青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸とは、青函トンネル開通前に青森と函館を結んでいた青函連絡船「八甲田丸」をそのまま利用した鉄道連絡船の博物館です。
青森駅から徒歩5分の旧青函連絡船の桟橋に係留されています。
この八甲田丸の車両甲板に鉄道車両が展示されているので見に行ってきました。
鉄道連絡船の車両甲板とは(車両甲板の設備)
青函連絡船のような鉄道連絡船の車両甲板とは、鉄道車両(貨車)を搭載するためのスペースで、八甲田丸は貨車48両を搭載することが可能でした。
荷物の出し入れの手間を省くため、貨車ごと連絡船にのせて物資を運びました。
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸の車両甲板は、大部分が見学用通路として整備されています。
車両甲板の主な設備は、次の通りです。
- 線路:連絡船に列車を移動させるための設備
- 船尾扉:波の侵入を防ぐための厚い扉で、貨車の積み込みの際に開かれる。現在は稼働できない状態
- 自動連結器付き車止め:車両を固定するため車止めに自動連結器が付いている。さらに車両にブレーキをかけるためのブレーキ弁とブレーキホースも設置
- 緊締具:横揺れ時の車両の脱線転倒を防止するため、車両と緊締具用レールとを固定
線路
緑色の部分は、見学用通路として整備されています。
船尾扉
自動連結器付車止め(油圧緩衝器付)
緊締具
八甲田丸の車両甲板に展示されている車両
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸の車両甲板には、9両の車両が展示されています。
車内は非公開となっています。車外から眺める程度。
展示車両は、次の通りです。
- キハ82-101:特急形気動車
- DD16-31:ディーゼル機関車
- スユニ50×2両:郵便荷物車
- ヒ600×4両:控車(貨車の船内出し入れ時に、重量のある機関車が可動橋(※)上に乗ることのないように、機関車と貨車の間に連結された軽量の車両)
- ヨ6000:車掌車
(※)可動橋とは、船内の線路と陸上(港の岸壁)の線路とを結ぶ可動式の橋。線路が敷かれています。潮の干満による海面の潮位差に対応するため可動式となっています。
キハ82 特急形気動車
DD16 ディーゼル機関車
スユニ50 郵便荷物車
ヒ600 控車
ヨ6000 車掌車
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸の概要
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸とは、かつて青森と函館を結んでいた青函連絡船「八甲田丸」をそのまま利用した鉄道連絡船の博物館です。
青森駅から徒歩5分の旧青函連絡船の桟橋に係留されています。
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸の公式サイト ≫ https://aomori-hakkoudamaru.com/
観覧料(大人)は510円。JAFの優待施設になっており、JAF会員証提示で460円になります。
函館市青函連絡船記念館 摩周丸との共通券:青函連絡船共通券(八甲田丸・摩周丸共通券)は700円でかなりお得です。
函館の摩周丸と青森の八甲田丸の両方を見学するときは、青函連絡船共通券(有効期間は1年間)を利用するのがよいと思います。
八甲田丸は、車両甲板の他にも見どころ満載です。
- 航海甲板:操舵室、無線通信室、展望広場、煙突展望台
- 遊歩甲板:青函ワールド、ビデオシアター、青函鉄道連絡船記念館、飾り毛布体験エリア
- 船楼甲板:乗船口、受付・チケットカウンター、他施設情報誌設置
- 第2甲板:エンジンルーム、総括制御室、発電室
- 船外:可動橋、津軽海峡冬景色歌謡碑
操舵室
煙突展望台
総括制御室
可動橋
さいごに(八甲田丸の車両甲板は一見の価値あり)
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸の車両甲板には、控車など貴重な鉄道車両が9両展示されていました。
鉄道車両以外にも、当時の線路や車止めの連結器が残されているので、一見の価値ありです。
車両甲板の他に、操舵室や煙突展望台、エンジンルームや船外には可動橋も残されていて、行って損はないと思います。
(撮影:2014年4月)