月姫亭-第六章-

Risunyaのオリジナル詞華集と楽曲

【lyrics】ブリキの兵隊

2021-09-12 | 詞華集2010
オレはブリキの兵隊 手足の錆びた兵隊 
古いだけが取柄の 忘れ去られた存在 

時代を創ると銃を掲げて 
掴んだものはレプリカばかり 
罵声と嘲笑の渦を泳いで 
辿り着いたら孤独の未来 

やがて夢は醒めて 何もかも気付いたのさ 
切れた発条では もう今は動けもしない 



オレはブリキの兵隊 塗装の剥げた兵隊 
ガラクタ箱で毎日 吐き出す過去の残像 

大量生産された仲間と 
手にしたものは鍍金(メッキ)のカラダ 
金綺羅(きんきら)の勲章を胸に貼り付け 
辿り着いたら空虚な世界 

やがて夢は醒めて 流れ逝く時を知れば 
狭い殻の中で 色褪せた追憶に酔う 



やりたいことは何だったのだろう 
行きたい場所は何処だったのだろう 
老いぼれの戯言と笑うがいいさ 
埃まみれの昔話を 

やがて夢は醒めて 目を開けて確かめれば 
銃も剣も旗も 鼓動さえ亡くしたオレは 

やがて夢は醒めて 何もかも気付いたのさ 
遠い過去に抱かれ 息絶えるただのブリキと 

錆びついた ただのブリキさ 



--------------------(2010年)



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