2022年10月24日月曜日

【読了】トーベ・ヤンソン著/冨原眞弓訳『小さなトロールと大きな洪水(新装版)』(講談社青い鳥文庫)

スウェーデン語系フィンランド人の作家トーベ・ヤンソン(Tove Jansson, 1914年8月9日~2001年6月27日)の小説『小さなトロールと大きな洪水』を、冨原眞弓(とみはらまゆみ。1954年1月‐)氏の翻訳で読みました。ムーミン・シリーズの第1作目に当たります。

本書は1945年にスェーデン語で『Småtrollen och den stora översvämningen(小さなとトロールと大きな洪水)』と題して出版されましたが、219部売れただけですぐに絶版になりました。再刊されたのは45年後の1991年のこと。この時、フィンランド語でも『Muumit ja suuri tuhotulva(ムーミンと大きな洪水)』と題して刊行されました。英語版は2005年に『The Moomins and the Great Flood(ムーミンと大きな洪水)と題して刊行されました。

※以上、ムーミンの公式サイト所載の「Introduction to Moomin Stories: The Moomins and the Great Flood, 1945」(2015年11月16日)【https://www.moomin.com/en/blog/introduction-to-moomin-stories-the-moomins-and-the-great-flood-1945/#773ec201】、および『小さなトロールと大きな洪水』(講談社青い鳥文庫、2011年9月)94~98に収録された富原真弓氏の「1999年2月15日 青い鳥文庫版への『訳者あとがき』」を参照しました。

日本では1992年にムーミン童話全集の別巻として、冨原眞弓氏の翻訳で講談社から出版されました。調べてみると、以下の5種が見つかりました。

冨原眞弓訳『小さなトロールと大きな洪水』
(講談社〈ムーミン童話全集 別巻〉1992年6月◆113頁)

冨原眞弓訳『小さなトロールと大きな洪水』
(講談社青い鳥文庫、1999年2月◆123頁)

◯冨原眞弓訳『小さなトロールと大きな洪水』
 (講談社文庫、2011年9月◆109頁)

◯冨原眞弓訳『小さなトロールと大きな洪水(新装版)』
 (講談社青い鳥文庫、2015年2月◆121頁)

冨原眞弓訳『小さなトロールと大きな洪水』
(講談社〈新版 ムーミン童話全集9〉2020年10月◆109頁)
 ※訳文に大幅な改訂あり。

とりあえず2011年刊行の講談社文庫と、2015年刊行の青い鳥文庫を手に入れました。初めて読むつもりでいたのですが、このブログ上(2013年10月12日)で一度読んでいたことを発見。すっかり忘れていました。9年前はファンタジー系にあまり慣れていなかったころに読んだからか、あまり印象に残らなかったようです。

その後『ナルニア国物語』の読破をきっかけとして、ファンタジーの世界に多少は馴染んできたので、今回は(もう忘れないくらい)印象深く最後まで読み進めることができました。短めなこともありますが、物語の道筋がはっきりしていて、まずまずの面白い作品でした。このまま、第3作『楽しいムーミン一家』に取りかかります。

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