長生蘭「白蛇殿」「茜雲」

長生蘭「白蛇殿」

名鑑登録されている品種のみを長生蘭と呼ぶべきなのかわかりませんが、入手時は長生蘭でしたのでそのように扱っています。高知県香美市物部町大栃というところの産だと聞いています。あけぼの斑という分類になるのでしょうか。天冴えで芽出しの頃はほとんど乳白色の新芽で伸びてきます。

あけぼの斑の植物はどれもそうですが、徐々に葉緑素が乗ってくるので植物として生長することができます。芸という点で見れば後暗みという嬉しくない性質で呼ばれてしまいます。でも幽霊のままじゃ文字通りの幽霊になってそのまま枯死してしまうわけなので。白蛇殿は去年の葉にはあけぼの覆輪くらいの斑の残り方をしますから、後暗みといってもかなり良いタイプと思います。

白蛇殿アップ

梅雨入りしてだいぶ生長しましたが、今でも天芽の縁には紅隈が乗ります。芽出しの頃はもっと紅が広く出ていましたが、生長するとすぐに消えてしまうのが少し残念です。大きめでゆったりした葉を付ける中型品種らしいので、株立ちにすると長生蘭としてはかなり異色の見た目になって面白い品種と思いました。

長生蘭「茜雲」

こちらもあけぼの斑の品種で「茜雲」です。やはり芽出しは乳白色の幽霊ですが、紅色を強く発色するのでとても綺麗です。この品種は丸葉で矢も俵型となるので人気があるようです。ただし後暗みのあけぼの斑は秋にはほとんど消えてしまうようで、昨年の葉にはあけぼの斑が表れていません。

紅色は矢にも良く出ているようで、泥軸というよりは紫軸といった感じがします。陽に透かすと濃い赤紫色に透けてきれいです。透け矢ではないと思いますが、長生蘭の場合は軸も重要な観賞の要素になりますので、こういう特徴のある品種はよいですね。来年は咲いてくれるかなぁ。

セッコク長生蘭

Posted by Bsaku