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キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

キャメラを止めるな!

2022-12-04 | 映画(か行)

◼️「キャメラを止めるな!/Final Cut」(2022年・フランス)

監督=ミシェル・アザナヴィシウス
主演=ロマン・デュリス ベレニス・ベジョ グレゴリー・ガドポワ フィナガン・オールドフィールド

ミシェル・アザナヴィシウス監督は、これまで「アーティスト」「グッバイ・ゴダール!」と映画への愛を示してくれた。特に「アーティスト」はサイレント+モノクロで撮られ、クラシックへのリスペクトあふれる秀作だった。あの年はハリウッド誕生125周年のメモリアルイヤー。なのに肝心のアメリカでは、相変わらずアメコミヒーローを共演させて騒いでいるだけ。そんな年に「アーティスト」をぶつけてきたアザナヴィシウス監督。こいつは過去の映画人に並々ならぬ敬意をもってる人物に違いない。そう思ったものだ。

そんなアザナヴィシウス監督が選んだのは、あの「カメラを止めるな!」のリメイク。フランス人はアニメにお相撲と日本文化好きだしねー、ヒットした日本のゾンビ映画をやってみたかったんでしょ、と思うかもしれない。でもよりによってアザナヴィシウス監督だぞ。30分余ノーカットでゾンビ映画を撮る人々のドラマ(ネタバレ?もういいよねw)に、彼は映画に携わる人々への共感と敬意を感じたからに他ならない。そこに"愛"があるんよ(あのCMの大地真央風に読んでください)。

お話はオリジナルの通り。というか、フランスで日本版のリメイクを撮らせるお話。きっちり続編になっている。日本人プロデューサー(どんぐりさん🤣)の意向で、役名までオリジナル通りw。ケン、チナツ、ヒグラシ、ホソダと名前が飛び交う違和感がおかしい。日本語吹替版で観たのだが、オリジナルで聞く度にイラっ💢とした「よろしくデース」がなかったのはとっても嬉しいw。

監督役がロマン・デュリスというのがナイス。「タイピスト!」や「彼は秘密の女ともだち」など、窮地に立たされながらも愛と善意に支えられて乗り切ってきた彼を、僕ら映画ファンは観てきた。今回もまさにそんな役柄。娘との関係にほんのり感動。

俯瞰ショットを撮るラストシーンは、オリジナルにあった緊迫感とは違って、ほっこりした優しさを感じる。フランス映画の伝統は人間模様だもんね。オリジナルとは比べられないけれど、これはこれで良作。その根底あるのは映画を愛して止まない心。






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