映画『アンダーニンジャ』レビュー
先週末に映画『アンダーニンジャ』を見てきました。
『アンダーニンジャ』良かった点
花沢健吾氏の作品としては映画『アイアムアヒーロー』同様、原作からストーリーを 絞って映画したことが、初見でも分かりやすい内容になっていたと思います。ほぼ原 作を知らない家族も楽しんで見ていました。
原作者の花沢健吾氏の作品は、「破綻しているのでは?」と感じるくらいシュールな 部分もあるので、一般受けを狙うにはよいのでしょう。
今回は『アンダーニンジャ』原作の8巻くらいまでの九郎編だけなのでそれほど長く はありませんが、同じような範囲のストーリーをカバーするアニメ版を見る限り 後半話がよくわからなくなっていました。時系列の入れ替えが分かりにくさに拍車をかけ、 初見の視聴者には物語が分かりづらかったと思います、
映画版では九郎編のストーリーをカバーしつつ、無駄な部分については設定を変えた りストーリーに手を入れて脚本でかなり分かりやすくしているので、非常に見やすい と感じました。
漫画原作の映画化と言えばこの人という感じになりつつありますが、山﨑賢人の演じ る主人公はまさに原作のイメージ通りです。白石麻衣さん、間宮祥太朗さん、岡山天 音さん、宮世琉弥さん、坂口涼太郎さん、木南晴夏さんなどのキャスティグもなかな か絶妙に原作の世界観にハマっていると思います。
アクションもなかなか見どころがありました。
また、原作は花沢健吾氏らしいシュールなギャグや日常シーンが多く含まれますが、 アニメ版ではシリアスに振っていたので、全体にどんなテイストの作品がよく分から なくなっていましたが、映画版は福田雄一監督のギャグ多めの演出が、より原作のテ イストがあり、一般受けしそうなギャグに落とし込んであるので面白めの仕上がりと なり大人も子供も楽しめる映画になっていました。(アクションシーンはグロな表現 もあるので注意)
残念な点
残念な点は、福田監督色が全面にでいて、シュールでシニカルな原作のよさをほとん ど台無しにてしまっている点です。世界に通用する原作をこれほど堕落した エンターテイメントに落とした映画は珍しいでしょう。
福田監督作品の常連であるムロツヨシさんと佐藤二朗も出演されていましたが、 個人的には最悪です。この二人のいつもの長回しのギャグシーンは、 お手軽なドラマで福田監督作品が好きな人は面白いのかもしれませんが、正直吐き気 がしました。
まとめ
全体としては原作を台無しにした愚作です。 多めのギャグと見ごたえのあるアクションで、暇つぶしにはなります。
これをきっかけで原作に興味を持って、読んでみるとよいと思いました。