女子バスケット躍進の陰で

まずは、素晴らしい生島淳さんの記事をどうかご覧ください
とても見応えがある評論ですが、バレーでは残念ながらこういう記事を見たことがありません

「町田は代表で干されてますね…」162cm町田瑠唯が4年間の“控え生活”から大逆転、五輪ベスト5に選ばれるまで《女子バスケ》

これは単なる町田選手の絶賛記事ではありません
客観的な事実の考察から、代表の主にポイントガードのことについて、そしてホーバスHCの
ことについても述べられております
そしてこの記事において、生島氏が述べているこの部分こそが女子バレー代表に無かったことだと気がつかされます

記事から引用させていただきます

「重要なのは、システムに町田を寄せるのではなく、町田のスピードとアシスト力を生かすプランを戦術に積極的に取り入れたことだろう。」

怪我人が続出し、代表では常に2番、3番手であった町田選手をメインで使わなければならないとなった時に
今までやってきたシステムに捉われずに、町田選手の個性を活かす戦術に舵を切った
もしそこで、町田選手の個性を殺すような戦術のまま起用していれば
オリンピックのアシスト記録を更新する活躍もなかったでしょうし、銀メダルを取ることもなかったと思われます

さて、女子バレー代表をこの視点で見てみると何が浮かび上がってくるのか
中田監督は最後の最後まで籾井選手のトスをしっかりと打つことができないままの黒後選手を二人揃ったまま起用し続けました
結局、黒後選手の長所である、思いっきりの良さや、パワーの乗ったスパイクが大会を通して発揮されたとは言えませんでしたし
それは、手痛い敗北を喫した韓国戦の最終セットでほとんど打数が無かったことから明らかです
本当に黒後選手の良さを活かすことを考えるなら、他にいくらでも手立てはあったと思うのです

自分が一番信頼できる選手をそれぞれ6人並べ、その総合力で勝つという戦略はシステムというよりも
長丁場で勝利をもぎ取る、いわばサーブ権があった時代の王道戦略
そういった戦術(戦術と呼べるものかは疑問ですが)から離れられず、体格的に著しく劣る日本代表が
勝つための変化や多様性を捨てた時点で、予選で負けることはある意味必然のことであったという気がします

私はことある毎に、中田japanの戦い方に疑問を呈してきました
アクバシュ氏退任後は特に勝ったゲームでも負けたゲームでも、戦略・戦術的な意図をあまり感じることはできず
色々な選手を使っている試合も、あくまで「控え」としての起用としか感じられず
それが代表の先々に繋がっているように感じることがほとんどありませんでした
それでも、結果で私を黙らせてくれれば良かったのですが、就任当初から抱いていた不安が現実になってしまいました

さて、次の監督が色々取り沙汰されております
吉原さんや竹下さんなど、という声がありますが、結果や人気、名前だけではなく
戦い方にしっかりと目を向けて、勝たせてくれる指導者を連れて来て欲しいと願っております

バスケットは従来男女とも人気のある競技でしたが、今回の躍進で子供達の人気が格段に上がったことは間違いありません
子供達はカッコイイ選手が好きですからね
バレー協会、特に女子はこれまでにない危機感を感じ取って代表チームの舵取り、協会の運営をしなければなりません
本当にしっかりしてくれ!と強く思います

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