前編では、学会の講演セッションについてレポートしましたが、今回は当院の研究成果を発表した口頭演題をご紹介したいと思います。
本学術大会では、当院の培養部門から3題の発表を行いました。
ひとつめは、体外受精における
「精子調整法の違いによる精子DNA fragmentation率の比較」
というものです。
精子の調整法には遠心分離を行うものや、遠心分離を行わず、装置を使って行うものなどがあり、それぞれにメリット・デメリットがあると考えられていますが、本研究は調整法によって精子のDNAのダメージに差があるのかを検証したものです。
次は、
「男性不妊に関する意識調査の報告」
です。
メンズクリニックを受診された400名の方を対象にアンケートにご協力いただき、ご自身の検査結果や治療についての意識調査を行った結果の発表を行いました。
そして、もうひとつは、少し難しくなりますが、
「雌雄両方のゲノムを含む1PN形成は自然妊娠でもc-IVFと同率に起こる」
というものです。
1PNというのは受精卵を観察した際に、通常は卵子と精子それぞれから由来する2つの前核(PN)が見えるはずですが、1つしか観察できないことをいいます。1PNとなる原因はいくつか考えられますが、本研究ではタイムラプス画像を詳細に観察することにより、卵子・精子両方の遺伝子を含んだ1PNの形成は体外受精を行った場合と、自然妊娠で起こると言われている割合とが変わらないということを検証したものです。
この研究は、本学術大会の優秀演題賞を受賞しました!
いずれもの研究も、日々の診療に役立てて行くとともに、これからも様々な臨床的疑問や課題に対して研究を続けていきたいと思います。
また、COVID-19もまだまだ収束したとは言えない中、学会を主催された方々には大変なご苦労があったのではないでしょうか。このような素晴らしい会を開催していただいたことにあらためて感謝したいと思いました。
文責:[研究開発部門] 山本 健児 [理事長] 塩谷 雅英
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