紅茶でよみとくイギリス史

 

著:Cha Tea 紅茶教室

 

2012年5月20日 初版発行

河出書房新社

東大阪市図書館より貸出

 

英国紅茶文化の歴史の本です。

イギリスに紅茶が入ってきた経緯、

最初は薬としてもたらされた茶がどのように普及し、

やがてアフタヌーンティーに代表されるような

喫茶文化へと発展していったのかを説明しています。

上級階級と中産・労働者階級、

両方の喫茶の習慣を取り上げています。

 

ティーカップなどの茶器の歴史も紹介しています。

18世紀には主に中国から伝来した

ティーボウルとティーカップの茶器のスタイルが

現在のティーカップアンドソーサーに変化していく

茶器のスタイルの歴史を写真で味わえます。

また英国の陶磁器産業の誕生からヴィクトリア朝に流行した

ティーカップを写真付きで学べます。

 

ティーカップの形状と紅茶の味の関係の話が

面白かったです。

ピオニーシェイプという口径が広いタイプのティーカップは

苦味を感じやすいが、香りを堪能しやすいそうです(p.128)。

一方、口径が狭いタイプであるモントローズシェイプは

渋みのある紅茶を口当たり良く味わうには適していますが、

その分、さっぱりとした味の紅茶を味わうには

やや物足りないようです(p.128)。

 

紅茶はイギリスの歴史や文化と密接に関係しているため、

英国史や英国文化に興味のある方にお薦めの本です。

 

 

 

紅茶史によりフォーカスした続編

「図説 英国紅茶の歴史」もあります。

合わせて読むとより英国の紅茶文化への理解が深まります。