「親の七光」を利用した詐欺が勃発

　父親は、功成り名を遂げた財界人である。

　目下、東証一部上場企業の会長を務め、業界団体のトップの任にも就いている。

　その一方で、「不肖の息子」を持つ身でもあるらしい。

　その息子は、日本中がマスク不足に陥っていた２０２０年の春、「パパの関係で、マスクが大量に入手できるルートがある。売り先の当てもあるので、２億円を出資してもらえれば、１週間で２０００万円の大儲けができる」と、知人の飲食店経営者に持ちかけた。

　ところが、１週間の２０００万円の大儲けどころか、マスクさえ、飲食店経営者の手元には届かなかったのである。

　息子は、飲食店経営者から追及されると、菅官房長官（当時）にマスクを横取りされたなどと意味不明な言い訳を繰り返したとか。

　詐欺師の息子が、財界人の父親の晩節を汚すことになるに違いない。

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