ヴィンテージギター、中古ギターまたは新品ギター 買うならどれを選ぶ?

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ヴィンテージギター イメージ

世の中で販売されているギターには、新品と中古がある。

どんなものでも、新品よりも中古の方が安いものだが、ギターの場合はそうでない場合もある。
特に「ヴィンテージ」と言われるギターは、ともすると新品より高価なものが存在する。

では、ギターを購入する際、どれを選んだら良いのか?

今回は、ギターを購入するときの参考になればと思い、アコースティック、とりわけクラシックギター(フラメンコギターを含む)のヴィンテージ、中古、新品の違いを書いてみた。

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ヴィンテージギターとは?

エレキギターであれば、1958〜60年のレスポールスタンダードのように、はっきりとヴィンテージの定義が決まっていそうなもの。

だが、実のところ、ヴィンテージギターの明確な定義はない。

一般的には、1970年台以前のギターを「ヴィンテージ」というようだが、それはエレキギターとアコースティックギターで少し違いがあり、扱う楽器店でも違う。

特に、クラシックやフラメンコギターの場合、単に年代が古い、というだけではなく、かつてあった工房がなくなったことにより入手困難なもの、あるいは、現在は使用できない材質の木を使って作られたものを、ヴィンテージギターと呼んでいる。

例えば、パコ・デ・ルシア愛用のフラメンコの定番、コンデ・エルマノス。コンデ一族によるギター工房だが、2010年にはフェリーぺ・コンデとマリアーノ・コンデに分かれたため、コンデ・エルマノスのラベルがついているのは、それ以前に制作されたものだけ。

ちなみに、筆者のコンデ・エルマノスEF-4は、2002年製。約20年前のものだが、ヴィンテージになるのだろうか?

conde_ef4

また、高級ギターの横板や裏板に使用されているハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)は、現在ワシントン条約により取引禁止となっているため、新品のギター製造工程において使用されることはほとんどない。
しかし、70年台以前のギターでは、比較的安価なギターでも、ハカランダで作られてものもある。

つまるところ、ヴィンテージギターは、単なる中古ギターではなく、入手の困難なことや使用材質によって定義されるもの、と言ったところだ。

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ヴィンテージギターも中古

ギターを購入するときは、どんなことにこだわるかで、新品か中古に分かれるだろう。

人によっては、「他人が使用したものを使うのは抵抗がある」という人もいるかもしれない。

あるいは、新品は無傷だが、中古は傷がついていたり、前のオーナーの弾きぐせがついていたりすることもある。それも「味」と捉えて、中古を選ぶ人もいるかもしれない。

傷だけではない。中古のギターは、経年によるクラックやネックの反りなど、購入してから修理しなければならないことも、若干だがある。

そして、ヴィンテージギターも新品ではない、中古なのだ。

いくら希少な材質のギターでも、あるいは入手困難なギターでも、確実に自分以外の誰かが弾いてきたことは否定できない。

それでもなお、中古やヴィンテージギターが持つ魅力とはなんなのか?

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ギターの木は生きている そして育つもの

当然のことながら、ギターは木でできている。表板、横板、裏板から、ネック、指板まで、全て木だ。

唐突だが、日本家屋を例にとって考えてみよう。

古民家をわざわざ改装して、旅館やカフェに生まれ変わらせることがあるが、これも、木でできた日本家屋の良さを今に伝える良い例だと思う。

現在ではなかなか入手できない、太い梁や柱をふんだんに使った日本家屋は、例え100年経っても使い続けることができる。

あるいは、ヴァイオリンの名器、ストラディヴァリウスも良い例だ。主に17〜18世紀に造られたヴァイオリンは、いまだにヴァイオリニストによって弾き継がれ、さらに未来へと託されるほど。

日本家屋とストラディヴァリウスに共通することは、木は生きていて、経年によって育っているということ。

ギターは、弾きこむことによって、鳴りが良くなると言われている。

一年を通じて、膨らんだり凹んだりを繰り返し、弦の張力と振動により、表板の緊張が安定してくる。ブリッジの下側はわずかに膨らみ、反対にヘッド側はわずかに凹んだ状態になる。

同時に、制作時にシーズニングされた木材は、さらに乾燥していくことによって「枯れた」状態になり、そこで初めて、ギター本来の良さが出てくるのだ。

この状態を、購入時から体験できるのが、ヴィンテージギターや中古ギター。

反対に、まだ表板が安定しておらず「枯れて」いない新品は、これから長い年月をかけて、自分が「育てていく」良さがある。

どちらを選ぶかは、その人次第。

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専門店へ足を運んで選ぶべし

どんなギターでも、自分の目と耳で確かめて買うべきもの。

特にヴィンテージや中古ギターは、きちんと調整され、リペア済みかどうかを、隅々までチェックした方がいい。こればかりは、間違ってもネットで購入しないように。

専門店では、中古ギターでも、新しいオーナーに末長く弾いて欲しいから、できる限りのリペアを施して販売している。リペアルームが併設され、リペアスタッフが常駐しているようなショップなら、安心だ。

筆者もあちこち専門店を回ったわけではないが、「アウラ」さんはギターショップ、音楽院、メンテナンス&リペアが併設されている、おすすめのショップだ。

また、いつもみているギター情報サイト、「Jギター」も、ギターはじめ様々な楽器と、その販売店を検索できる便利なサイト。ここで探してから、店に足を運ぶのも良いかもしれない。

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