欧州連合(EU)のトゥスク大統領は、英国のEU離脱交渉について、オーストリア・ザルツブルクで19、20両日に開く非公式首脳会議で「11月に(臨時の)首脳会議を招集する可能性を含めて協議する」と表明した。これまで合意期限としてきた10月の定例首脳会議から交渉期間を先延ばしする見通しとなった。

 トゥスク氏は各国首脳に宛てた非公式会議の招待状を公表。この中で、離脱交渉が「不幸なことに『合意なし』となるシナリオはまだ十分にあり得る」とも指摘し、決裂回避への決意を示した。 

 今回の非公式会議では更に、通商協定など将来の英EU関係の大枠を示す「政治宣言」の在り方や、アイルランドと英領北アイルランドの国境に税関などの「ハード・ボーダー」を復活させないための措置を協議するという。

 このほか難民問題への対応策、国境警備やサイバー空間の安全対策強化も議題となる。