「あったかくて気持ちいいな。」

沖縄の気候は年中を通してとても温暖だ。

そのため、暑過ぎず、寒過ぎずに快適に過ごせる。

私は沖縄でカフェを経営するつもりだ。

だが、まだほとんど計画はないので、ノリで来てしまった感は否めない。

「どうせなら、海が見える場所でカフェを経営したいなー。」

そこで、私は海沿いの空き物件を探すことに。

正直当てはまったく無いが、心は期待に満ちている。

「よし!さっそく探しに行くか!」

と言いたいところだが、お腹が空いたので少し沖縄料理でも頂くことにした。

腹が減っては戦はできないからね。

意気揚々と店巡りを始めた私だったが、その時間はあいにく昼時ということもあり、どこの店も満席だ。

「腹減った…。」

仕方がないので、古ぼけた店で食事を済ますことに。

本当なら有名店で食事を頂きたいところではあったが、それは仕方がない。

「何を食べようかな…。」

私は席に着いて早々にメニューを手に取る。

しかし、驚いたことに、その店はメニューが一つしかない。

「ゴーヤチャーハン…。」

聞き慣れないメニューがそこにはあった。

しかし、何も頼まずに店を後にするのは心が痛む。

私はゴーヤチャーハンを食べることに決めた。

正直、私はゴーヤがさほど好きではない。

というのも、一度東京で立ち寄ったゴーヤチャンプルーが塩辛くて美味しくなかったからだ。

そのため、私はゴーヤチャーハンには1mmも期待していなかった。

すると、店内が空いていることもあり、ゴーヤチャーハンはすぐにやってきた。

思っていた通りの、ゴーヤ&チャーハンのコラボだ。

期待せずに口に運んだが、味は想像とは違った。

「…美味い!」

私が口に入れたゴーヤは、以前東京で食べたものとは別物だった。

なんというか、素材の味を存分に活かした料理なのがよくわかった。

「ゴーヤってこんなに美味しいのか…。」

そこで私は決心した。

「カフェではゴーヤの料理を出そう!」

目の前のゴーヤチャーハンをものの数分でたいらげた私は、一目散に物件探しに出掛けた。

すると、海が見える物件をすぐに見つけることができた。

「あとは、ゴーヤの料理だ!」

私は料理の腕前には自信があったが、ゴーヤ料理は作ったことがない。

そのため、何を作ればいいのか見当がつかなかった。

そこで閃いた。

「カフェだし、ゴーヤコーヒーでも作ろう!」

完全に思いつきだったが、ただでさえ苦いコーヒーに苦いゴーヤを入れることで、どんな化学反応が起こるのか興味があったのだ。

さっそく自作のゴーヤコーヒーを作ったのだが、意外にも美味かった。

「これならイケる!」

それからというもの、私はゴーヤコーヒー一本でカフェを経営することを決めた。

今後どんな未来が待っているのかはまったくわからないが、期待で胸がいっぱいだ。

無駄に前向きなのは、私の良いところなのかもしれない。

できれば、将来的にはゴーヤコーヒーを沖縄の名物にしたいとさえ思っている。

あわよくばテレビの取材を受けて有名になりたいとも思っている。

もちろんうまくいくかはわからないが、ここまできたらやるしかない。

私は沖縄でこの先もずっと生きていくと決めたのだから。