私、先月3回目のワクチン接種を受けてきました。いわゆるブースター(booster shot)ってやつです。カナダでも3本目を打った人はまだまだ少ないので、私はかなり時代の最先端(?)を走っている、流行を先取りしている人だと言えるでしょう。今回はそんなトレンデーな私が体験したワクチン接種3回目についてお話ししたいと思います。

 


今現在、カナダも日本と同じように76%くらいの人がコロナワクチン2回目接種を終わらせています。ただカナダは接種開始時期が日本よりも早かったせいか(去年の今くらいから始まった)、ちょこちょことブレイクスルー感染が2本打った人達の中からも出てくるようなってきました。私の働く腎臓透析科でもブレイクスルー感染する患者さんが出始めてます。そのような理由からカナダではコロナワクチンの3回目接種10月ごろから始まりました。

 


私が2回目接種を完了したのが今年の2月だったので、ちょうど10カ月が経過したところ。私の周りでもブレイクスルー感染が起こり始めてきて、私もちょっと心配になってきた頃でした。カナダでは秋からワクチンパスポートが導入され、今ではご飯を食べに行くのにも、ジムに行くのにも、映画館に行くのにもワクチンパスポートを見せないといけないのですが、それはそれで精神衛生上やっぱり安心できるから個人的には賛成しています。でもブレイクスルー感染が増え始めると、ワクチンパスポートだけでは限界があり、さらにオミクロンのような更なる変異型まで登場し、なんだか再び雲行きが怪しくなってきた今日この頃・・・そんなタイミングを見計らったかのように私は運よく「3本目接種のご招待状」をおめでたく頂いたのでございます。

 


ラッキ~!と思いながら早速接種会場をオンラインで探してみますが、どこも一杯(涙)。唯一直近で予約できたのは家から3kmくらい離れたチャイナタウンにある会場。ま、徒歩で40分くらいかかるけどいいか、と思い速攻で予約。そして当日・・・あれ?会場は確かこのへんなんだけどな~?ウロウロしれどもなかなか接種会場らしき建物が見当たりません。住所を見ればここで間違いないはずなんだけど、そこにあるのは小さな寂れた薬局のみ。らら?でも良く見れば薄汚れた立て看板に「コロナワクチン接種会場」と書いてあります。え!?ここなのか!?と私は驚きました。というのも、今まで接種会場といえば競技場だったり、国際会議場だったり、学校の体育館だったりと、大きな施設を使ってたイメージあったので、まさかこんな場末の薬局でもワクチン接種するとは予想だにしていませんでした(って場末の薬局に失礼だろ!?)


 

「でも、逆に待つ人も少なそうだからいいか!」と気を取り直してこの荒びれた薬局に入ってみました。中に入るとそこは・・・超、超、典型的なチャイナタウンな薬局。ちょっと日本でも見たことある懐かしい雰囲気です。なんていうか、ちょっと雑貨屋みたいな薬局というのしょうか、とにかく10畳くらいしかないスペースに薬や雑貨が山積みになっていて、ホコリ臭い感じも私のおじちゃん家の近所にあった潰れてるんだか営業しているんだか分からない薬局屋を思い出させます。あ~懐かしい田舎の薬局の匂い・・・なんて一時の余韻に浸っていたら、薬局屋のおばちゃん(中華系)に「アンタ3本目受けにきたね?」と聞かれたので、「はい」と答えると、「ファイザーとモデルナどっちにするね?」といてきます。え?選べるの?と驚いたのですが、それなら前回2本ともファイザーだったので今回もファイザーでお願いします!と言おうと思った瞬間、おばちゃんの隣にいたお姉さんが「あ、3本目はモデルナよ」と畳みかけてきました。どうやらBC 州の3本目のおススメはモデルナらしい、というのもモデルナの方が効力が長く持つからだって・・・ってお姉さんはおっしゃりました。

 


ま~どっちも同じようなもんだからいいか!と思って承諾した私。



「アンタソコニスワッテマツヨ!」とおばちゃんが指し示すペラペラの薄っぺらいパイプ椅子に腰かけたのですが、そこは狭い店のカウンターの真隣。私の目の前で人がお店から出たり入ったりしています(落ち着かね~)。さらにドアの真隣でもあるので、人が出入りするたびに冷たい風がピューと入ってきます(寒ぃ~)。ブルブル震えながら待っていると、さっき「モデルナよ」と説明(?)してくれたお姉さんが注射器を持ってやってきました。「はい、じゃー腕出して」と言われ素直に腕を出す私。お店のお客(一般客)の視線を全身に感じながらプライバシーってものが一切ない店内の公衆の面前でブスリと打たれ私の3回目ワクチン接種は無事終わったのでした。

 


・・・・・・・で終わったならこのブログは書いてないよ!

 


その夜なんと私は38.5の熱にうなされる事になったのです。前回2本打ったファイザーでは腕の痛み以外これと言った副作用がなかったのですっかり油断していた私。なんか怠いな~と思いながら布団に入ったのですが、あれよあれよという間に熱があがり、息もゼーゼーしてきます。「まさかコロナに罹った?あの不衛生な薬局の所為に違いない!」と怒れるほど体調が悪化(している気分)。翌朝もまだ熱がありとても出勤できる状態ではありません。なので仕方なく病欠(本当は出勤したいんですよ 笑)。ようやく体調が戻ったのはそれから二日後の事でした。

 


いや~日本でモデルナ打った友達の何人かが、副作用で高熱が出た!ってのは聞いてたんだけど、これほど辛いとは思わなかったな~。これをまた今度は4回目のブースター打て!って言われたらちょっと躊躇するかも・・・って怖気づいたのですが、しかしよく考えてみればコロナに罹ったらこの辛さが2日ではなく7日とか14日とか、さらに入院とかってくらい長く苦しい戦いになるのだから、それなら多少辛くてもワクチン接種を我慢する方がいいかもね、とも思います。ま~一番の理想はコロナが消滅するか、効果的な治療薬が開発されることだけどね。あ~あ、なんだか本当に嫌ですね~・・・とまた愚痴というか溜息が出るようなブログになっちゃったけど、こればかりは仕方がない。ポジティブに考えれば、とりあえずまた精神的な安らぎを少し得られたことかな。やはり病院で働いてる身としては、コロナに罹る恐怖と患者さんや身近な人達に移してしまう恐怖の両方と向き合う日々を過ごしているので、少しでもそのリスクを減らせたことは良いことだよね・・・と思って今日も仕事を頑張っております。皆さんも引き続きお体に気を付けて年末をお過ごしください。

 


おわり