされた方も居られるだろうし、
ただ、言われた事だけをこなして目的も
無く毎日を生きた者も多いだろう。
そんな人間を追ったところで物語に起伏
が皆無で面白味も無い。
誰もが知っている憧れの女優を追う事で
昭和を振り返り、その時々に自分はどう
生きていたかを思い返すのも此れからの
短く残された時間への処し方に寄与して
くれるかもしれない。