今回紹介するのは
第二十六回鮎川哲也賞受賞作で
「21世紀のそして誰もいなくなった」という
キャッチコピーで本格好きであれば
必読していただきたい市川憂人さんのデビュー作、

「ジェリーフィッシュは凍らない」です。
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まず、舞台設定がちょっと変わっています。
「ジェリーフィッシュ」と呼ばれる
小型飛行船が発達した近過去のパラレルワールド
が本作の舞台となっています。

そして技術開発メンバー6人が
新型ジェリーフィッシュの航行試験中に
地上から200m上空という完璧な密室の中で
1人の他殺体が発見されます。

そして自動航行システムも暴走し
ジェリーフィッシュが操縦不能となり
嵐の雪山に不時着して開発チームの
メンバーが雪山に取り残される中
次々と殺人事件が起き、
警察が事件現場に行った時には
生存者は誰もおらず、死体は全て
他殺としか思えない状況で発見さる・・・

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まさにキャッチコピー通りの展開となってます。
犯人は誰なのか、嵐の雪山からどうやって脱出したのか
それとも、他殺体に見える死体の中に自殺者がいるのか。

パラレルワールドが舞台ということで
日本がJ国と表示されていたりと
若干の読みにくさはあるものの
文章自体は読みやすく警察の捜査の中心となる
マリアと九条連のやり取りが面白いので
最後まで一気に読むことができました。

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所謂、叙述トリックものですが
その中でもかなりレベルの高い部類に入ると思います。

まぁちょっと前半部分でアンフェアに感じる所や
トリックの明かし方や伏線の張り方、回収に
雑さがありましたが・・・

「十角館の殺人」と同じ
「そして誰もいなくなった」をテーマにしている点、
外界から隔離された島内、船内と警察などの外界の様子が
章ごとに交互に書かれている点、
どちらもデビュー作である点から
どーーーしても2つを比較してしまいますね。

この2つを比較するとどうしても
「十角館の殺人」からは見劣りしてしまいますが
それは「十角館の殺人」がすごすぎるからなので・・・


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今回は市川憂人さんの「ジェリーフィッシュは凍らない」を
ご紹介しました。

それではまた~