焦 元溥(チャオ ユアンプー)著
森岡 葉 訳
ピアニストが語る!
現代の世界的ピアニストたちとの対話
株式会社アルファベータ
2014年刊
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丁寧に大切に読んでいる
上掲書の対談にも登場する
ピアニスト
エリソ・ヴィルサラーゼ
本日は、その彼女の演奏を
シェアさせていただきたいと思います
まずは、彼女の略歴を引用抜粋。
(引用は上掲書より)
「エリソ・ヴィルサラーゼは、
1942年グルジア(ジョージア)の首都
トリビシ生まれ。
祖母アナスタシア・ヴィルサラーゼに
ピアノを学んだ後、モスクワ音楽院で
ネイガウスとザークに学ぶ。
1962年第2回チャイコフスキー国際
コンクールで第3位。
1966年シューマン国際コンクールで
優勝。
1960年からモスクワ音楽院で教職に就き
ソロのピアニストとしてだけでなく
室内楽の演奏家としても高く評価され、
ナタリア・グートマンとの共演は
とくに有名である。
幅広いレパートリーを持ち、
シューマンには特に造詣が深く、
リヒテルに「当代一のシューマン奏者」
と称えられた。」
以前、私の愛聴するNHK-FMの
「ベストオブクラシック」という
音楽番組で、彼女のリサイタルが
放送され、そこで初めて聴いたのですが
(2020年3月27日放送分)
関連記事はこちらです↓
その時聴いたシューマンの
「幻想曲」が印象的で
深く心に残った演奏家さんでした。
それから、以前から持っていた
上掲書「ピアニストが語る!」の
第1巻に彼女が登場しておりますので
早速その対談を読んでみて…
その内容に深く共感しました。
余りにも重要な内容でしたので、
彼女の対談、全編通して
時間をかけて、3度は
読み返しました。(およそ40頁程)
私が深く共感したのは
例えばこちら…↓
(引用は上掲書)
(「読者や次の世代の音楽家たちに何か伝えたいことはありますか?」という聞き手の質問への答えとして)
「言いたいことはひとつだけです。もし心から音楽を愛しているのなら、音楽を学びなさい。もし音楽がなければ生きていけないのなら、音楽という道を選びなさい。これは才能があるかどうかということとは関係がありません。もし本当に音楽を愛しているのなら、大した才能がなく大演奏家になれなくても、最高の指導者になることはできます。教えることでも音楽への情熱をかき立て、自身を進歩させ、深く音楽の世界を探求することはできるのです。(中略)
音楽家になるには才能が必要だと言うのなら、私は「美」に対する永遠の興味、驚き、感動する心を持っているかどうかだと思います。音楽的に秀でているかどうかは、それほど重要ではありません。音楽を本当に愛していなければ、そういう才能を持つことはできません。(後略)」
(太字は私に付しました)
…。
この「ピアニストが語る!」は、
第2巻から先に読了しておりますが…
第2巻のピアニストさん達、
タマーシュ・ヴァーシャーリや
クリスチャン・ツィメルマンなど
錚々たるメンバーも、
同じようなことを仰っていました…
それから、もう一つ印象的だったのは、
彼女の学生時代のおはなし。
以下、引用です。
(引用は同じく上掲書より)
「私の若いころには、学生がリストの《ロ短調ソナタ》や、ベートーヴェンの《ピアノ協奏曲第四番》を弾くと言ったら、学校中が大騒ぎになる事件でした。これらの作品の内容はきわめて奥深く、深思熟慮しなければ取り組むことはできません。内容を完璧に把握して表現するだけでなく、自分自身の新鮮な解釈も呈示しなければならないのですから!弾きたいのなら、絶対にすばらしく弾かなければならない。真にその作品を理解して、それを演奏で表現しなければならない作品です。そうでなければ、弾かない方がよい。しかし、最近の子どもたちは大曲に平気で挑み、聴くに耐えない無惨な結果になっています。」
(太字は私に付しました)
「真にその作品を理解して、それを演奏で表現しなければならない作品です。そうでなければ、弾かない方がよい」
この箇所、私にとっては、
「すべての作品」がそうであるため…
逆に、彼女の弾くベートーヴェンの
4番を聴いてみたい…そう思って
本日、捜してみました、YouTube動画。
そして、見つけたのがこちらです↓
※相変わらずアメブロ内での
YouTube動画検索機能が停止状態でして…
リンクシェアという形でお借りしておりますm(__)m
とってもブリリアントな
ベートーヴェンで、ハッとさせられます
そして、シューマンの作品の中でも
最も私の愛する「アラベスク」↓も
見つけました。
…衝撃を受けました。
今まで私が聴いてきた「アラベスク」は
一体何だったのだろうか、と…
この作品に「Arabesque」と名付けた
シューマンの心に触れた気がしました
「唐草模様」(Arabesque)のように
面々ととめどなく続いていく情感…
のようなもの
ただ、「流麗」なだけの演奏が
世の中には溢れていることに
気が付きました
そして、シューマンのコンチェルト!
↓
2003年↑
モスクワ音楽院大ホールでの
シューマンのコンチェルト。
最初の1音から引き込まれますが
第3楽章、この作品のMaxにまで
演奏が及ぶと、落涙を禁じ得ず…
「シューマンの魂が
よろこびを歌っている」…!
そんな風に感じられて
じわじわとからだが震えました
シューマンへの愛と共感に満ちた演奏
是非、上掲リンクから
ご一緒くださいね☆↑
彼女のシューマンは、
これからシューマンを聴こう、
という方には
是非ともチェックしていただきたい…
この時代に生まれ、
聴くことが出来てよかったと
思わせてくださる
そんな特別な演奏家さんです
音楽のカミサマ…
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