J1浦和レッズは3月22日に公開練習を実施。今季マチェイ・スコルジャ監督が就任したチームだが、紅白戦では3バックをテストする姿があった。
 この日の午前中にフィジカルテストを実施した浦和は、午後にはポゼッションゲームや紅白戦といった戦術的な要素のあるメニューを実施。FW興梠慎三や新加入のFWホセ・カンテは別メニュー調整だったが、リーグ戦での出場が多い選手たちが入ったチームは3-4-2-1システムでプレーしていた。
 リーグ戦では4バックを組んできた浦和だが、そのメンバーを並べた時のセンターバックのコンビを組むDFアレクサンダー・ショルツとDFマリウス・ホイブラーテンの間にDF岩波拓也が入る形で最終ラインを形成。MF大久保智明やMF小泉佳穂、MFダヴィド・モーベルグ、MF関根貴大といった面々がシャドーに入り、最前線にFWブライアン・リンセンが構えた。そのゲーム中には、ボールを引き出した小泉のスルーパスからリンセンがシュートを決める場面や、左サイドバックに入ったDF荻原拓也のクロスにリンセンが合わせたゴールなども生まれていた。
 過去にはミハイロ・ペトロヴィッチ監督が率いた時期の定番システムであり、昨季まで2シーズン率いたリカルド・ロドリゲス監督の指揮下でもマイボール時の変化や試合の終盤に逃げ切りを図るためのシステムとして採用されることはあったが、攻守とも3バックのままプレーするのは久しぶりの光景だった。
 開幕からボランチでの出場が続くMF伊藤敦樹は「どこかで試すかもしれないので、ということだった。練習でも初めて。どちらかと言えば守備のところの練習だったし、これをいつ試合で試すか試さないか分からないですけど、まだまだかなとは思います。リーグ戦も中断期間なので、試すタイミングとしては良いのかな」と話す。
 浦和は26日にルヴァンカップ(杯)の清水エスパルス戦、31日にはリーグ第6節の柏レイソル戦を控え、少し先に目を向ければ4月29日と5月6日にはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝でアル・ヒラル(サウジアラビア)と戦う。そのようなところにも目を向けている可能性もありそうだ。
 4バックではトップ下や左サイドハーフでのプレーが多い大久保は「苦しい時間帯のクリアボールをマイボールで収めるようなチームを助けるプレーが必要だと思う」とも話す。相手ボール時には5-4-1のブロックを形成することが多くなるだけに、後ろに重い展開を避けることが必要なシステムを機能させるためには、ビルドアップの機能性だけでなく前線のボールキープ能力も求められる。また、このシステムの経験が多いGK西川周作は、ビルドアップ時のポジショニングで利き足の関係や得意なプレーを発揮しやすいプレーの仕方を周囲に伝える姿もあった。
 かつてペトロヴィッチ監督が率いた浦和はこのシステムでゴールを量産した。スコルジャ監督の指揮する浦和が公式戦でこのシステムを採用するかは分からないが、戦いの幅を広げようとする試みを見せていることは間違いないと言えそうだ。


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