山浦清美のお気楽トーク

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議員定数削減の是非~日本の国会議員数は多すぎる!?

2023-01-23 | 政治・経済・社会
 議員定数削減の議論では必ずと言っていいほど議員数が多過ぎるという見解が示されます。そして引き合いに出されるのが判を押したようにアメリカの議員数です。
 「図録▽国会議員数の国際比較」によれば、日本の衆議院議員(480人)、参議院議員(242人)の計722人に対して、米国の下院議員(435人)、上院議員(100人)の計535人と確かに少ない議員数です。(注)
 また、人口100万人当たりの議員数で比較しても日本5.7人に対して米国1.8人と圧倒的に少ない人数です。

 識者のご指摘は確かにその通りではあります。しかしながら、これも良く知られているように米国は連邦国家です。各州は立法・行政・司法の3権を持った国家のようなものです。それらが連合して連邦国家であるアメリカ合衆国を形成しているのです。連邦議会はいわば州の代表者によって構成されているというべきものです。
 一方、日本国は議院内閣制をとっております。ですから制度の異なるものに対して、議員定数のみを比較して議論することはいささか乱暴に過ぎると言わざるを得ません。識者も知的レベルの高い方々ばかりですから、そのことも重々承知の上でのご発言と思います。要は主要先進国の中で米国しか日本より議員定数の少ない国が見当たらないので仕方なしに論拠としているとしか思えません。それと米国が手本であれば、それは真実に違いなくそれをモデルにした方が理想に近くなるといった米国信奉が根底にあるのかも知れません。

 そもそも日本の制度として近いのは英国議会であろうかと思います。そこで前出のWebサイトのデータによれば、下院議員(656人)、貴族院議員(約700人)の計約1,356人、人口100万人当たり11.0人となっております。議員数で約1.88倍、100万人当たり1.93倍日本より多ことになります。
 更に人口100万人当たりでは日本は主要先進16カ国か国中、米国に次いで2番目の少なさなのです。これでは米国しか引き合いには出せないわけですよね。

 私は、これまで議員定数の是非について何度も愚論を投稿してまいりました。しかしながら議員定数削減はいわば日本の常識みたいなもので多くの方々賛同されておられます。このような大きな流れを止めるためには何の役にも立たないでしょう。しかし、激流に波紋を立てることはできませんが、大河のような静かな流れであれば、ほんの砂粒みたいなものでもさざ波くらいは立つかも知れません。これからも機会をとらえて訴え続けていくつもりです。

 (注) 現在の日本では衆議院議員(465人)、参議院議員(248人)、計(713人)となっているようです。

<参 考>
議員定数削減は本当に国民の要望か?」「議員定数削減しか方法がないのか?




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