編:「新しい女」研究会
2011年2月15日 初版第一刷
翰林書房
ドーンセンター情報ライブラリーより貸出
GW中に読んでいた本を読了しました。
青鞜と新しい女についての論集です。
三部に分かれています。
青鞜を生み出した平塚らいてうの母校、
日本女子大学が日本近代フェミニズムを育んだ
土壌についての10つの論争は
第一部、日本の「新しい女」たちで紹介されています。
家政学、体育、日本女子大の同窓会の連帯、
キリスト教などの様々なアプローチからによる
読み応えのある内容でした。
第二部の世界の「新しい女」たちでは、
イギリス、アメリカ、フランスの
新しい女についての小論が4つ掲載されています。
第三章は資料として年表が記載されています。
最初の岩淵宏子氏による
「『青鞜』と日本女子大学校-平塚らいてうと成瀬仁蔵」が
特に興味深かったです。
らいてうの女性参政権や教育権は手段であり、
それ自身が目的でないとする考えや、
女性の解放に重要なのは社会の改革より
個人の内面性の確立による
自立的・主体的な生き方であるという主張は
ドーラ・マーズデンとの共通性を感じました。
坂井妙子氏のイギリスのミドルクラスにおける
トリミング装飾と経済的自立の話も面白かったです。