琉球王朝に仕えた末裔が戦後を語った！
戦後沖縄初のアナウンサー、川平朝清（94）
▲もうすぐ95歳になる川平さん
川平朝清という名を聞いても、ほとんどの人は知らないでしょう。読み方は「かびら ちょうせい」。「カビラ」というと、あのラジオ・パーソナリティのジョン・カビラを思い浮かべるかも。
そう、彼は川平朝清さんの長男です。すると、その弟の川平慈英は？ そーなんです。スポーツキャスター兼ナレーターの慈英は三男です。
そんな二人の息子を持つ川平朝清は元アナウンサー。と言っても、ただのアナウンサーではありません。1949年に琉球放送（RBC）の前身であるラジオ局「琉球の声」が設立されますが、その初代アナウンサーでした。
川平さんは1952年、NHKアナウンサー25期の養成研修を受講し、チーフアナウンサーに。翌年から４年間、ミシガン州立大学大学院に留学。帰国後、RBCに戻って沖縄放送協会（NHK沖縄放送局の前身）を設立、初代会長に就任しています。
そして1972年５月15日に沖縄が本土復帰したので、沖縄放送協会もNHKに統合され、川平一家も東京へ。NHKでは会長室主幹（国際協力）、経営企画室国際協力担当経営主幹を歴任。1992年に退職後、昭和女子大学で英文科教授、副学長に。東京都港区在住で、御年94歳。今年８月に95歳を迎えられます。
さて、今年５月15日で沖縄が本土に復帰してちょうど50年目を迎えました。まさに記念すべき日です。
その日を前に、NHKラジオ第２は「アナウンサー百年百話」として、５月４日に「戦後・沖縄初のアナウンサー川平朝清さん」（前編）を、11日に後編を放送しました。ゲストはジョン・カビラです。
この放送を本ブログでお馴染みの安福達雄さん（アンソニー・トゥー博士の友人）が自身のyoutubeチャンネル「Clenty Clenty」で紹介しました。
番組では川平さん本人もリモート出演、その声を聴くと、けっして94歳とは思えないほど。「奇跡の94歳」としか言いようがありません。一体どこにそんな元気の秘訣があるのでしょうか。以下の緑の部分をコピーしてyoutubeに移動してください。
＜川平朝清（前編）：歴史を刻んだあの話があった。沖縄復帰とラジオ放送局：2022/5/4 (W) アナウンサー百年百話＞
https://www.youtube.com/watch?v=WO1iPdQWlec&t=348s&ab_channel=ClentyClenty
＜川平朝清（後編）：歴史を刻んだあの話があった。沖縄復帰とラジオ放送局：2022/5/11 (W) アナウンサー百年百話＞
https://www.youtube.com/watch?v=6Cba_etNioY&ab_channel=ClentyClenty
ちなみに川平さんは、通訳や音楽の分野で琉球王朝に仕えた川平家の末裔で、日本統治下の台湾で生まれました。台北高等学校在学時の英語教師が、後に『裏切られた台湾』を著すジョージ・Ｈ・カー。同書では、駐台北副総領事として赴任した際、1947年に起きた「二二八事件」や台湾や台湾人の苦悩を詳細に記録したことから、戒厳令下の台湾で禁書に指定されていました。川平さんは留学中もカーと親交を結び、同書の日本語版の監修を務めています。
アンソニー・トゥー博士も『沖縄と台湾を愛したジョージ・H・カー先生の思い出』（新星出版）を比嘉辰雄氏とともに編著しました。その本について、沖縄タイムスがトゥー博士にインタビューしましたので、３年前に本ブログでも取り上げました。
●アンソニー・トゥー(台湾名=杜祖健)氏に沖縄タイムスがインタビュー
https://blog.goo.ne.jp/46141105315genkigooid/e/c572273728310a6ebf3ad3018eb26041
３年前の令和元（2019）年６月23日にジョン・カビラが父親にインタビューした番組『J-WAVE SELECTION GENERATION TO GENERATION〜STORIES OF OKINAWA〜』が2020年に第57回ギャラクシー賞ラジオ部門大賞、2020年日本民間放送連盟賞ラジオ部門グランプリ・ラジオ教養番組部門最優秀賞を受賞しています。
