馬屋記ーヤギとクリの詩育日誌

つらなりのほつれ fray of sequence(33)移動遊園地

今日だけの命という確信が
抽象画で点描されている、
まるで切り取られた現実のように。

対戦車用の武具を後頭部の語彙集からバックで出した。他のメンバーの頭皮が奏でる撥音をジャムにして瓶詰めした。さあ、きみがいる多言語の巣穴に帰ろう。もう何日も重たい鎧を纏った飛び方をしてきた。疲れたよ。移動遊園地の錆びた鉄柱から展開する”戦士に恋して”というくだりでちょっと電気信号を散らしてみよう。心房が微かに細動している。甘くはない、つまりお願いしていれば願いは叶うというほど行き先はブルーベリーではないということ。今日だけの命という確信がまるで切り取られた現実のように抽象画で点描されている。てっきり、泣いているのは岩肌だと思った。愉快な空虚。きみの背の、翅を透かして。


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