南アフリカの代表品種、ピノタージュです。「たまにはピノタージュといこうか」と選ぶと、なぜか1年ぶりということが多く、過去記事をさかのぼると最近はだいたい年に一回ぐらいの頻度でそう思うようです(笑)。昨年はアルダリング(Aaldering)というところのピノタージュを試しました。今日選んだのは割とお手頃なやつです。しかし、この頻度ではピノタージュの品種の本性がなかなかつかめないものですね(笑)。

IMG_8572
作り手はアッシュトン・ワイナリー。ロバートソン(Robertson)の地区(District)の、その名もアッシュトン(Ashton)という町にあるワイン生産協同組合になります。1962年創立で現在50のメンバーから成るそうです。

公式ページは写真も多くなかなかいい感じ。facebookも頻繁に更新しているようです。
Ashton00
ワイン紹介も一応データシートにまとまっていますが内容が薄いのでインポーター情報から。

・ピノタージュ 100%

手摘み収穫。マロラクティック発酵後、樽で6ヶ月熟成とのこと。最小限のクオリティは確保されているような感じです。

ピノタージュは、ステレンボッシュ大学の Abraham Isak Perold 教授 (1880-1941) により、ピノ・ノワールとサンソーとの交配から、1924年に南アフリカで生まれました。
Pinotage01
その後すぐに南アフリカの代表品種になったわけではなく、初めてピノタージュからワインが作られたのが1941年になってからなんだそうです。ピノタージュの名前で呼ばれるようになったのが、さらに20年後の1961年というから驚きです。それからまた時が経ち、ピノタージュ普及の立役者であるカノンコップ(KANONKOP)が1995年にピノタージュ協会(Pinotage Association)を立ち上げて現在に至ります。
Pino Noir(ピノ・ノワール)と Cinsault(サンソー)ですから、Pinosault(ピノソー)にでもなりそうなもんですが、南アフリカではサンソーを昔から Hermitage(エルミタージュ)というシノニムで呼んでいて、Pino+tage =Pinotage となったという訳です。

アッシュトン(Ashton)の町のアッシュトン・ワイナリーを訪問します。
Ashton01
なかなかの規模、正面には近代的な建物が見えますね。

ロバートソン(Robertson)地区(District)を俯瞰して場所を確認します。
Robertson
ロバートソンは周囲を山々で囲まれており、ブリード川(Breede River)が貫いています。その重要な川にちなんで、ブリードクルーフ地区(Breedekloof)とウスター地区(Worcester)とを合わせて、ブリード・リヴァー・ヴァレー(Breede River Valley)のリージョンを形成するというわけです。ブリード川(Breede River)はブレーリフィール(Breë River)と現地では呼ばれているそうです。Google Map上ではブレーリフィールと表記していますね。

W.O.(Wine of Origin)Western cape を俯瞰してロバートソンの位置関係を確認。
South_Africa_WO_Western_Cap
今回は「W.O. Western Cape」の「Region - District - Ward」の関係をすべてまとめませんが、詳細情報は過去記事やSAWIS(South African Wine Industry Information and Service)のサイトを参照ください。

とはいうものの、今日はロバートソン(District)の中の区画Ward)を見ておきましょう。
Robertson01
ロバートソン内には全部で14のウォード(Ward)があります。ウォードはその域内産(100%)のワインなら、単独で W.O. が名乗れます。今日の作り手アッシュトン・ワイナリーは名前の通りアッシュトンのウォードに属しています。一応すべて列記しておきます。

・Agterkliphoogte
Ashton
・Boesmansrivier
・Bonnievale
・Eilandia
・Goedemoed
・Goree
・Goudmyn
・Hoopsrivier
・Klaasvoogds
・Le Chasseur
・McGregor
・Vinkrivier
・Zandrivier


ラベル平面化画像。
IMG_8442
裏ラベルには簡単ですが地図付きのワインの説明がありますね。ロバートソンは「ワインとバラの谷」として知られるそうですね。


さあ、スクリュー回転。
IMG_8568
ネックにはお馴染みSAWISのシールサーチの情報につながるコードが貼られています。

Alc.13%。
軽めの印象のガーネット。
IMG_8570

カシス、ラズベリー、コーヒーっぽさかすかに。
辛口アタック。
酸が後から出てきて軽めに感じさせますが、
味の厚みはなんとか保っている感じです。
バランスは悪くないんですが、
全体に軽い印象は否めません。
タンニンは効いてるのでサクッと楽しめました。


*****

Ashton Winery
Pinotage 2019
W.O. Robertson
RRWポイント 87点