カミングアウトについてのご質問の続きです。今回は、友人編。

 

前回の記事に書きましたが、僕は中高6年間、女子校育ちです。

中学を共学ではなく、女子校を選んだ理由は、中学は小学校と違い、制服によって男女がハッキリと別れ、それを真近で見るのが嫌だと幼心に感じたからです。また、中学に上がれば、自然と男女のカップルも身近に生まれ、それも見るが嫌だったからです。

学ランは未だに憧れの洋服です。未だに着る機会がないのですが、ただ、今、着たとしても顔面部分がM字ハゲの髭ですから、甘酸っぱい時代の香りは皆無だろうと、切なくなりますね。

 

小学校時代の友人とは、20歳のときに行われた同窓会以来、全く会っていません。

僕は20歳からホルモン治療を始め、同窓会のときは、まだ微々たる変化で、ちょっと声が低くなったかな程度でした。

尚且つその頃は、体重90kg台のおデブ。側から見たら、男性には全く見えないボーイッシュデブ。成長した周りの男子を羨ましく感じたのを覚えています。

 

中高一貫校の女子中学校に進学し、そこでソフトボールに出会い、部活漬けの毎日を送りました。

昔の運動部精神が根強い部活でしたので、先生・先輩は神様という教えでした。赤色の物も、先生や先輩が黒色と言ったら黒と答えなければいけない世界。上下関係の恐ろしさを身を以て学びましたね。

そんな厳しい世界で苦楽を共にした同学年とは、仲良くなれるはず、、、。

ですが、当時、同学年は僕を入れて3名。3って奇数は、2対1に分かれがちですよね。それに、その2名を含め、この学校の生徒は皆、女子力が高いのです。財布やパスケースは、プラダやビトンなどのブランド物、部活のない日は、授業終わりに化粧をして遊びに行く。

「ビトンって何?美豚?美味しいの?」というレベルの僕は、付いていけないのです。

部活でも自然と2対1に分かれ、同じ部活と言うだけで仲が良かったとは言えません。

因みに、この2名には、手紙でカミングアウトしたこともありました。2対1に別れてたとしても、僕にとっては特別な2名だったので。当時はまだ、FTMという言葉を知らなかったので、性別に違和感を持っている、という内容だったと思います。この時のカミングアウトは、自己主張だけのあまりにも拙い幼いものだったので、返事はありませんでした。風の噂によると、「気持ち悪い。理解できない」と言われていたそうです。

 

中高一貫校だったので、本来ならば、この学校の高校に進学する予定でしたが、当時の僕は、ソフトボールの強豪校に進学したいと考え、別の女子校を受験しました。

その高校でも更に、ソフトボール漬けの毎日を送っていたのですが、折角、受験したのにも関わらず、入学して半年後には転校となってしまいました。

その高校も中高一貫校で、中学からそのまま高校に上がる子が多く、その為、新学期からすでにグループが出来上がっていました。

新学期すぐには、僕もソフトボール部のグループに入っていたのですが、入学早々、外部から入学したての僕が、動けるデブであったが故に、レギュラーのキャッチャー番号である背番号2番を貰ってしまったのです。

そのことが、中学から上がってきた、しかも、僕と同じポジションである子の機嫌を損ねたのでしょう。徐々に仲間外れにされるのは勿論、運悪くアキレス腱を怪我し、松葉杖を突いて歩く僕を階段から落とすなど、陰湿な行為のオンパレードでしたね。

今の僕であったら、いただいた言動に対してはキチンとお返しいたしますが、当時の僕には、そんな頭も気力もありません。更に、丁度この時代に、FTMという言葉を知ったので、自身の性別のことや学校のこと、様々なことが積み重なり、遂にはキャパオーバーを迎え、不登校となり転校しました。

 

この転校が、僕にとっての転機となります。僕は小・中・高と、パーフェクトにイジメられてきましたが、この転校先ではそんな事は一切ありません。

M字髭面のオッサンとなった今も、仲良い関係が続いているのは、この高校の友人たちだけです。一生の付き合いだと言える親友も、この高校で出会いました。

ただ、この高校時代は、僕にとって一番、性別のことで荒れ果てていた時代であり、幼稚なカミングアウトも悲劇のヒロインも、思い返せば恥ずかしい行動をやりまくっていた暗黒時代です。それなのに、「まめはまめだから」と受け入れ、カミングアウトしたときも、「知ってるよー!で?」と返してくれました。

おなべバーのホストに勤めることになった初日も、高校の友人たちと一緒に過ごし、スーツ姿の僕を見て、そこで初めて僕の性別を知った子もいましたが、皆、「おなべのホスト!?何それ!?面白い!!ホストっぽい源氏名考えよー!!」と盛り上がり、僕の顔には似合わない名前を出して笑い合える子たちです。

 

高校3年生の頃は、オトナになった気分であったのに、今振り返ると、小中高と三つをまとめられる位、コドモだったなと懐かしく、同時に、とてもとても恥ずかしくも思います。

幼い頃に行ったカミングアウトは、失敗も多く、その都度、傷付いてもきました。

しかし今考えれば、その時カミングアウトを行った相手に対して、「ちゃんと配慮をしていたか」、「相手に負荷を掛け過ぎていなかったか」、「多くを求め過ぎていなかったか」、と自身が反省すべき点が多いとも思えます。

カミングアウトは、直接言葉で伝えるもの、手紙やメールで伝えるもの、相手との関係性によって最適な手段は様々です。ですが、どのような手段であっても、カミングアウトを行う相手の立場を考えることを、怠ってしまっては、良い結果は出ないと僕は思います。

 

 

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