ヨーロッパ観劇遠征⑥ ロンドンでアート展「ロセッティ」「デイヴィッド・ボウイ」 | 明日もシアター日和

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観たもの読んだものについて、心に感じたことや考えたことなど、感想を綴ってみます。

最後の遠征レポートは、ロンドンで行った2つの美術展です。

 

「ロセッティ展」@テイト・ブリテン

 

 

 

 ロセッティを浴びるように堪能しました~🎊 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティは好きな画家の3本指に入る1人です。この特別展の原題は「The Rossettis」。複数形 s がついているのは、彼のほかに、クリスティナ(作家・詩人)とエリザベス・シダル(画家・詩人)の作品も紹介しているから。彼らの芸術に対する浪漫性と革新性、人生におけるボヘミアン精神、影響し合いながら磨いていった創造力や独創性などを考察しています。ロセッティの詩人としての側面やウィリアム・マイケル(作家・評論家)の業績などにも注目していました。

 私の好きな、中世テーマの作品が多く展示されていて、ロセッティが好んだ(というか憧れた)愛の形をたくさん観ることができた。十代の頃のドローイングや、彼が関わった家具や室内装飾品などもあり興味深かったです。いちばん楽しんだのはポートレイトのエリア。ロセッティはエリザベス・シダル、アニー・ミラー、ファニー・コーンフォース、ジェーン・モリスなど多くの女性をモデルにしましたが、私が一番好きなモデルは知的なクールビューティーと言っていいアレクサ・ワイルディングです。今回の展示では彼女をモデルにした作品が多かったのが嬉しい。「モンナ・ヴァンナ」とか最高ですね💖

 ロセッティとシダルとの微妙で危うい関係性も2人の絵画から伺うことができました。彼女は、ロセッティのモデル→恋人→ミューズ→画家としての師弟→妻……と立場は変わっていったけど、シダル自身の生き方のスタンスは変わらなかった。彼女はロセッティとの結婚をじっと待ち続けたのではなく意識的に独立心を保っていたのでは?とも考えられているそうです。彼女がもう少し長く生きていれば画家として才能をさらに伸ばしていたかもしれない😢

 ロセッティがウィリアム・ブレイクの詩を好んだとか、オスカー・ワイルドがロセッティの詩集出版に貢献したとか、興味深いエピソードもありました。ロセッティ世代のアーティストたちは実生活と芸術生活と交友関係が混じり合っていて面白いです。

 

 

デイヴィッド・ボウイ「アラジン・セイン:50イヤーズ」@サウスバンク・センター

 

  

 

 ボウイの1973年のアルバム「アラジン・セイン」が発表されて今年で50年ということで、それを記念したアート展です。とってもレアな鑑賞体験だった🎉 このアルバムがキャッチーだったのは、曲もさることながら、何と言ってもジャケ写(←死語?😅)のボウイの顔に描かれた稲妻マークですよね。このアルバムのためだけにメイクされたデザインで以後は使われなかったのに、以来、あの稲妻はボウイのアイコニック・マークとなった。それくらい当時としては斬新でインパクトとメッセージ性があり、しかも美しかったわけです✨

 アート展は、その撮影をしたフォトグラファーのブライアン・ダフィー氏が所蔵している写真や資料などが多く展示されています。内容は、70年代ロンドン音楽シーンからこのアルバムが誕生するまで、ダフィー氏との出会いから最終の仕事までの流れ、それに関連したさまざまなエピソードなどです。

 稲妻マークは、70年代当時イギリスにも入ってきていたナショナルの炊飯器にあったロゴマークからヒントを得たというのは本当のようです(スタジオに置いてあったらしい)。ボウイは頬に小さく入れるつもりだったけど、ダフィー氏の「もっと大胆にこんな感じで……」の一言であのようになったそうです。鎖骨に落かれた涙もダフィー氏のアイディアらしい。

 アルバム「アラジン・セイン」はいきなりイギリスのアルバムチャート1位に踊り出て、5週連続でそれをキープ。その時期ボウイはワールドツアー中で、アルバム大ヒットのニュースを知ったときはコンサートの準備で広島にいたそうです(初来日公演ね)。

 

「The New Heathen Archives」@サウスバンク・センター

 

 

 上記のアート展をやっているサウスバンク・センターは、ボウイが1969年に、オープン間もないパフォーマンス用会場パーセルルームで初めてコンサートを開いて以来、ボウイと深い関わりを持ってきたそうで、その歴史を辿るべく、同センターが所蔵する未公開のアーカイブ資料が展示されていました。ここで最初にマイムを披露したときの写真とか、パフォーマンスや企画運営時の舞台裏写真など、かなり貴重な資料を見ることができました。

 

 

チャールズ3世戴冠式@ロンドン

 5月6日。狙ったわけではないけど、遠征中に戴冠式があることが分かり、急遽ロンドン滞在を組み込んだのですが、肝心の戴冠式当日は朝から☔️☔️☔️ でも、このために旅程をやりくりしたのだからと、パレード開始時間を目指して周辺に行ってみました。当然ながら、何の計画も立てずに行ってもダメなわけで😓 パレード目当ての皆さんは2、3日前からテントなどを持参し、見学エリアの場所取りをしているのですから。で、こんなの(↓)しか撮れなかった😅

 パレードが終わったら街を散策して雰囲気を味わおうとか、数カ所のオープンエアでやっているパブリックビューイングに行ってみようとか考えていたんだけど、雨が降り止まないので断念。ホテルに戻ってTVでライヴ映像をずーっと観ていました。

 

 

 

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