イギリスの女たち 1830-1910
 
編:北條文緒
  クレア・ヒューズ(Clair Hughes)
      川本静子
 
1989年11月30日 第1刷発行
株式会社国書刊行会
ドーンセンター情報ライブラリーより貸出
 
GW休みはこの本の読了とともに終わってしまい、
本日から仕事です。
また次の長期休みにはいっぱい本が読みたいです。
 
本書はヴィクトリア朝からエドワード朝の英国の
主に絵画を中心に写真やパンチなどの雑誌の挿絵や
カリカチュアに描かれた女性像を分析しています。
新聞記事、評論、詩、小説などの抜粋も掲載しています。
ヴィクトリア朝の女性像の変遷をビジュアルで解説しており、
分かりやすく面白かったです。
 
第1章 家庭の天使たち、では
家庭の天使を理想とする当時の妻の姿を、
第2章 片隅の女たち、では
ガヴァネスやお針子などの働く女を、
第3章 新しい女たち、では
新しい女、女性参政権運動者を中心に

紹介しています。

ヴィクトリア朝に多く描かれた

少女の死への考察が正鵠を射ていると思いました。

 

"少女の死は、女の処女性の問題を

完全に解決するものだ。

女らしい女は妻となり母となるべきだろう。

しかし、彼女はもはや処女ではないのだ。

 

未婚の女は、女であるという務めを

まったく果たし得なかった

哀れむべき人間である。

 

死んだ少女には、こうした失敗も

処女性の喪失も

二つながら免れ得ぬ可能性がある。”(p.28)

 
資料として見れて嬉しかったのは
女子教育の分野で
母校、ロイヤルホロウェイの当時の学生の写真です。
 

 
 
 
もうAmazonでは取り扱っておらず、
入手が難しい本ですので、読めて良かったです。