前回からの続きです。
形而上学的素領域理論から見ると、空間は対称性(真空)の自発的破れによって生まれ、一方時間はその破れた対称性を復旧する過程で生まれると考えられました。
ちなみに、前回は「素領域を創造する方向に空間が生まれ、反対に素領域を破壊(対称性を復旧)する方向に時間が生まれる」と表現しました。
ですが、より正確には、素領域を創造する力、即ち対称性の自発的破れの反映として空間が生まれ、反対に素領域を破壊する力、即ち対称性の自発的創造の反映として時間が生まれると表現した方がいいかも知れません。
下図はそのイメージです。
空間(素領域)は、「外から内」の力を持つ対称性の自発的破れの反映として生まれ、反対に時間は、「内から外」の力を持つ対称性の自発的創造の反映として生まれることを表しています。
そして、この図から分かることは、ここで扱う空間と時間は、単に私たちが通常考える4次元時空(3次元空間+1次元時間)ではなく、外部に存在する真空をも加味したものというものです。
4次元時空は、科学が扱う領域で、上図でいう素領域の内部を指しますが、素領域の内部は、その外部に存在する真空と相関性がある、即ち相互作用するため、空間と時間の発生を考える上で真空の存在を無視することはできないわけですね。
ところで、真空は、何もない空っぽな空間ではなく、粒子と反粒子が生成と消滅を繰り返している場であるという話をこれまで何度かしました。
ただ、粒子と反粒子が生成しても、それと同じ数だけ粒子と反粒子が消滅するため、結果的には何もない「0(1-1=0)」の状態になるわけです。いわゆる完全対称性です。
そして、この完全対称性が自発的に破れることで、言い換えると、粒子と反粒子の対称性が破れることで素領域が生まれ、それに伴い空間と時間も生まれると考えられるわけです。
で、ここから分かることは、対称性が破られた世界と破られていない世界の間には、明確な境界線があるということです。つまり差異です。
この差異を認識できるのは、私たち人間の意識です。私たち人間の意識だけが、対称性が破られた世界である素領域と、破られていない世界である真空の差異を認識できます。
そのためには素領域の内部に閉じ込められた意識を自ら救い出し、真空へと出てくる必要があります。ヌーソロジーの言葉を借りれば、人間の内面から外面、あるいは幅から奥行きへの反転です。
そうすれば、繰り返しになりますが、素領域の内部と、外部である真空の差異が明確になります。つまり、上図のような空間構造が意識上に立ち上がるのです。
そして、このような空間構造が立ち上がってくることで、本当の意味で空間と時間に関する理解も進んでくるといえるでしょう。
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