シンプル・安全・安定のCentOS後継ディストリビューション・EuroLinux|ざっくりLinux!- 104

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EuroLinuxデスクトップ

前回の記事で、CentOS後継ディストリビューションは、実はデスクトップOSとしても最適であることを紹介した。

記事の最後で、新たなRHEL系統ディストリビューションとしてEuroLinuxをテストしたことに触れたように、今回はポーランド生まれのRedHat系ディストロ・EuroLinuxを紹介する。

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EuroLinuxはサーバーグレードのクオリティ

まず、EuroLinuxの概要から。

EuroLinuxは、2013年から開発が進められているポーランドのエンタープライズクラスのLinuxディストリビューションです。EuroLinuxは、Red Hat® Enterprise Linux®のソースコードを基盤として構築されています。これは、RHEL®、Oracle® Linux、CentOS、そして最近公開された新しいコミュニティ・ディストリビューションAlmaLinuxとRocky Linuxとの互換性を保証しています。EuroLinuxは、これらのシステムのために設計されたソフトウェアの同じ操作環境を提供し、同じハードウェアの認定を提供します。私たちのシステムは、経験豊富なアーキテクトや開発者によって維持・開発されています。有償版と無償版の2種類があります。有料版では、さらにテクニカルサポートカバーが提供されます。

EuroLinux公式サイトより、DeepLにて翻訳)

以前は、エンタープライズ版として有償にて提供されていたが、CentOSのサポート終了を受けて、2022年より無償版を提供するようになった。

RedHatと完全に互換性があることから、サーバーグレードの最高レベルのセキュリティと信頼性を提供する。それにより、科学機関、銀行、電気通信事業、公共機関での厳しい要求にも応えることができるとされている。

前回の記事に書いた通り、一般的な利用者にとっては、サーバー向けに適しているRedHat系統はデスクトップでの使用においてもとても優秀であることから、EuroLinuxを普段使いのパソコンのOSとして利用することは、WindowsやMacOSより優れているのでは?との考えに至った。

上述以外のEuroLinuxの特徴は、

  • シンプル・簡単なデスクトップ
  • 10年間の長期サポートを提供(EuroLinux 9は2032年6月まで)

にある。

他のRedHat系統同様、リリース後10年間サポートを提供するということは、Windowsでは考えられないことだ。

見た目は派手ではないが、アップグレードに悩まされることなく、ずっと使い続けられることは、ビジネスシーンでのPCはもちろん、パーソナルユースにも適していると考える。

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EuroLinux 9のインストール手順

では、さっそく最新ヴァージョンのEuroLinux 9をインストールしてみる。すでに触れているように、VirtualBoxにてテストしていることをご了承いただきたい。

その前に、推奨システム要件の確認から。

  • CPU:Intel x86_64, AMD, ARM
  • RAM:4GB (1.5GB per CPU recommended)
  • ストレージ:10GB (20 GB recommended)

いつもの通り、インストーラのスクリーンショットを貼り付けておく。インストールもとてもシンプルだ。

EuroLinuxインストーラ1

インストーラ初期画面。ここで言語を選択する。

EuroLinuxインストーラ2

日本語を選択

EuroLinuxインストーラ3

赤字のところだけ設定すれば良い

EuroLinuxインストーラ4

ディスク設定 クリーンインストールの場合はそのまま完了でOK

EuroLinuxインストーラ5

管理者権限(root)のパスワード設定

EuroLinuxインストーラ6

赤字(未設定)がなくなればインストール開始

EuroLinuxインストーラ7

インストール中

EuroLinuxインストーラ8

インストール完了後再起動

EuroLinux再起動後設定1

再起動後このウィンドウが開きセットアップを開始

EuroLinux再起動後設定2

不要であれば次へ

EuroLinux再起動後設定3

ここも必要であれば設定するが今回はスキップ

EuroLinux再起動後設定4

ユーザー設定(管理者ではない)

EuroLinux再起動後設定5

ユーザーパスワード設定(rootパスワードとは別)

EuroLinux再起動後設定6

セットアップの完了

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EuroLinux 9はインストール後の設定が不要

冒頭画像は、セットアップ終了後のデスクトップ。

インストーラで言語設定をしているので、すでに日本語表示になっている。画面下パネルの歯車アイコン(設定)を開いても、特に設定するところはない。

日本語入力も、設定は不要だ。パネル右下の「ja」をクリックし、「日本語(Anthy)」を選択すれば、すぐに日本語入力できる。

EuroLinux日本語入力1

EuroLinux日本語入力2

また、パネル右下の「ja」横の月アイコンをクリックすると、一発でダークモードに変更することができる。

左下のメニューアイコンをクリックすると、Gnomeタイプのメニュー一覧が表示される。

EuroLinuxメニュー

ご覧の通り、最低限のアプリしかプリ・インストールされていないが、パネルに表示されているカバンアイコンのソフトウェアから、必要なアプリをインストールすることができる。

ソフトウェアは、EuroLinuxのAppStreamのほか、Flathubのリポジトリをカバーしているため、最新のオープンソース・ソフトウェアをインストールすることができる。

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EuroLinuxのまとめ

MacOSのような、派手さやデザイン性はないが、

  • シンプルで無駄のないデスクトップ
  • サーバーレベルのクオリティ
  • 10年サポートによる安心感
  • 余計なアプリは入っていない

は、Windows OSにはない魅力だろう。

インストール時においても、特に難しいことはない。

他のRedHat系統のAlmaLinuxやRockyLinux、日本製のMiracle Linux同様、メインはサーバー利用というディストリビューションはどれも同じ特徴があるが、EuroLinuxはインストールから設定まで、全てが簡単なため、Linux初心者にも扱いやすいディストリビューションだろう。

あえて難点を挙げれば、

  • isoファイルが大きい(4.3GB)
  • 32bit版がない

といったところだろうか。

これからLinuxを始めようという方には、シンプル・安全・安定のEuroLinuxをお勧めする。

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