お仏壇にカットスイカをお供えした。
パパさんの御影を見ながら
「今年初のスイカだよ」と語り掛けながら。
パパさんが虹を渡る年は
（私の心では生き続けてくれる）
毎日スイカを食べていた。
私の医療費が１０万円を超えていた時期だった。
絶対スイカを切らさないように
買っては持って行った。
当時パパさんは親友にこう言ったららしい。
「あの子（私）はスイカ代もだけれど
一切俺に請求しないんだ。
医療費が１０万かかるというのに」
パパさんを在宅介護していた時期も
ずっとスイカは冷蔵庫にあった。
スイカの切り方も
パパさん好みにカットした。
そしてパパさんが最後に飲んだ物は
私がガーゼに含ませたスイカの汁だった。
その夜が山だとされていたのだが
「愛してる」
そうパパさんは言った。
そこから息を吹き返したかのように
パパさんは元気になった。
苦しみは当然あるのだが
ずっと朝まで
介護ベッドで一緒に寝てお喋りした。
パパさんが大好きな母ちゃん（祖母）達の
ところへ行く前に
最後に言った言葉はこうだった。
「たんちゃん
パパはたんちゃんと一緒に眠りたい。
だからパパと一緒に寝よう」
その日の夕方に
大好きな母ちゃんたちの所へ。
パパさん？今年もスイカを沢山たべようね。
暑いのでみなさんも体調管理をして下さいね。
