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 創刊時の編集委員は、石牟礼道子、井上ひさし、久野収、筑紫哲也、本多勝一。現在まで継続して編集委員をしているのは、本多勝一氏のみ。現在の編集委員は、本多勝一、雨宮処凛、宇都宮健児、想田和弘、田中優子、崔善愛、中島岳志。編集長文聖姫、発行人植村隆。「ブレない雑誌」としては、日本でもっとも信頼性と定評があるといってよい。

 

 現在では、書店の店頭に出ることはほとんどなく、定期購読による郵送を基本としている。重要記事の一部(!)を掲載する電子版↓もあります。

 

 

 

 

〔1〕 高校生が文科省に意見書

性自認や自己表現を尊重する校則・制服に

 


『一般社団法人「Voice Up Japan(ボイスアップジャパン)」高校生支部は 1月7日、生徒の個性を尊重した校則・制服制度への改善を求める意見書を文部科学省に提出し、東京・霞が関で会見した。

 

 〔…〕近年、校則や制服についての議論が活発化し、多様性を尊重した社会の構築を求める声が高まる中、高校生自身が声を上げ問題の緊急性を訴える必要を感じた〔…〕昨年6月にネット上で制服や校則についてのアンケート調査を行ない、アンケートの分析結果をもとに意見書を作成した。〔…〕

 

 校則については、不満を感じていた人は約半数。』

 

 「廃止すべき校則」「必要ではないと考える校則」を記述式で書いてもらう質問では、

 

『最も多かった回答は「頭髪の制限」(140人)で、「衣服の制限」(98人)、「化粧の禁止」(61人)、「アクセサリーの禁止」(51人)、「特になし」(31人)が続いた。〔…〕

 

 制服制度に不満な理由』の記述式質問では、女生徒はスカートだけで選択肢のない制服や、男子生徒のスカートを認めない制服制度に対する不満が目立った。「高校生時代は性自認が男性寄りだったので、スカートをはくのがすごく苦痛だった」という元女生徒の回答、「女子にはスカートとスラックスの選択肢があるのに、男子がスカートを選べないのは不合理。『女性がズボンをはくのは違和感がないが、男性のスカートは一般的でない、と言われ、これだから何も変わらないのだ、と感じた』という回答があった。

 

『生徒の性自認や、表現したい個性に配慮のない制服制度』に対する不満が多く、なかには、「ブランケットを肩にかけるのは禁止」という、大人も理由を説明できない不合理な校則がある現状を訴えた。

1月21日号, p.9. 

 

 


 

 

〔2〕 「9条の碑」を歩く

憲法9条を「目に見える形」に

 

『9条を目に見える形で広めようと、「9条の碑」を建てる市民の動きが活発だ。桜前線さながら、「9条の碑前線」が列島を北上している。

 

 「『9条の碑』を歩く」と題して全国の碑を本誌で紹介したのは 2018年だった。〔…〕確認した国内の碑は計23基。』

1月21日号, p.26. 

 

 費用は、どのくらいかかるのだろうか? みずから「9条の碑」を彫って建てた石材店経営の玉井さんに、「注文したら、どのくらいかかるか?」と聞いたところ、「20万円」。運送費等諸経費を入れても 50万円あれば、全国どこでも建てられる。これまで各地で建てられた碑が数百万円かけているのは、特別な材料を使ったり、業者の嫌がる仕事を引き受けてもらったためではないだろうか。

 

 新車を購入する、あるいは、海外旅行を楽しむ代わりに、『個人で出せる人は自宅の前にいかがだろうか。』

1月21日号, p.27. 

 

愛媛県大洲市 「9条の碑」 地元で石材店を営む平和活動家・玉井義幸さんが自ら刻んだ。

 

 

『伊勢神宮がある三重県伊勢市〔…〕近鉄鳥羽線朝熊駅〔…〕直ぐ近くの共同墓地の入口に「平和の祈り」と彫った石碑が建つ。9条の条文の前に、「新しい世紀が戦争のない、平和の世紀になるよう私達が努力することを誓い、この碑を建立する」とある。〔…〕建立者は「朝熊町自治会」だ。〔…〕

 

 碑の背面には日露戦争以来の地区の戦没者55人の名、生年、死亡時の年齢などが刻まれている。

 

 〔…〕朝熊と聞けば、日本の人権闘争史に名高い朝熊闘争を想起する。「部落差別をなくそう」という闘いの先頭に立ったのが、戦前、朝熊の寺に赴任した住職、植木徹誠(てつじょう)だった。


 軍国主義の時代に、「戦争というものは集団殺人だ」と批判し、治安維持法で逮捕された硬骨の宗教者だ。代わりに小学生の息子が檀家を回り経を上げた。「スーダラ節」の植木等の少年時代である。』

1月14日号, pp.28-29. 

 

沖縄県宮古島市「9条の碑」 スプレーで落書きされた。

 

 

 

〔3〕 生産性と賃金をめぐるまことしやかなウソ

人の「モノ化」に協力する企業別労組

 


『浜矩子 働く人たちは生産性を上げれば賃金が上がると思って頑張っていますが、経営者側はコストを削減するために生産性を追求するわけです。〔…〕賃金が上がらないのは生産性が上がらないからだという言いぐさは、あたらないということです。

 

 竹信三恵子 〔…〕日本の会社は、社員が効率よく仕事をすればするほど人件費削減のため人を減らしてしまうので、働く人は楽にならない、〔…〕

 

 浜    〔…〕日本は「人のモノ化」が進んでいます。人をモノや原材料として見る、それが正しいという心理の刷り込みが行なわれています。

 

       これも、チームアホノミクス、いえ、小泉純一郎首相の時代から顕著に出ています。〔…〕企業はもっと効率的に収益を追求して、自己資本利益率(ROE)を8%以上にせよ、と〔…〕ROEを引き上げるためには利益を増やすこと〔…〕いろいろな手を考えるのですが、コストの削減、それには人件費を減らすのが手っ取り早いとなるのです。〔…〕

 

       最近では「戦略的企業の社会的責任の追及」が経営論などで当たり前のように使われるようになっています。』

1月14日号, pp.17-18. 

 

 「企業の社会的責任」とは、本来ならば、営利的事業展開とは別に、世のため人のために貢献する事業を行なうことで、社会的事業や慈善事業に協力して利益の一部を社会に還元するとか、営利事業においても高い倫理性を持して行動する、といった意味である。ところが、そこに「戦略的」という言葉をかぶせただけで、より一層の利益追及に専念することこそ、社会的責任を果たすことなのだ、という論理の逆転が行なわれてしまうのだ。社員を、ひたすらに利益追求の道具として「モノ化」し、コストを削減して、企業の利益率だけを追及せよ、そうしてこそ、「戦略的企業」として経済成長に貢献し、「社会的責任」を果たすことになるのだ、と。

 

『竹信     過労死したワタミの社員が、休日ボランティアに行かされていた話を思い出しました。「企業の社会的責任」の名の下に、社員をボランティアに行かせ、タダ働きに利用する、その理論づけ〔…〕

 

 浜       「人のモノ化」も「攻めのガバナンス」も当たりまえ、何から何まで戦略的でなければいけないという雰囲気づくりの中で、人権を守るための闘争が、どんどん異端視されていく。〔…〕

 

          企業は、「稼ぐ力」がないことが恥ずかしいのではなく、世のため、人のためならば稼ぐことをも放棄すると、それが魂ある企業の姿であると、そういう〔…〕空気をつくりたいと思います。』

1月14日号, pp.18.20-21. 

  

 

 


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