象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

オルセン嬢再び〜真夜中の訪問者”その141”

2024年05月06日 03時12分00秒 | 真夜中の訪問者

 4年ぶりに、夢の中ではあるが、エリザベス・オルセンと再会した。
 前回「その58」は映画「サイレント・ハウス」(2011)で当時22歳の彼女の演技力に呆気にとられたのがキッカケで、夢に登場してくれた。
 今回は映画「GODZILLA/ゴジラ」(2014)を見ていて、すぐにウトウトし、眠りに着いたら、まさに「GODZILLA」に出演した当時のそのままの彼女が夢の中にいた。つまり、25歳のピチピチの彼女が夢の中にいたのである。
 前回の時の彼女は、30歳前後の微妙な年齢だったが、婚約者が出来て、後に解消した後の頃だったせいか、恋人を捨てて新たな人生を歩こうという躍動と強い意志に溢れてた気がする。


とあるパーティー会場にて

 一方で今回は、婚約者が出来た頃の、それに女優としても女としても絶頂期にあったオルセン嬢である。
 夢の舞台は、あるパーティー会場である。合コンと言える程でもないが、皆そこそこは盛り上がってた様にも思えた。
 しかし、彼女だけは非常に大人しかった。誰と喋る事もなく、独りひっそりと会場の隅に佇んでいる。
 でも彼女は、招待された女達の中でもすば抜けて美人でチャーミングだった。当然の事だが、会場に集まってた若い男らは皆彼女を狙っている。が、そんな薄っぺらな誘惑を遮断するに十分な、殺伐としたバリアに近いものが女を覆っていた。

 ある一人の長身のイケメン男が彼女の気を惹こうと、M・サンデルの”白熱教室”で見かける様な、安っぽく薄っぺらな人生哲学を展開する。
 勿論、語ってる事に矛盾はなかった。私は男のウンチクよりも、隅っこにひっそりと座ってる女の様子がひどく気になっていた。
 長身男が必死で持論を展開する間も、女は下を向いたままだ。
 私も女の気を惹こうと勝負に出る。
 ”君の哲学に矛盾はないが、それが正しい事も正しくない事も証明はできない”
 男は私を上から視線で睨みつける。
 ”どういう意味だ。何処がどう気に入らないんだ?”
 ”君は完璧には程遠いって事だ”
 ”俺の何処が完璧ではないのかな?身長も収入も学歴も見た目も、全て兼ね備えてる男の何処が気に食わないんだ”
 ”不足なんだよ。その不足が実に致命的なんだ”
 ”全てを備えてる事が何故、致命的なのかな?”
 ”成功と失敗を同じ次元とするなら、君の人生は成功でもあり失敗でもある”
 ”どういう意味だ・・・”
 ”だからそういう意味です”

 その時、女が少し驚いた表情で私の方に鋭い視線を向けるのを、私は見逃さなかった。
 ”流れは確実にこっちに向かっている”と私は心の中で呟く。
 ”もうこれくらいにしよう。君の人生哲学を論破した所で、私には何の利益も旨味もない”
 長身男は私の横に腰を落ち着けた。
 ”アンタだってあの女を狙ってんだろ。でもやめた方がいい。実は俺の彼女なんだ。今は別れてるけど、いずれ俺の方になびくさ”
 ”多分その保証はないね。靭帯と同じで1度切れたら元に戻る事はない。残念だが、諦めた方が君の為だ”


幻滅

 私は、女の過去と素性を知った様な気分になっていた。
 所詮、男も女も見た目である。それ以上もそれ以下もない。これを幻滅と言わず、何と言おうか・・・

 男とはその後、何度か議論を交わしたが、私が男の安っぽい哲学を無機質な数学的議論に持ち込もうとしたが為に、男は嫌気が刺したのか、違うテーブルに去っていく。
 私も気分転換の為に、違うテーブルに腰を落ち着け、その手の尻軽女らとの会話を楽しもうとした。つまり、すぐにヤラせる様な類の女である。
 気難しい美人も悪くはないが、ノーテンキな軽い女もパーティーには必要だ。グラマラスな肉女に近づき、2人っきりで事を楽もうと企むも、再びある種の幻滅が我を襲う。
 私には、このパーティーが失敗に終わるのが最初から目に見えていた。
 ”大体において、(私もそうだが)こんな所に集まる男も女も、ろくな人種はいない。皆、人には言えない暗く侘しい過去を背負って生き延びてる。ある意味、この場にいるのは峠を過ぎた欠陥品なのだろう”

 幻滅にどっぷり浸ったままの私は、帰り支度をする為に、元のテーブルへと戻ろうとした。
 すると、何と彼女が私の座ってた椅子に座ってるではないか・・それも横にいる女と何か親しそうに喋っている。
 私は迷った。
 勇気と覚悟を持って、彼女の横に座るのがいいか?それとも慌てずに、じっとその場と彼女の様子を見守るのがいいか?
 正直、判断はつかなかった。
 身動きがとれずにいる私は、色々と思索を巡らせたが、一向に答えが出てこない。
 ”迷ったら告白よ”という松任谷由実の恋愛教室での言葉も頭を過ぎったが、玉砕するのは目に見えている。
 そうこう思う内に夢から覚めた。


最後に

 悲しいかな、今回の夢ではエリザベス・オルセンが目の前にいながら、喋る事すらできなかった。
 それ程までに、彼女には何かを寄せ付けない、ある種のオーラを纏っていた。
 頭の中での彼女は私の射程内にある筈だったし、会話で説き伏せる事もできた筈だ。少なくとも、別れた理由を聞き出す事は可能だった。
 それに、どんな理由で男を好きになったのか?好きな男に一番期待するのは何か?見た目か?金か?知能か?学歴か?

 因みに、彼女は今35歳と、女優としてのピークは完全に過ぎ去ったかに思える。が実は、2017年頃に知り合った某バンドのボーカルと20年に極秘結婚してた事が判明している。
 事実、そういう思いで夢を振り返ると、彼女は明らかに人生を模索してるようにも思えた。一方で、女優としての絶頂期に婚約を解消し、新たな人生を歩もうと決心した彼女には、ある種の決意と覚悟があった筈だし、それは夢の中でも色濃く滲み出ていた。
 勿論、私が彼女の横に座ったとして、日本人の私が何とアドバイスできようか。

 自分の人生は最後には自分で答えを導き出す。更に言えば、自分の人生に通用する公式や定理は自分で見出すしかない。もっと言えば、それまでの経験や他人のアドバイスは、慰めにすらならない。
 つまり、人生は数学の難題に相当する程に厄介である。どんな理由があれ、婚約破棄が正解だったと認識できるまでには、相当の時間が掛かるだろう。
 そして今、彼女は新しい旦那を見つけ、自分自身で答えを見つけ出したのだ。が、今度の夫は彼女にとって最適解の様にも思える。 

 ああ〜夢の続編が見たくなる。
 その一方で、これ以上、オルセン嬢に幻滅を抱きたくないという気持ちもある。
 という事で、色々と考えさせる夢でありました。
 



4 コメント

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女優って (tomas)
2024-05-06 12:30:03
基本的には若いときだけですよ。
勿論長く活躍できる女優さんもおられまずが
殆どは30過ぎたら老いが極端に忍び寄ってくる。
昭和を代表したアイドルの山口百恵さんも
15歳がピークで18の時は既に峠を過ぎてましたから>>>

エリザベスオルセンは大学時は女優業を休んでましたからピークはズレるはずですが
それでも転んださん言うように25から27ほどでしょうね。
結局は高卒の野球選手と同じで
よくても30がピークという現実は悲しいもんがあるんですが>>
それも含めて人生なんですよね。

幻滅というタイトルをみてそういう思いがしました。 
レギーネ・オルセンを想起させる (転象先生に嫉妬しそして僕は途方に暮れる肱雲)
2024-05-06 13:29:10
転象先生のブログは本にした方が世のため人の為になるとつくづく思いますよ
こんな夢の中に居る様な私小説が映画論に触れながら書けるなんて
そしてアホなワタシはオルセンと聞いて、
キルケゴールが有神論的実存主義に至る切っ掛けとなった、婚約者を思い出しました
tomasさん (象が転んだ)
2024-05-06 16:55:29
正直いいますと
エリザベスさんは老けないタイプの女優かなと期待も込めて思ってましたが
所詮は、不特定多数の女優と同様に、あっという間に老けちゃうんですよね。
言われる通り
そういう意味をも含めて”幻滅”というテーマにしたんですが、彼女の人生はどんな物になるんですかね。
双子の姉も老いには勝てず、業界からは身を洗ってるそうですが、妹も同じ道を歩むんでしょうか・・・
他人様の事はどうでもいいのですが、そういう事を考えさせてくれた夢でもありました。
kouunさん (象が転んだ)
2024-05-06 17:05:55
キルケゴールといえば
19世紀のフランスの哲学者でしたよね。
あの頃の哲学者は皆筋金入りでした。
ガウスもリーマンも哲学者を兼ねてましたが、それほど人にとっても世にとっても重要な学問でした。
しかし今の哲学は理屈にすらなりえない。M
サンデルのハゲ爺を見てるとつくづくそう思います。

一方で、”主体的真実”を唱えたキルケゴールですが、夢の中で彼がいたなら私の椅子に座ってたオルセン嬢に何と声を掛けたでしょうか。
何だか凄く気になりますね。

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