通訳業務前になると電子書籍を大人買いします。
先月の出張期間中に読了した本は12冊でした。
気に入った順に番号をつけて、
軽く感想を書いてみます
①『板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh』原田マハ著
主人公は実在の人物です。
版画家棟方志功、
彼の人生を妻の語り口で描いた
長編アート小説です。
英語でいう“gift”=天性の才能、
それを自身の使命として
情熱を注ぎ、生を全うする。
心に響く生き様と、
魂の純度に感銘を受けました。
読了後は暇さえあれば、
棟方志功作品の画像を検索して眺めています
実物を直にこの目で見てみたいです!!
②『オリンピックの身代金 上下合本版』奥田英朗著
舞台は昭和39年(1964年)の
東京オリンピック開会式までです。
ひとりの人間が
テロリストになっていく様子が描かれています。
哲学的で社会的な要素が強く、
且つエンターテインメント性もある
面白い小説でした。
③『ジェンダー・クライム』天童荒太著
天童荒太さんの小説を20年振りに読みました。
『永遠の仔』を読んだ時と同じか、
それ以上に引き込まれました。
こちらの作品のほうが希望があって
個人的に気に入りました。
④『炎上する君』西加奈子著
表題作を含む8つの短篇集です。
西加奈子さんの作品は血が通っているので、
読了後に
「読んでよかった」
「出合えてよかった」と
感謝の念まで湧くことが多々あります。
又吉直樹さんの解説も素晴らしかったです。
時間をあけて、また読み直したいな。
⑤『ナイルパーチの女子会』柚木麻子著
ドラマを観た後に購入して読みました。
ドラマも面白かったですが、
小説は、おひょうの内面も描かれていて
また違った味わいがありました。
⑥『自転しながら公転する』山本文緒著
イライラの根底にある不安や恐れ、
当事者の思考を
複数の他者の口から言わせる手法など、
山本文緒さんらしい作品でした。
もう新たな著書が読めないと思うと、
心から残念で寂しいです
⑦『方舟を燃やす』角田光代著
過去に信じていたことや、
自身の取った言動が、
月日が経ち時代が変わったとき
「果たして正しかったのか?」
「真理は?」
自問し自責することは往々にしてある。
それを体感できる小説でした。
⑧『ぎょらん』町田そのこ著
ファンタジーで、
都市伝説の要素が軸の物語です。
死と別れについて、
温かく考えさせられました。
⑨『人のセックスを笑うな』山崎ナオコーラ著
山崎ナオコーラさんの小説を初めて読みました。
きっかけは、
西加奈子さんが短編小説『甘い果実』に
山崎ナオコーラさんを登場させていたからです。
『人のセックスを笑うな』の感想は、
面白く読み進めたのですが、
しばらく経った今は、少しぼんやりしています。
著者の違う作品を何冊か読んでみようと思います。
⑩『ペット・セマタリー(上)』スティーヴン・キング著
⑪『ペット・セマタリー(下)』スティーヴン・キング著
読書中ずっと題名が不可解でした。
「セマタリー」??
“cemetery”を私は「セメタリー」と発音していたけれど、
間違いだったのだろうか?と。
うろ覚えながら映画予告でも、
『ペット・セメタリー』だったよう記憶していました。
ですが作中で
「霊園」が「礼園」と書かれた板があったので、
原文が子供ならではのスペリング間違いで故意に表記してあり、
訳者がそれを日本語に反映したのかも、と予測しました。
あとがきを読んだらビンゴでした
感想は・・・
「あぁ、親父よ」と。
『シャイニング』のジャック・トランスを
(悪い意味で!)10倍にした感じでした
その上『シャイニング』のような
血の通った救いが得られないので、
再読することはないと思います。
ちなみに『シャイニング』は大好きで、
3回以上リピート読みしており、
続編『ドクター・スリープ』も持っています。
⑫『閃光スクランブル』加藤シゲアキ著
『なれのはて』や『ピンクとグレー』と比べると、
ディープさやリアリティ、苦みが足りない印象でした。
あと2冊加藤さんの著書を購入済みなので、
気持ちを切り替えて読んでみる予定です。
5月も素晴らしい本に出合えますように!
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