209-《高兴》by贾平凹 | トミモの『中国語の原書とドラマを求めて・・・』

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中国語の小説・ドラマ・映画など、
自分のフィルターに落として日本語で紹介できたら…とブログ開始。

私にとって209作品目の読了原書です。 

      これ↓

   贾平凹著《高兴》

 

贾平凹さんの作品は今回で15冊目です。

  ↓(下)

①過去に読んだ《极花》のブログは⇒コチラ

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⑩過去に読んだ《带灯》のブログは⇒コチラ

⑪過去に読んだ《暂坐》のブログは⇒コチラ

⑫過去に読んだ《五魁》のブログは⇒コチラ

⑬過去に読んだ《浮躁》のブログは⇒コチラ

⑭過去に読んだ《红狐》のブログは⇒コチラ

 

題名の“高兴”は主人公の名前です。

《带灯》の主人公が自身の名前を

ある日“带灯”と改名したように、

本書の主人公も自身の氏名を、

ある日“刘高兴”と改名します。

 

格差社会の底辺に生きる人々の

様子が描かれていました。

刘高兴は農村戸籍の青年です。

都市(西安)に働きに出てきたものの、

見つかった仕事は、

その日暮らしの廃品回収です。

刘高兴が惚れた女性は、

容姿端麗で心優しい孟夷纯。

彼女は殺された弟の事件解決の

(警察へ犯人捜し継続に支払う)

費用を捻出するため、

やむを得ず風俗嬢をしています。

 

何もない時は、

笑いや人情や善意や色恋など等、

明るく賑やかな部分が占めています。

ですが、何かあった時は

(トラブルや病気など不慮の事態)、

真っ暗闇に突き落とされ、

救われない残酷さに震撼します。

読後、私は少し気が塞ぎました。

 

話が横に逸れますが、

先月読んだ桐野夏生さんの

『燕は戻ってこない』の主人公も

格差社会の底辺に生きる人間でした。

『燕は戻ってこない』の主人公は

29歳の女性で代理母になることで

貧窮から脱しようとしました。

本書の刘高兴は腎臓を売りました。

『燕は戻ってこない』の

最後の最後は、

主人公リキの強かさが痛快で、

問題山積みの中でも

前向きなエネルギーが満ちていました。

個人的な好みですが、

本書でも最後に

救いやその片鱗を見せてほしかったなぁえーん

 

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