■ [ガン治療]放射線療法・化学療法で食道がんはどうなる?
「食道がんかもしれない」と心配している人も、すでに診断がついているという人も、まずはしっかり基礎知識を押さえておきましょう。
食道がんはどんな特徴をもっているのでしょうか?
現状を正しく知ることが、適切に対処していくための第一歩です。『新版 食道がんのすべてがわかる本』から手術を受けない場合の標準的な治療法についてご紹介します。
●手術を受けない場合の標準的な治療法
手術療法と並ぶガン治療の大きな柱となるのが、抗がん剤を使う化学療法と、放射線療法です。食道がんの場合、化学療法または放射線療法を単独でおこなうより、2つを同時に受けるほうが効果的です。両者を組み合わせる方法を化学放射線療法といいます。
化学療法や放射線療法は、根治が望めないほど進行している場合に、次善の策としてとられる治療法というイメージがあるかもしれません。しかし、この2つを組み合わせた化学放射線療法は、病期によっては手術に匹敵する効果も期待できます。手術を受けない、受けられない場合に選択されることが多い治療法です。
また、手術療法と組み合わせることで、治療効果を上げようという試みも進んでいます。
■化学放射線療法を選ぶ理由
・手術に耐えられる体力がない
病巣は限られた範囲にとどまっていても、全身の状態から手術は負担が大きすぎると判断された場合、根治を目指して化学放射線療法を選択することが多い。
・切除せずに根治させたい
「声帯や気管まで切除するのは、どうしても避けたい」などという希望が強い場合、病期がI期までであれば、化学放射線療法だけでも手術療法に匹敵する生存率が見込める。
・手術で取り切れないほど進行している
ガンが深く、広く進行していて、現段階では手術は無理と判断された場合でも、化学放射線療法を受けることでガンが縮小し、手術が可能になることもある。
●【化学療法】全身に散らばったガン細胞を攻撃する
食道がんの化学療法は、主に食道以外の臓器にも転移していたり、転移している可能性が高かったりするときにおこなわれます。多くの場合、放射線療法や手術療法と組み合わせますが、転移巣が多く、放射線療法や手術療法がむずかしい場合には、単独で実施することもあります。
抗がん剤は血流に乗って全身をめぐります。目には見えなくても、全身に散らばっているかもしれないガン細胞を死滅させる効果が期待できる反面、全身の健康な細胞をも攻撃し、副作用が出やすいという欠点もあります。
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■「投与→休止」で1コース
抗がん剤は、投与後の数週間でじわじわ効果を発揮します。そこで、投与のあとの休止期間も含めて1コースととらえます。
(1)1週目に1日のみ、あるいは4~5日間の連続投与
「多くは抗がん剤を点滴液に混ぜ、ゆっくり時間をかけて静脈から入れていく」
(2)3週間程度休む
「副作用も治療開始数日後から出始める」
これで1コースです。通常は同じ薬を使って2~3コース続けますが、効果と副作用の出方をみて薬を変更することもあります。
●【放射線療法】毎日少しずつ放射線をガンに当てる
ガンの大きさが照射できる範囲内であれば、放射線療法で根治を目指すことは可能です。この場合、ほとんどは抗がん剤と組み合わせた化学放射線療法です。
これまでの研究によって、転移しやすいリンパ節の範囲はだいたいわかっているため、照射範囲は計画的に決められます。
できるだけ照射範囲を絞ったり、放射線量を最小限に抑えたりといった工夫で、健康な組織への影響を減らしていきます。
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■照射範囲は病巣とその周囲
まず、CTなどによる画像検査で照射範囲を定め、毎日少しずつ放射線を当てていきます。放射線治療では、主に電磁波の一種であるエックス線が使われます。
(1)体の外から放射線を当てる
「放射線を照射する機器が体のまわりを回転して、体の外から内部へと照射する」
(2)1回の照射は数分間
「1回の照射時間は1~5分。着替えなどを含めても15分程度で1回の治療は終了する」
(3)ガンと周囲のリンパ節を中心に
「ガンの病巣だけでなく、ガンが転移している可能性のある周囲のリンパ節にも放射線を照射し、ガンの残存を防ぐ」
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