どれだけ暗くても、大丈夫。

日本に帰国して数日が経過しました。

とりあえず、先のことがなんとなく見えるまでウィークリーマンションに滞在中。

Wifiなし。

 

今日は最終面接に呼ばれているので、またもや空港に逆戻り。

スタバでwifiを確保してこれを書いています。大袈裟でなくスタバに10年ぶりくらいにやってきたのですが、コーヒーあんまり好みじゃないな。ドーナッツ激甘で食べ切れる自信がない。歯磨きしたい。よく海外のものは甘すぎるなんて言うけれど、日本の食べ物の甘さ指数もなかなかでは。もしくは、8年全然外食していなかったから、舌が変わったのかもしれません。初日にコンビニで買ったものもしょっぱくて食べれなかった。でも綺麗で静か、最高。

 

まぁ、ゆっくり慣れていくと思います。
日本で海外生活並みの自炊生活は多分無理なので、慣れるしかない。

 

1週間以内に帰国して、スマホ契約して、保険に入ったり住民票入れたりしたと思ったら、またフライト。なんだか落ち着きませんが、2月中にはしばらくの方向性が決まると思います。

 

スーツケース一個でウィーンに飛び、またスーツケース一個で帰国しました。
生活用品全般は5月末くらいに船便で日本に到着予定です。日本の引越し業者さんにお願いしたのですが、お願いしてから関税なんてものに気がついて、うっかりDHLとかで送らなくて良かったかもしれません。ただ4ヶ月って長い。しばらく生活に必要なものは買い足していくしかありません。しばらくは出費が多そうです。

 

帰国前も帰国後もお気持ちについての質問が多く。笑。
今もWie gühlst du dich in Japan?と聞かれます。不思議なことに、一時帰国とは気持ちが全く違います。日本の空港に飛行機が到着した時は、「あぁ、もうみんなに簡単に会えなくなるんだ」と瞬間的に急速度でどん底に悲しくなりました。でも到着後はやることが多くて忙しいからか、もう海外に長期で出ることはないのではないかと言う気持ちからか、ソワソワ感がなくなりました。

 

デンマークから帰国した時は、30代はヨーロッパで専門分野の勉強をしたいと言う気持ちを抱えていたし、カナダから帰国した時は、次の移動のことがもう頭にありました。

 

今回は国外への大きな移動はもう念頭にありません。そのフェーズは一旦終わった、スッキリ感があります。

 

やりたかったことも、やるべきことも、それ以上のことも、全部やり切ったという清々しい気持ちです。これはでも、大学で勉強した後に就職までしたことが大きいと思います。学業だけだったら、自分と似たような価値観の人に囲まれたユートピア的な環境を日本で懐かしんだかもしれません。でもドイツで98%ヨーロピアンに囲まれて揉まれて、ヨーロッパ社会における現実を身をもって体験したので、ヨーロッパ信仰には陥りませんでした。

 

あとは今まで積み上げてきたことが繋がって、最終面接まで漕ぎつけたことも大きいです。
どうなるかわかりませんが、もし縁があったらいいなと言う希望を与えてくれる最高のポジションです。ダメでも後悔しないで、楽しんでこようと思います。

 

ただ噂には聞いていましたが、東京は観光客がすごいですね。
以前は考えられないくらい、英語で話しかけられます。(多分見た目の大雑把さが日本人を薄めていて話かけられやすいのかも。笑。)東京駅で出口を聞かれて、工事後の東京駅にはわたしも初めてに近く降り立ったので、わたしも8年ぶりでと答えたら「welcome back!」と言われました。どうもどうも。

 

お店や公共サービスでも海外の方がたくさん働いていて、心の中で(がんばれー)とエールを送りたくなりますね。複雑な日本語で、しかも複雑な階級社会みたいな社会構造で社会人として働いてるなんて尊敬しかない。

 

今の所、のほほんと無職生活をスタートしているから、ストレスはありません。

ドイツ生活での戦闘モードをすっかり脱ぎ捨て、時差ボケしているものの、なんと数年間の重たい不眠症が改善の兆しを見せています。

 

人間の身体というのは正直なものです。

日光浴をして、本を片手にカフェで読書して、贅沢な数日です。

まだほとんど誰にも帰国の連絡をしていないのですが、これも一時帰国と違ってこれからたっぷり時間があるので、ゆるりと人と再会していくつもりです。

 

できれば、世間を賑わせているフジテレビ問題が収束してからがいいな、と最初の友人と会った後にちょっと思いました。ジェンダー感やこういう社会的モラルの基準がわたしはもう日本のそれではないので、こういう話題は日本人の友人知人とは避けたいものです。

 

少し誤解を恐れずにいえば、ウィーンでもドイツでも、スーパーラディカルな芸術関係の友人知人、同僚に囲まれていました。ある種、エコチェンバー状態だったので、背景知識のない人とカジュアルに会話する術をちょっと模索中です。でもエコチェンバー状態は、偽物のユートピアを、特に芸術家を目眩しにするなというのは渦中でも感じていました。だから偶発的に違う価値観の人と、知識を暴力的な方法で使うような傲慢なことをしない人間として、バランス感覚のある人間になりたいというのが目下、唯一のカルチャーショック症状だと思います。

 

たまたまヘアーサロンで読んだGinzaマガジンにエコチェンバーを上手に咀嚼したコラムが載っていたので、日本にいる方はぜひ。美容師さんとも、たとえばトランプについての知っていることにギャップがあって、どんなニュース読んでるんですか?と聞かれましたが、おそらく日本の多くの方がトランプに好意的なのは、日本でもアメリカ同様トランプ式のエコチェンバー的政治キャンペーンが成功したからではないかと思います。よし悪しは、それぞれの判断基準がありますが、自分が反響空間に閉じ込められていないかだけは気をつけたいものです。

 

何があるかわかりませんが、何があってもきっと大丈夫。

 

ドイツでフォーチューンクッキーを引いて、いまだにお財布に入れているものが二つあります。

Die Mitte der Nacht ist auch schon der Anfang eines Neuen Tages.

Sometimes, Traveling to new places can bring great transformation.

 

どれだけ暗くても、もう新しい日々への始まり。暗闇があるから、光を認識できるんですよね。そして旅は素晴らしい変化をもたらしてくれる。

好きな言葉なので、いつも読んでくださっている方にもシェアしたいと思います。