アメリカの現地校 日本の学校との文化的な違いとは

アメリカの現地校には日本人の私たちからしたら母国の学校とは違うと感じることが随分あります。

米国の現地在住者として、スクールバス、掃除がない、ロックダウンの訓練、給食、持ち物などの実際の現地校の様子と日本の学校の違いをあげながら考察していきます。

アメリカの現地校 日本の学校との文化的な違いとは

こんにちはー。キョウコ@NandaroAmericaでーす。

現在アメリカへ移住を計画されている方、これからされる方、そしてすでに渡米はしているけれどこれからお子様を学校に入れる方〜。

なかなかリアルが見えてこないアメリカの義務教育の学校の内容や文化。どんな感じなのか気になると思いますので色々な違いをまとめ・比較しました。特にプリスクール、キンダー、エレメンタリーのお話です。親御さんは是非ご参考に。




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アメリカの学校はスクールバスで登校

ドラマや映画で見る通り、アメリカの公立校へは基本的にあの黄色いスクールバスで登下校します。

スクールバスは推奨であって強制ではないですが、プロパティタックスから支払われているために登下校にスクールバスを全く使わないとわかっている場合は、学校やカウンティや学区の教育委員会(BOE)に問い合わせるとその分が返ってくる場合もあります。

学校が遠くなくてもスクールバスの利用を推薦するのは、子供の自立心を育てることと言われています。しかしながらプリスクールから小学低学年までの間は登下校時は必ず保護者の同伴が求められます。共働きなどで親御さんが登下校のバス停の待ち時間に同伴できない場合は個人的にドロップオフをするか、ビフォー・アフターケア(学童)の場所まで送迎する必要があります。

日本では小学生からは班やお友達で歩いて登下校する場所が大半ですが、アメリカではそれは低学年では認められていません。また、学校までの道のりも徒歩を想定していない場合もあるので歩道がない、信号がない、など、子供が一人で歩けることを保証していないまちづくりの場合が多いです。

スクールバス・治安について詳しくはこちらでも紹介しています。是非ご参考に。

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アメリカの学校には掃除がない

アメリカの学校には掃除の時間や、子供たちが掃除をする責任がありません。しかし、かつてまだアメリカの学校が寺子屋的なものだった頃には、掃除の時間は存在しました。

なぜ現在は生徒たちは掃除をしないのかというと、お掃除の人を雇っているからです。お掃除はお掃除プロフェッショナルにとって大事な仕事で、学校やビルなどでの清掃業者はとても組合が強く、影響が大きいと言われています。

アメリカは建国当時から移民の国であり、「移民」という言葉には実に深い意味を持っています。言葉ができない人たち、難民として受け入れられ、ゼロからこの地で生活を始めている人たち、母国ではエリートであったものの、アメリカでの学位や経歴がない人たちなども多く含まれます。

移民を受け入れる国アメリカでの移民の扱いも色々な側面があります。万人に開かれ、万人に平等であるという基本理念があるものの、やはりゼロから生活を始めたり、何らかの出来事で失敗して人生をやり直す人にとっては色々な職業がなくてはならない、ということでもあります。

日本では、学校のお掃除を通して掃除の方法や物を大事に、綺麗に感謝して使うなどを学びますが、アメリカの子供達はその機会が学校ではなく、後は家庭での分担やしつけ、実際アルバイトの業務内で体験するなどしないと、掃除を習慣的にするという機会があまりないようです。

掃除と文化についてはこちらでも深く取り扱っています。是非ご参考に。

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アメリカの学校ではロックダウン訓練がある

ロックダウンとは何かご存知ですか?銃社会のアメリカでは悲しいことに、キンダーガーテン(幼稚園)の頃から「銃乱射」への備えを目的とした訓練があります。

日本でも避難訓練がありますが、地震や火災などの災害・アクシデントを想定しているのみで、犯罪者への対応を目的にしてはいないと思います。

筆者も教師をしていたので、実際にマニュアルに従ってロックダウン訓練をしたことがありますが、廊下を銃を持った人が歩いているかわからないから音を立てるな、教室の中で一番安全な位置はどこか、犯罪者が入ってきてしまったらすぐに電気を消し、ドアのガラス窓に厚紙を貼り外から覗かれないように対処する、などかなりの金箔・恐怖感があり、サバイバル力が試されます。

日本は銃社会ではないのでこういうことは起きないかと思います(でもナイフなどで武装は可能ですよね)ので、アメリカはここがやっぱりおかしいな、と思いますね。

ロックダウン訓練についてはこちらもでも説明しています。是非ご参考に。

ロックダウン アメリカの子供達が経験する銃乱射の避難訓練




アメリカの学校の持ち物・貸与されるもの

アメリカの学校は随分とクラスルーム内の設備、そして子供たちの持ち物が違います。一つずつご紹介します。

アメリカの小学校には教科書がない?

小学校では教科書がないというと言い過ぎかもしれませんが、子供たちは基本的に教科書を家に持ち帰ってきません。低学年だとこの傾向は強く、毎回先生が用意したプリントや動画などの教材を使い、参加型で進めていくのが主流なようです。

確かに、エレメンタリーだとバックパック(スーパーやターゲットのような量販店で毎年8月ごろ新学期セールで大々的に売り出す)がそんなに丈夫ではないので、バックパックの中に何冊も本を入れて毎日運ぶことは想定していないのが明らかです。

ちなみに、バックパックはほとんどランチバッグとお水などでいっぱいになってしまいます。

Back to school セールや小学生の学校への持ち物などの話題はこちらでも扱っています。

アメリカキンダーの新学期準備費用公開&体験談

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クロームブック

クロームブックはグーグルの簡易ラップトップなのですが、娘の公立学校では通常時から一人一台をクラスルームで使っていました。

パンデミックになってからは一人一人自宅に貸与という形で持ち帰り、インターネット環境がないご家庭にはホットスポットも無料で貸与でした。

これはサービスなのかもしれないけれど、パンデミックの中でも子供の「教育を受ける権利」を侵害しないように大人たちが一生懸命「子供に教育を受けさせる」義務を果たそうと頑張ってくれた姿が日々伝わってきて、感動した出来事でもありました。

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楽器の貸与

通常通り学校に通っている間は、3年生ごろからバイオリンなどの貸与がありました。家に持って帰ってきて宿題として練習をしますが、その際は貸与の保険をいくらか払います。1年分で$10とかそのくらいです。

バイオリン、トランペットなどが選べます。日本のようにリコーダー、ハーモニカ、ピアニカなどはこちらの学校では見かけません。リコーダーやピアニカってとてもいいと思うのだけど、アメリカはなぜやらないのかなー。




宿題

低学年の頃は宿題という概念があまりないのか、家に宿題のプリントも、ドリルも、何も持って帰ってきません。たまに「保護者とサンドイッチを作り、その工程をよく覚えて次の日に学校に来てね」とか、ゆるーい宿題がありました。

日本のように漢字など繰り返し家でやって覚えてくる項目が英語にはないからなのかもしれないけど、家での学習はあまり強要されず、むしろ家に帰ったら習い事やスポーツをするから忙しい(から宿題を出されたら親は負担になるだろうし、子供もやらないだろう)みたいな空気があります。予習・復習をしましょうとかも、ないw

これでいいのかw(と思って家ではドリルを買って色々やらせています)

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通訳

英語がまだできない子供たちには通訳がつきます。この相談は入学時に校長先生とする必要があります。

通訳は無料で、日本語のような少数派の言語でもきちんとサポートをつけてくれます。英語が身につくまでは子供さんも本当に大変だと思いますが、ヘルプがあることは覚えておいてくださいね。必要な場合は躊躇せずお願いすることができます。!




アメリカの学校の給食について

アメリカの学校の給食というとどんなイメージがあるでしょうか。公立学校だとカフェテリアで有料の給食を買ったり、自分でお弁当を持参することもできます。

日本の給食やお弁当のような感じではなく、本当にアメリカーンな献立・お弁当が多いのですが、中にはアメリカすごいじゃないと感動する対応もあります。細かく紹介します。

アレルギー持ちの子への配慮

こちらに来て感じたのは、アレルギーの人がとても多いことです。花粉症の人も多いし、何らかの食物や化学物質などのアレルギーがある人がとても多い。大人も子供もアレルギーに対して敏感だし、理解もあります。

さらに、アメリカではアレルギーの治療法も進んでいます。また、一般のスーパーやドラッグストアで強いアレルギー薬も売られています。

クラスにナッツアレルギーの子がいると学校全体・またはクラス全員がナッツを含む食品の持ち込みが禁止されたりします。また、食品アレルギー持ちの生徒は離れたテーブルでお昼を食べるなどの対処がされています。

アレルギー治療法についてこちらもご参考に。

アレルギー治療体験記 in アメリカ 2020年8月から随時更新中

アメリカ花粉症&アレルギー薬&予報サイト特集




ヘルシー・オーガニック志向の給食へ進化

アメリカは色々な国からの移民が祖国の料理を持ち込むことで色々な国の味が楽しめます。さらに小学校の社会科では「我が国アメリカは移民が色々な食文化を持ち込んだおかげでとても豊かである」という教えもあります。

が!ご存知の通り、ハンバーガー、ソーダ、ピザ、フライドチキンなどなど、国民食はファストフードだったり、栄養の知識が不足していたり、そもそも気にしなかったりで家庭でヘルシーな食事を摂らない人も多いのが実情。この背景には日本のような家庭科や栄養の教育が行き届いていないことや、低所得者ほど野菜や果物が不足する食生活に陥りやすい(ファストフードがとても安いから)という側面があります。

近年西海岸のパブリックスクールなどを中心に、だからこそ子供達に学校で与える食事には気をつけようという動きがあり、野菜・果物が増え、小麦粉を使うパンやトルティーヤは全粒粉を極力使用する、揚げ物や加工食品は減らす、などの工夫がされるようになって来ました。

家庭科の教育レベルはまだまだな印象ですが、給食の内容は進化し始めています。

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学童保育

アメリカでは日本以上に共働きの家庭が多く、お母さんが産後すぐに仕事に復帰する傾向が強いです。それは女性がキャリア構築に非常に熱心なこともありますが、アメリカ全体では産休が義務化されておらず、企業によっては産後長く休めばポジションがなくなる場合も多いからです。

そのため、多くの子供たちが赤ちゃんの頃からデイケアなどに預けられたり、近隣に祖父母がいれば面倒を見てもらうのですが、デイケア、プリスクールの費用は非常に高額で社会問題となっています。都市部ではデイケア費用は子供一人につき月$2000以上します。

この金額のために多くのお母さんは仕事を在宅にするか、一切働くことを諦めるかの選択が迫られるわけですから、子供を持ったがために収入の低い人ほど、女性の社会進出が滞るという矛盾が発生します。

現在のバイデン政権では、その社会問題を解消しようと、世帯収入によってデイケア代の何割かを政府が負担することが検討されています。また、バイデン政権後、日本のような子供手当の現金支給も毎月始まりました。こちらは世帯収入にもよりますが、多くの子供が月に最大約$300もらえることになりました。

アメリカの民間デイケアと公立プリスクール両方体験!感想と解説

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まとめ

いかがでしたか?アメリカの義務教育(特に低学年)はこんな感じです。

アメリカでお子さんを入学・就学させるご予定がある世帯の参考になれば嬉しいです。

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