プラッツ/NuNu BMW M8 GTE #01 キット紹介 | kingmanの模型製作記Ⓐ

kingmanの模型製作記Ⓐ

カーモデル・戦車模型を中心にバイク、艦船、飛行機、ガンプラ等々いろんなプラモデルの製作日記をゆっくり書いてます。


プラッツ/NuNu 1/24 BMW M8 GTE 2019 デイトナ24時間レース ウィナー(PN24010)の製作記1回目です。
初回は実車とキットの紹介。

久々に自分の作りたいキットを作ります!
最近カーモデルを作っていなかったので欲求不満気味でした。
大量のデカール貼りも研ぎ出しも、しばらくやってないとやりたくなるんですよね~。
(カーモデル作ってるとAFV作りたくなってきたりもするけど)
久々のカーモデルづくり、楽しんで行きますよ!

 

実車紹介


🄫ACBE25
BMW M8 GTEは、ドイツのBMWが開発したLM-GTEおよびGTLMクラスの耐久レース用GTカーです。
BMWの最上位クーペである8シリーズの高性能スポーツモデル、M8のレース仕様になります。ちなみにM8のお値段は2000万円からとなっております。

LM-GTEはルマン24時間レースでお馴染みのWEC(FIA 世界耐久選手権)、GTLMはデイトナ24時間レースでお馴染みのアメリカのIMSAにおいての、市販車ベースのレーシングカーのトップカテゴリです。
日本のスーパーGTのGT500クラスのようなものですね。
世界で市販しているスーパーカーやスポーツカーをゴリゴリに改造したレーシングカーが一堂に会して最速を争う夢のクラス!
と思いきや、参戦メーカーがどんどん減ってしまい、IMSAでは2021年、WECでは2023年限りでこのクラスは廃止になってしまいました。
BMWもWECは2019年、IMSAは2021年限りで撤退しています。
とは言え、BMW M8を始めフェラーリ488、ポルシェ911、フォードGT、シボレーコルベットC8.R、SRTバイパー、アストンマーティンV8ヴァンテージ等々、大きなエアロパーツと派手なカラーリングをまとったGTカーによるレースは、カッコ良くて大好きだったんですけどね~。
一緒にレースを行う上位クラスのLMP2車両(レース用に開発されたプロトタイプカー)より速い事もありました。
そしてこのBMW M8 GTEは2016年から開発を行い、2017年に市販車のM8に先駆けて発表され、2018年からWECおよびIMSAに参戦しました。
大柄なボディが注目を集め、デカくて抜けない、デカくて他の車両と遠近感が狂う等と言われたりしていました(レース中継でも実況や解説の方がデカいを連呼)。
実際M8 GTEは全長5m×全幅2.2mで、同じクラスのフェラーリ488 GTEが全長4.6m×全幅2.05m、ポルシェ911 RSRが全長4.55m×全幅2.05mなので一回り大きい。
大きくなり過ぎていると言われている最近のF1マシンとも大体同じサイズです。
全長4.6m×全幅2.16mのハンビーよりデカい。
この低くて幅広なスタイリングがカッコイイんですよね~。
ボディと同様にどんどん巨大化を続けているBMWのデザイン上の特徴であるキドニーグリルも、この車両ぐらいがちょうど良い感じはしますね。

スペックは下記。

  • 全長:4.98m
  • 全幅:2.22m
  • 全高:1.21m
  • 車両重量:1,220Kg
  • ホイルベース:2.88m
  • 駆動方式:FR
  • サスペンション:ダブルウィッシュボーン
  • エンジン:P63型 4.0L V8ツインターボ
  • 出力:592馬力
  • 変速機:パドルシフト付き6速セミオートマ

M8 GTEのレース戦績としては、
WECには1シーズンのみの参戦で2018年~2019年シーズンは5メーカー中5位。1勝もできず。
IMSAには4シーズン参戦し、2018年、2019年は5メーカー中4位、2020年は4メーカー中2位、2021年は4メーカー中3位(2021年はフル参戦せず)といまいちな結果でした。
しかしIMSAでは伝統のデイトナ24時間レースで2019年、2020年と連続優勝を飾り、底力を見せつけたのです(タミヤの解説風)。
それもそのはず、IMSAでM8 GTEを走らせていたのはアメリカの強豪レーシングチーム、チームRLLことレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングです。
チームRLLはIMSAとインディーカーシリーズを主戦場にしていて、インディ500では2回(2004年、2020年)の優勝を誇ります。
そしてその2回の優勝のうち、2回目の2020年の優勝者は我らがタクマ・サトー!
そう、「ノーアタック、ノーチャンス」がモットーの佐藤琢磨が2012年、2018年~2021年まで在籍したチームとしてもお馴染みですね。
ちなみにチーム名の由来は、3度のインディーカーシリーズチャンピオンかつ1986年のインディ500勝者の名ドライバーであるボビー・レイホール、元テレビ司会者のデイビッド・レターマン、実業家のマイク・ラニガンが共同所有者である事からきています。

M8 GTEは、そのデザインと要所要所で光る走りを見せた記憶に残る車両です。
短い参戦期間で終わってしまったのが勿体ないですね。

キット紹介


このキットは2021年にプラッツ/NuNuから完全新規金型で発売されました。
発売元が日本のプラッツ、製造および販売元がマカオの模型メーカーNuNuになります。
NuNuはBeeMaxの別ブランド(グループ会社?)的な感じだと思われ、(タミヤ等がなかなか出してくれない)最近のレーシングカーを精力的にキット化してくれている、モータースポーツファンにとってはとてもありがたいメーカーです。
これからもどんどんキット化して頂ける事を期待してます!
そして同じように最近のラリーカーをキット化してくれているベルキットもプラッツさんが取り扱いだしたので、プラッツさんマジ神。

外装からインストまで日本語で丁寧に記載されていて、NuNuのキットをプラッツが代理店として日本で売っているというわけではなく、プラッツ主導のキットだという事が伺えます。

プラッツからは、このキットをベースに2020年のデイトナ優勝時モデル(2022年発売)、ロードアトランタ優勝モデル(2023年8月発売予定)がバリエーション展開されています。
それぞれカラーリングが全然違うので、お好みで選ばれてみたり3台そろえてみたりしてはいかがでしょうか。


平均的な大きさの箱を開けるとこんな感じです。
パーツ数は少なく抑えている印象。


パーツ構成はこんな感じです。



ボディ。
単純な平面がほとんどない複雑な形状が細かいところまでよく再現されています。
エッジが若干だるかったり多少のバリはありますが、表面は滑らかでヒケもなく全体的には綺麗な仕上がりです。
フロントカナードからヘッドライト上端あたりまでと、リアのボンネット上端に深めのパーティングラインがあるので、そこは処理が必要。
また、実車においての外装を固定する為のボルトヘッド部分(補助灯のまわりやリアフェンダーのインテークまわり等)が凸モールドになっていますが、研ぎ出しの邪魔になるので削り落としてしまった方があとあと楽です。


外装のリア下部のパーツやサイドスカート、コクピット内のフロアーのパーツ、ロールバー等。
外装の小さな穴もちゃんと抜いてあったり、コクピット内は排気管を通す為の出っ張りや計器類もちゃんと再現されています。ケーブル類を追加すればさらに実車に近づくでしょう(苦労の割りにほとんど見えなくなるのでやるかどうかは悩ましいところ)。
ドライバー側の側面のロールバーには、外装を取り付けるとまったく見えなくなるフルード類のタンクが再現されています。このキットのコダワリを感じますね。


アンダーパネルやドア内側、ダッシュボード、コクピット内の通気管(?)のパーツ。
このランナーのパーツはアオシマのキットのようなザラザラの表面仕上げになっています。
この辺のパーツは後述する純正ディティールアップパーツを使う場合は純正カーボンデカールを貼る事になるので、表面を平らにならしておいた方が良いのかもしれません。

分厚く成型されがちなディフューザーは、微妙にテーパーがかかっていて薄く見えるようになっています。


ホイールやウィング、足回りやコクピット内の細かいパーツ等。
色違いになるキドニーグリルのパーツは、塗装しやすいように細かく分割されているのが優しい。
リアウィング翼端板やステーは純正ディティールアップパーツにエッチングパーツが入っていますが、ディフューザーと同様にキットパーツのままでも十分な薄さ。


ウィンドウや灯火類用のクリアパーツ。
綺麗で合いも良く、はめ込みしやすい設計になっています。
サイドウィンドウだけは、そのままだと若干真ん中あたりが浮くような感じがあったりましたが許容範囲です(どのみち塗装やクリアコートの厚みによって後で調整が必要になるし)。
クリアパーツ用のマスクシールは付いてません。
その代わり、ウィンドウの淵等の黒くする箇所にはデカールが付いています。
デカールを貼った後に筆塗りでリタッチすれば良いので、こっちの方が楽な気がします。
この辺も親切な設計だと思います。


灯火類用のメッキパーツ、タイヤ、ホイールの軸受け用のポリキャップ、グリル用のメッシュ等。
メッシュを綺麗に切り抜くのは大変なので、純正ディティールアップパーツに入っているエッチングパーツを使った方が良いと思います。


デカール。
そこそこの量のデカールが入っています。
カラーリングパターンが微妙に違う24号車、25号車(水色が多いのが24号車、赤が多いのが25号車)両方のデカールが入っているので、どちらも再現できます。
ちなみに2019年のデイトナで優勝しているのは、パッケージアートにも使われている25号車です。
大判デカールではなく細かく分割されているので貼りやすそうです(シワ等が出来る心配は少ないですが、逆に位置決めは大変)。

実車ではカーボンの部分はキットだと真っ黒のデカールで再現されています。
カーボン調に仕上げたい場合は、これも純正ディティールアップパーツが必要。
純正ディティールアップパーツにはカーボンデカールが入っています。

海外メーカーのキットだと思って尻込みする方もいるかもしれませんが、全体的に国内メーカーのキットのような分かりやすさと作りやすさなので全然心配無用。
他のメーカーが昔のレーシングカーしか出してくれない昨今(モデラーの年齢層的にしょうがないんでしょうけど)、最近のレーシングカーのプラモデルをこのクオリティーで出してくれるプラッツさん&nunuさんは素晴らしい!
参戦車両が増えたハイパーカーとかBMW、アウディ以外のGT3車両とか出してくれたら嬉しいなぁ(C8.Rとか296とかRCFとか)。

アフターパーツ紹介


今回使用するアフターパーツはこちら!
プラッツ純正のディティールアップパーツ「BMW M8 GTE 2019 デイトナ24時間レース ウィナー用ディテールアップパーツ」と、レーシングデカールズ43(Racing Decals 43)のデカール「BMW M8 GTLM 25 IMSA Weathertech Championship - Sahlen's Six Hours Of The Glen 2018」です。

M8GTE用のアフターパーツは結構充実していて、ホビーデザインからエッチングパーツ盛り盛り&メタルパーツ&レジンパーツのディティールアップパーツセットや、ZoomOnからはマスクシール、Studio27とRacingDecals43からはカーボンデカールが出ています。
特に充実しているのはデカールで、今回使うRacingDecals43を始め、LB Production、SK Decals等から色々なレース仕様の合計10種類以上のデカールが出ています。



使っておいて間違いないのは今回使用するプラッツ純正ディティールアップパーツ。
エッチングパーツとカーボンデカール、アンテナ用の金属パーツ、シートベルト用のリボン、断熱材用のメタルステッカーのセット。
この内容で2500円ぐらいのお値段はお買い得。
このディティールアップパーツ自体は現在手に入りにくい状況みたいですが、バリエーション展開している2020年デイトナ仕様用、8月発売予定のロードアトランタ仕様用のものもほぼ同じ内容みたいで、そちらであれば手に入ると思います。


エッチングパーツは定番のブレーキディスクやラジエーターグリル、シートベルトの金具の他、ドライバー保護用のネットや牽引フック等。
キットのままだとナイロンメッシュなので、フロントグリルだけでも買う価値あります。
一部だけですが、ゲートが無いパーツがあるのも親切。
ワイパーは作るの難しいし翼端板やウィングステーはキットのままでも十分な気がするので、使いたいものだけ使うことにします。


アンテナの基部は地味に嬉しいですね。
アンテナ用の金属線はちょっと曲っちゃってるけど・・・


これはコクピット内の下に排気管が通る場所の断熱材を再現するメタルステッカー。
これも塗装だと再現しにくいので嬉しい。


カーボンデカールは4枚入っていて盛りだくさん。
このデカールによってライト内部の塗り分けが不要になったりするのも良いところ。
すでに何枚か貼りましたが、柔軟性もあり軟化剤にも強くて貼りやすかったです。またクリアーにも強かったです。



取説も解りやすいのが良いですね。



そしてもう一つがレーシングデカールズ43のデカール。
レーシングデカールズ43はスペインのマドリードのアフターパーツメーカーで、主に最近のレーシングカーキット用(NuNuのM8GTEやM6GT3、アウディR8やタミヤのAMG GT3、レベルのフォードGT等)のデカールをかなりバリエーション豊富に展開しています。
今回はデフォルトのBMW Mのカラーリングをベースに星条旗をあしらった独立記念日スペシャルカラーのデカールを使います。
このデカールは2018年のIMSA ワトキンス・グレン6時間耐久レースに参戦した時のチームRLL25号車を再現しています。
このレースの結果は25号車が8台中7位、24号車がビリなんですが、このスペシャルカラーがカッコイイんですよね~。
ブルー、パープル、レッドのBMW Mのコーポレートカラーに、星条旗が違和感なくフィットしてます。
元々のカラーリングをベースにしているところがまた良いんですよね。
このカラーリングをデザインしたデザイナーさん凄いな。
最近のレーシングカーのデザインはカッコイイのが多くて良いですね。作りたいのが沢山ありますよ。

デカール自体も柔軟性があって(若干厚めではあるものの)強くて貼りやすかったです。
何よりボディがわりと複雑な形状なのにデカールの分割や形状が秀逸なお陰で、ほとんどシワが出来ずに貼れるところが良かったですね。
めちゃくちゃ貼りやすいデカールでした。

キット情報

メーカー:プラッツ/NuNu
スケール:1/24
製品名 :BMW M8 GTE 2019 デイトナ24時間レース ウィナー
型番  :PN24010
発売日 :21/06/01
定価  :¥4,620
購入店 :でじたみん Yahoo!店
購入日 :21/06/01
購入価格:¥3,440

使用ディティールアップパーツ

種別  :エッチングパーツ、カーボンデカール、シートベルト
メーカー:プラッツ/NuNu
製品名 :BMW M8 GTE 2019 デイトナ24時間レース ウィナー用ディテールアップパーツ
型番  :NE24010
購入店 :でじたみん Yahoo!店
購入価格:¥2,440

種別  :デカール
メーカー:レーシングデカールズ43
製品名 :BMW M8 GTLM 25 IMSA Weathertech Championship - Sahlen's Six Hours Of The Glen 2018
型番  :RDE24/040
購入店 :ホビーリンク・ジャパン
購入価格:¥3,300

参考サイト

スケールメイトのこのキットのページ

 

実車の紹介動画

 

実車の細部動画

 


今年のインディ500が開催されたばかりですが、今回もアクシデント続出で面白かったですね~。
中盤まではスピードを抑えた静かな展開でしたが、終盤にクラッシュがおきまくって赤旗再スタートの連発。
コース外にタイヤが吹っ飛んで、駐車場に止めてあった車に当たる、なんてアクシデントも。
残り4周の時点でもクラッシュが起き、イエローフラッグのままレース終了かと思いきや、まさかの再スタート。
残り1.5週の超スプリントレースに。
その時点で1位のマーカス・エリクソンかわいそう・・・
結局ペンスキーのジョセフ・ニューガーデンがエリクソンを抜き、初優勝を飾りました。
久々のアメリカ人優勝者(2016年のロッシ以来)だったので会場も大盛り上がりでしたね。

我らがタクマ・サトーも今回はトップチームのチップガナッシから参戦だったので3度目の優勝を期待していましたが、惜しくも7位に終わりました。
終盤一時的にトップを走る事もありましたし、最後1周半のスプリントでは混戦の中11位10位ぐらいから7位まで上げましたし、意地を見せてくれました。

同じ日に開催されたインディ500と並んで世界三大レースのひとつのF1モナコGPも面白かった。
インディ同様、途中までは落ち着いた展開でしたが、終盤に大雨が降って大混乱。
しかも狭いモナコ(国自体の面積が2km²)なのに降り始めはコースの一部でしか雨が降っていない状態。降っている場所は大雨。
当然しばらくはドライタイヤのまま走る車が多く、雨が降っている箇所ではノーマルタイヤで雪道を走る車のような状態で滑りまくり。
雨自体はすぐ止む予報だったので、その後多くのドライバーが雨でもドライでも走れるインターミディエイトタイヤに交換。
しかし夕立のような雨だったので、インターミディエイトタイヤでも滑りまくり。
壁に囲まれた狭いモンテカルロ市街地コースがスケートリンクのような状態に。
そんな滑りまくりの状態なのに、結局誰も走行不能になるようなクラッシュはしませんでした。流石F1ドライバー。
最終的にはレッドブルのマックス・フェルスタッペンが最後までトップを守り切ってモナコ初優勝。
41歳の超ベテラン、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは惜しくも2位。残念!
我らがユウキ・ツノダも途中までは9位盤石の状態だったんですが、雨の中のブレーキトラブルで順位を落として結局15位フィニッシュ。残念だ・・・

まあでもどちらも面白いレースでしたよ。
ではまた!