女ひとり、歳をとる。

お金なしの60代、犬2匹と同居中。

おすすめします。

2021-10-05 23:25:04 | 映画

 

きのうは『偽りなき者』を観てきました。

7、8年前にテレビで観て印象に残っていた映画でした。

3日間の再上映、料金は誰でも1,000円。

中華街にも行きたかったのもあって、横浜へ1時間半かけて行ってきました。

 

デンマークの小さな町で幼稚園の先生をしているルーカスは、

園児たちに人気の男の先生。

他の先生が女性ばかりとあって、ルーカスは男の子たち相手に取っ組み合いの毎日。

その幼稚園にはルーカスの親友の娘クララも通っていました。

忙しい両親に代わりクララと一緒に幼稚園に通うこともしばしば。

クララにとってルーカスは、頼もしい先生というだけでなく、

ほんの少し異性を意識するような存在でした。

ある日、クララはルーカスに手作りのビーズのハートをプレゼントします。

そしてルーカスの唇にキスします。

ルーカスから唇のキスはダメだよと言われて、

ビーズのハートは他の男の子たちに上げなさいと返されてしまいます。

 

その日の帰り、暗い園長室の中でうつむいているクララ。

心配した園長先生がクララに聞くと、

ルーカスが下半身を自分に見せて、ビーズのハートをくれたと言います。

そこから、ルーカスにきちんとした弁明の場も与えられないまま、

異常者として、犯罪者として、職場を追われ、

親友の家族や、親しかった仲間たち、町の人たちから、

迫害され、村八分にされて、飼っていた犬までも殺されてしまいます。

そして・・・。

 

衝撃的な内容ですが、人間の心理がとても丁寧に描かれています。

クララの初恋とも言えない淡い思いと小さな嘘、

ルーカスを異常者と決めつけ暴力的になる町の人たち、

自分の娘を汚されたと思いルーカスとの関係を断つ親友、

離れて暮らしていたルーカスのひとり息子の父親への愛、

ルーカスのことを冷静に応援してくれていた仲間、

どのシーンをとっても、全てに繋がりがあって、

人間の心模様の複雑さ、虚しさ、愚かさを強く感じました。

そして、何よりルーカスの冤罪の深い孤独と強い苦しみを感じました。

 

この話は映画の中だけでなく、わたしたちのすぐそばにも起こり得ること。

そして、1度起きてしまえば真実は見えずらくなって、

復活の難しさは大変なもの、ネット社会ではなおさらでしょう。

重くて辛い部分もあった映画ですが、観た後の充足感はとてもありました。

そして、主役のマッツ・ミケルセンが何と言っても素晴らしかった。

わたしのおすすめの映画です。

 

ポスター画像

 

以前から食べたかった中華街の〇〇飯店の海老ワンタンソバ。

でも、期待しすぎました。こちらはおすすめしません。

別のお店の方がよさそうです。

 

 


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