前回の記事は『汚れが無意識に与える影響』でした。
匂いが無意識に与える影響
今回は匂いが無意識に与える影響です。
人は香りから無意識に影響を与えて特定の行動が喚起されるようにバイアス(偏見)がかかっているという話になります。
そして今回も参考書籍としてタルマ・ローベル著『赤を身につけるとなぜもてるのか?』からの引用を活用して説明していきます。
匂いーあの店ではなぜ財布のヒモが緩むのか?
第10章 匂いーあの店ではなぜ財布のヒモが緩むのか? まとめ
(研究内容は省略)
【結論】
・甘いものが好きな人は感じがよいとみなされる
・実際に甘いものを食べると、他人に親切な行動をとりやすくなる
・店に訪れた客の滞在時間を長くし、財布のヒモを緩ませる香りがある
・認知的活動や運動のパフォーマンスを高める香りもある
・浄化に関係する香りを嗅いだ人は、浄化行為をおこないやすくなる
【応用編】
・デートや商談のときは、相手に好印象をもたせるため、甘いものを食べよう
・店作りや、事務作業、勉強には匂いの力を活用しよう
・子どもに部屋を綺麗にさせたいときは、浄化に関わる匂いを嗅がせよう
タルマ・ローベル著『赤を身につけるとなぜもてるのか?』
心地よい匂いの場所にいれば気分も良くなるし、いやな匂いの場所にいれば気分も悪くなってくるというのは、誰しもが感覚的に感じていることだろうと思います。
多くの人はなるべく心地よい場所にいたいはずです。
人が持つその心理を考えれば、何らかの対応が必要な相手に気分良くなってもらったり、その場所に長くいてもらったりしたい時は、その場の匂いに気を使い、相手が心地よくなるような香りで包んであげれば、相手に気づかれずに自分の望む方向へと誘導しやすくなります。
お店の売り上げを伸ばすために、香を使ってお客さんが長居をしたくなるような気分にさせる。
ナンパの成功率を上げるために、良い匂いのする場所で立ち止まらせるようにする。
香水などで自らの匂い自体を書き換え、周りに人に好印象を与えるようにする。
その時に相手は匂いの心地よさに良い気分になりやすく、さらには相手に対しても良い印象を持ちやすくなります。
前回まで同様に、無意識では物理的感覚と比喩的表現の区別がついていないということです。
もちろん意識に上げれば分けて情報処理が出来ますが、ほとんどの人はいちいちそんなことを意識してはいません。だから無意識にバイアスがかかっていることにも気づかないのです。
さて、私たちが好む匂いといえば、甘い匂いです。
昆虫が甘い匂いに引き寄せられるように、私たちも甘いものが大好きです。
スイーツは別腹と言わせるほど、満腹であろうと人の心を狂わせてしまうような不思議な力を秘めています。
それほどまでにスイーツが好きで恋焦がれているのです。甘いものに目がないのです。
この甘いものに対する好きという気持ちが、甘いものに関わる人に対してバイアスを掛けます。
例えば、目の前の人が甘いものが好きであると言ったり、甘いものを食べていたりすると、その人に対して好印象をいだきやすくなることが実証されています。
甘いものが好きなことが、甘いものが好きな人に対する評価に無意識でつながっているということです。
また甘いものは自分自身に対しても影響があり、甘いものを食べると気分が良く幸せな気持ちにもなりやすきので、無意識に周りの人に対して親切になりやすくなるということも実証されています。
甘い以外にも匂いにはいろいろあります。匂いはそれぞれに特徴を持っており、その匂いから連想されやすいことに思考や行動も誘導されやすいようです。
例えば、洗剤の香りがする場所では無意識に清潔にしたいという匂いが働きやすくなります。
ということは、自分のやりたいことに対して、それを後押ししてくれるような匂いを自分の周りの香りを配置しておくことで、成長スピードがあがったり自分の思い通りの自分になりやすくなるということになります。
無意識を味方につけるということです。
匂いの働きを取り入れて、有効に活用していきましょう!
ただし健康のため、甘いものの食べ過ぎには注意しましょう!!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。