やっと、やっと見に行けたので感想。

2022年11月に劇場公開されていたすずめの戸締りを見てきました。

 

 

普通に東日本大震災を題材にしたアニメ映画というのは

薄々気が付いていましたが…(˘ω˘)

 

 

 

美しいアニメーションに潜むぞわっとした感じ 

 

 

 

 

 

 

新海誠作品は【天気の子】【君の名は】【言の葉の庭】など

美しいアニメーションでありながらも、好きな作品をたくさん生み出し

私の目でみる日常は新海監督フィルターで通す目はとても美しい。

美しいものをアニメーションで魅せてくれる。

 

そんな新海監督が今回【東日本大震災】をテーマにし直接的な

書き方をしているのにもびっくりした。

そして今回は鈴芽:主人公の自身の成長

それと同時に3.11を風化させないための作品なのかな~と思いました。

 

地震の描写をみみずとして具現化させ、みみずが落ちてくる描写は

美しい世界を飲み込むような感じでぞっとしました。

 

 

 

ジブリを彷彿させるシーン 

 

 

 

 

芹澤という男(閉じ師:草太の友人)が車にて

「ルージュの伝言」を流した瞬間びびりました。

なんて言ったってジブリの魔女の宅急便の曲だからです。

 

ジブリだったり色んな懐メロを流してくるんだから

おったまげました。

芹澤と会う前はロードムービーな感じでと日本各地の災いの扉を

閉じていくため、地元から離れ、東京まで行くんですが

 

ジブリでは猫のジジ(言葉が喋れる)と新米魔女のキキ(魔法が使える)

今作では猫のダイジン(言葉が喋れる)と閉じ師の手伝いをする鈴芽

(草太と一緒に)といていますし、その土地で出会った様々な人

そして成長過程がとても似ていました。

 

以前監督の作品にもジブリっぽい感じがありましたが

今回はかなり色濃く見えましたね。

 

あと個人的に似ていると思ったのは「もののけ姫」…なんとなく似ているな、と思っただけなのですがどうでしょう。

 

 

 

 

総評 

 

個人的には見てよかったと思いますが

子供が見てん~と思う部分も多かったです。

 

特に私が思ったのは鈴芽を育ててくれた岩戸 環(鈴芽の母の妹)が

本編中盤で吐く不安のシーン。

その言葉は今の私にとても突き刺さります。

そうだよね、そう思っちゃうよね。

(本人の目の前でサダイジンの影響があったとしても、これはきつい)

 

 

シーン登場から鈴芽にかわいいお弁当を持たせるシーンや過保護な一面、

特に何も思わなかったんですが(むしろいい人やんか~って思ったぐらい)

鈴芽は自分が居るせいで環の婚期や自由を奪っているうしろめたさが

あることを告白します。

 

視聴後に考えていたら

環が幼い鈴芽に「家族になろう」といったシーン。

そのあとにダイジンに食べ物を上げている最中、鈴芽が

「家族になっちゃう?」というシーン、シンクロしていてぞくっとしました。

簡単に言った言葉、純粋に言った言葉が人によっては長くなればなるほど

痛い気持ちになるのかも…

 

東日本大震災を味わった人にはとてもきつい内容だとおもいます。

神奈川に住んでいた私もこの気持ちは少なからずわかります。

家族バラバラになって、でも数日後に再会。

TVで見た津波の臨時シーン、続く余震。今になっても怖い。

 

挑戦している、すごいアニメだとはおもいましたが

ネコのダイジンが不憫だったな~とおもいつつ、草太くんイケメンすぎて

びっくらです。こりゃ田舎の少女がイケメンに惚れるのも

若干わかる気がする…(˘ω˘)

 

 

 

  追記(2023.2.1)

 

扉の向こうが死者の世界(常世)というのを中盤で鈴芽が知り

そこにいたのは母(と思っていたが未来の鈴芽)がいた。

常世を見ることができるのは一度鈴芽が常世に迷い込んでしまったから。。。

一瞬これを見た瞬間、結局閉じ師として責務を全うしようとしていた

草太と同じ能力を母から受け継いでいた=結局 鈴芽は特別な人間なのか。

と思ってたがそうではなかったのでよくあるファンタジー感がなくて

ほっとしました。

しかし、同時に悲しいとも思いました。

鈴芽が思い出したくもない3.11を経験したことによって母が亡くなり

自身は生き永らえた。そのため、閉じ師の草太からの質問で

「死ぬのが怖くないのか!」(確か)という質問に対して

死ぬことに対しての重さが人よりも軽い描写、これが彼女が経験した

あの震災の影響がモロすぎて…経験していないといえないでしょう。

 

あと芹澤が鈴芽の生まれた土地(確か福島)の道中、風景に対して

「きれい」といい、鈴芽はきれいといった芹澤に驚きを隠していなかったのも

心が痛いですよね、人が住んでいた住宅が津波に流されて整備された

場所をきれいといったのは、芹澤がこの地を訪れていなかったから

言えることなんでしょう…いや、芹澤は悪くないんだよ、芹澤は

私の癒しです、ええ、癒しです。

 

もう一つ言えるのは草太の祖父から草太と同じく死ぬのが怖くないのか

というシーンで鈴芽が言ったセリフは「草太さんがいない世界が…」という

アンサーが今を生きている若さであり、今を全力で、という

メッセージにも聞こえました。

 

 

地味に気になったのは、サダイジンと草太の祖父とのシーン。

実は知り合い?もしくは以前は同じ閉じ師だった人なんですかね…

ダイジンが草太を要石にした(要石になるために動いていた)時も

時間がたつにつれて神に近づく?なっていくみたいな言い回しをしていたので

ダイジンも元々は要石にされる前は人間だったんじゃないかな…

しかも結構幼い口調だったため、子供だったのではないかと思うと

もしお役目で要石になっていたのならそれはとても悲しい。

 

テンポよく始まり、終わり方も私は好きだったので

よかったんですが草太さんは鈴芽と一緒に仲良くしていってほしい…(˘ω˘)

 

ぶっちゃけ

母親代わりの環の気持ち

主人公の鈴芽視点

閉じ師としての草太の家業の件

意味がわからないながらも草太を探す芹澤。(これは私たち目線)

 

映画の中で誰かに感情移入するんじゃないですかね…

 

 

さて、芹澤の特典本をいただいたんでお時間あるときに投稿いたします。