交通誘導の合図を送る道具

雑踏警備の警備員が警備会社から支給されて携帯する警笛(ホイッスル)、白手(白手袋)、誘導灯(信号灯)などの道具について説明していきます。

誘導合図を送る主な道具

雑踏警備において警備員が誘導する場合、誘導の基本方式から具体的な警備員の誘導動作、警備員配置に至るまで、警備全体の存在が重要になりますが、ここでは交通誘導に直接関与する以下の道具についてのみ説明しています。

  • 警笛
  • 白手(白手袋)
  • 誘導灯(信号灯)
  • 手旗(誘導旗)

警笛と白手は常に身に着けるものです。誘導灯は点灯(または点滅)する棒のようなものです。手旗(誘導旗)は紅白の旗(赤い旗のみまたは黄色の旗のケースもある)で、主に日勤(日中)のみで利用されます。なお手旗を携帯するケースは限られていますので、通常は手旗ではなく誘導灯を携帯している警備員が多いです。

警笛とは

警笛とは一般にホイッスルと呼ばれているものです。雑踏警備の場合、警笛はポケットに入れるなどして身に着けるものではなく、常に身体から離れず瞬時に利用できるよう、モール(警備員が腕を通して肩からかけている紐)の先に警笛をつけます。

なお、警笛による誘導は車両など歩行者以外に限られます。歩行者に対しての誘導は、事故が生じる恐れがある緊急時を除き、口頭(言葉)による誘導です。

白手とは

警備員が身につけている白手は工事現場などの作業時に使う手袋とは違います。工事現場に勤務している警備員は誤解されやすいかもしれませんが、白手を身に着けます。なぜなら警備員は工事現場の作業する業務ではないからです。

交通誘導をすることが業務である警備員にとって白手の役割とは、工事現場作業で手を保護することではありません。白手をつけた手の動作、手の向きなどにより、停止、進行、方向など誘導する手を目立たせることが目的です。

誘導灯とは

信号灯と呼ばれることもありますが、信号機とは違います。交通誘導で使う棒状の道具で、夜間になると点灯(または点滅)します。警備員の場合、誘導灯は通常、車両停止の合図時に左手、車両進行の合図時で右手に持ちますが、状況により左右持ち替えたり、両方の手に持ったりします。以前は日勤(日中)の勤務に適した誘導灯と夜勤(夜間)の勤務に適した誘導灯の2種類があり、双方を携帯したり使い分けたりする時代がありましたが、最近ではそのような区別なく昼夜兼用で使うことが多いです。

なお歩行者に対しては、急ぎ停止や夜間の場合などの方向指示としての役割を除き、原則として誘導灯による合図ではなく、白手や口頭を用います。特に日勤(日中)に誘導灯で歩行者に合図を送るのは失礼にあたるので慎むべきです。

手旗とは

黄色い旗を使う場合もありますが、特殊なケースなのでここでは紅白に限定して説明します。紅白の旗の場合、原則として左手に赤、右手に白を持ちます。旗の合図の基本は、赤は停止、白は進行を意味します。赤い旗の場合は誘導灯と同じです。

なお、夜間はもちろんのこと、日勤でも冬の夕刻は旗が見えにくくなりますので、誘導灯を携帯することが多いです。

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