仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

自己効力感

2023年06月06日 | 日記
『つながりの社会心理学-人を取り巻く「空気」を科学する』(2023/2/22・鬼頭美江著)からの転載です。


自分には特定の領域において、望んでいる結果を出せる能力があると信じることを自己効力感と呼びます。
 自己効力感を抱くことによって、実際に自分がとりたい行動をとりやすくなるという実験があります。この実験の参加者は、禁煙を希望している喫煙者です。参加者は、次の3つの条件のうちのいずれかに無作為に振り分けられました。
(1)自己効力感条件
 参加者に[あなたは禁煙意志が強く、自分の欲求や行動をコントロールできるので、このプログラムに参加するよう選ばれた]と伝える。その後、14
週間の禁煙プログラムに参加。
(2)治療条件
 参加者に、自己効力感を高めるようなメッセージは提示せず、〔抽選の結果、あなたが当選した]と伝える。その後、14週間の禁煙プログラムに参加。
(3)統制条件
 自己効力感を高めるメッセージは提示せず、禁煙プログラムにも参加しない。
 14週間の禁煙プログラム終了後、全員の参加者に連絡をし、禁煙に成功したかどうかをたずねました。 それぞれの条件で、どの程度の参加者が、禁煙に成功したのでしょうか。
 統制条件として禁煙プログラムに参加しなかった実験参加考のうち、禁煙に成功したのは6%のみだったのに対し、治療条件である禁煙プログラムでは28%の参加者が禁煙に成功していました。さらに、禁煙プログラムへの参加に加え、自己効力感を高めるメッセージを受け取った群(自己効力感条件)では、禁煙プログラムのみに参加した群(治療条件)に比べ、2倍以上となる67%の参加者が禁煙に成功したのです。
治療条件と自己効力感条件の参加者は、いずれも14週間の禁煙プログラムに参加しており、唯一の違いは、「抽選で選ばれました」と言われるか、「あなたは禁煙できそうだから、選ばれました」といわれるかという、実験参加に選ばれた理由のみです。つまり、参加者自身に自分は禁煙できると信じさせるかどうかの違いです。|あなたならできる」と言われると、自己効感が上がり、実際に成功率が上がるのです。
 では、なぜば「自分ならできる|と信じ自己効力感が高まると、成功につながるのでしょうか。それは、まず、自己効力感が高まることによって、自分の目標に向かって行動を始め、その行動を継続するからです。そうして努力をし続けた結果、当初の目標が達成されるのです。(以上)
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