やまじゅん通信 “きょうのヤマ場”

日本共産党前神戸市会議員 山本じゅんじ WEB通信

神戸空港「再整備」に市税を⁉

2022-12-09 | 議会だより
市議会本会議で「決議」
市税投入、ほんとにいいの???

 先日5日、神戸市議会で本会議が開かれ、神戸空港の「国際化」を口実に整備費用に市税を投入することを容認する決議案が賛成多数で可決してしまいました。今回の決議案を提出したのは、自民党、公明党、日本維新の会、立憲民主党、国民民主党・友愛の5会派と無所属の4議員。
もともと神戸空港をめぐっては、「空港よりも住宅を」を掲げて1998年に建設の是非を問う住民投票条例の制定を求めるなど空港の賛否をめぐって大きな市民運動が展開されました。住民投票条例は、当時の神戸市議会は拒否しました。一方で、空港建設には「市税を一切投入しない」と決議し、市民理解を求めようとしたのがこの決議でした。
 決議には、「将来にわたって神戸のまちづくりに市民が希望を持てるよう、他の地方空港と同様にあらゆる財源を積極的に活用して必要な施策を着実、的確かつ効果的に実施すること」という一文が盛り込まれています。
うーん、やっぱり違和感。「将来にわたって神戸のまちづくりに市民が希望を持てるよう、…あらゆる財源を積極的に活用して必要な施策を…」というなら、物価高をはじめ生活困難に直面する市民生活にすぐに直結する財政出動こそ必要では?と思うのです。
空港へのあらたな財政出動は時期尚早では?と言わざるを得ません。
会派としてこの決議には反対しました。

 以下、最近後援会ニュースに投稿した記事を加筆・修正して掲載します。
 神戸空港については9月の関西3空港懇談会で、2030年前後の国際定期便の就航で合意しています。神戸空港はかつて市民の猛反対を押し切って、推進派が一体となって進めてきました。空港の国際化は推進派にとっては悲願。国際化で神戸市だけでなく、神戸市を含む県内や京都や滋賀、大阪北部などからも500万人を超える人が利用すると早くも皮算用されています。
が、どっかできいた皮算用。空港を造る際にも似たような話をしていなかったか?でもそんなに使われず苦戦。これまで一度も目標をクリアしたことはありません。結局、運営権の売却。今回の決議は、これまでの失敗がまるでなかったかのようです。
 さらに新たな整備費用などの追加投資が必要とのことで、その額は200数十億から300億円ほどに。人口減少だ、税収減だと市民には我慢しろと言わんばかりの状況の一方なのに三宮やウオーターフロント再開発にはこれでもかと資金が投じられています。そのうえに更なる投資の財源はいったいどこにあるというのでしょうかか。
空港建設時には市税は使わないとしながらも、ため込んだほかの資金や補助金などを駆使。「一般財源」として使いました。一般財源には市税だけでなく補助金やほかの会計の資金からの繰り入れ、借金も含まれます。かつてのようにほかの会計の資金を取り込んで今度も同じように進める可能性もあります。注視していかなければなりません。
 これからの時代、そこまで飛行機の需要が伸びるのかよく吟味する必要があります。
ちなみに国交省によると旅客機の輸送量当たりのCO2排出量は鉄道の約6倍にもなるそうです。ヨーロッパでは航空機移動を非難する「飛び恥」という言葉も生まれており、飛行機よりも鉄道や船を選ぶ人が増えているのだそうです。目先の利益としての空港ではなく、長期的に市民にとっての本当の利益を見据えた政策こそ必要ではないでしょうか。

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