摂津国の有馬温泉めぐり③ ~水天神社~ | NAVI彦 ~つつがなき神さまめぐり~

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神社めぐりをしています。
その土地ならではのお話も、
さくっとまとめてます。

有馬温泉の公衆浴場でもある
「金の湯」から

趣ある建屋のつづく
有馬本街道(湯本坂)を
東へゆくと

細い路地のおくに
水天(すいてん)神社
があります。

 



こちらは、
有馬温泉を発見したという

大己貴命(おほなむち)
少彦名命(すくなひこな)

が降臨したという
聖地だそうです。

 



神地己貴(しんちあなむち)

ともいわれ、
清水が湧くことから

穴虫の清水(あなむちのしみず)

ともいわれるようです。

 



鳥居のとなりには
「鎮座石」といわれる

磐座?がふたつならんでいました。

鎮座石には、
慶応年間の修験者によって

「青蛾石」と
掘られているようです。



青蛾とは、

中国の伝承による
月の天女のことだとか

蛾の触覚のような
三日月形をまゆずみで描いた
青く美しい眉のことといわれ

美しく妖艶な女性の
たとえでもあるようですね。

だとすると、
六甲山(ろっこうさん)
瀬織津姫(せおりつひめ)
称えているのでしょうか?



鳥居の扁額には
「水天宮」とありました。

神社ののぼりにも
「有馬水天宮」とありますから

水天宮という呼び名のほうが

馴染んでいるのかもしれません。

 



観光中心地から
すこし離れた路地にあり

民家の裏にあたるため
ちょっと入りにくい雰囲気があります。

 

しかし、ここは
湯泉神社の摂社であり

祭のときには
神輿が訪れるという
御旅所でもあるようです。

 

かつて、

上之町(かみのちょう)

といわれのは

 

神地己貴の神泉がある

神之町(かみのちょう)

からきているらしく

 

有馬温泉の信仰の中心地

でもあったようですね。

 



境内には、
建屋がふたつありました。

手前は、
お稲荷さまでしょうか?

奥は、
井戸の建屋であり

ちいさな祠には
神像が祀られていました。



温泉が湧く地で
清水が湧いているというのも
おもしろいですね。

池の水もおだやかで
シダの葉も美しいです。



有馬には、
有馬籠(ありまかご)という
竹細工の工芸品があるようですが

素材となる竹はこの
水天宮の水で洗われていたそうです。

 

有馬籠は、

千利休(せんのりきゅう)も

茶道具として愛用したといいます。


谷あいや、家屋の影にあるので
うっそうとして見えますが

境内はとても穏やかで心地よく
素晴らしい聖地のように感じました。

 



ご祭神は、

大巳貴命(おほなむち)
熊野十二神(くまのじゅうにしん)
安徳天皇(あんとくてんのう)

だといいます。



大巳貴命は

少彦名命とともに
有馬温泉を発見したかたで、

熊野十二神は

鎌倉時代の僧・
仁西(じんざい)

熊野信仰をひろめた
ことによるのでしょう。

気になるのは、
第81代・安徳天皇です。

平家の滅亡となる
壇ノ浦(だんのうら)の戦いで
 

神器とともに海に沈んだという
6歳ほどの幼い天皇だといいます。



福岡県久留米市には
水天宮の総本社があり、

壇ノ浦の戦いから
落ち延びた平家の女官が

安徳天皇と平家一門の
菩提を弔ったのがはじまり
だといわれているようです。

江戸時代になって、

久留米藩主となった
有馬(ありま)氏に崇敬されて
社殿も整えられたといいます。

 



久留米藩をおさめた
有馬氏は

摂津有馬(せっつありま)氏
からおこったらしく、

摂津有馬氏の本拠地が
ここ有馬の地のようですね。

ですから、水天神社に
安徳天皇が祀られたのは

有馬氏が
久留米藩主となった

江戸時代以降のこと
ではないでしょうか?

むしろ、
安徳天皇が祀られたことで
有馬水天宮となった
のかもしれませんね。



有馬本街道(湯本坂)と
有馬川沿いの有馬街道との
合流地点には、

雪國稲荷(ゆきぐにいなり)神社
があります。

水天神社のある
上之町の入口である

門の切(もんのきり)の
守り神だといいます。



射場山(いばやま)にある
有馬稲荷(ありまいなり)神社からの
勧請だそうです。

 

有馬稲荷神社は、

日本書紀にものこる第34代・
舒明(じょめい)天皇

 

有馬行宮の跡地にあるとか

有馬行宮の守護神だった

というようです。

 

 

こちらにも、
神仏習合時代の

名残がありますね。

 

 

これらの石もすべて

六甲山の花崗岩でしょうか?

 


有馬の湯は、
『御幸荘 花結び』さんで

楽しませていただきまいた!

 

 

浴場のまえには、

蛇石も飾られていまして

ちょっと魅入ってしまいました。
 

天下に知られる名湯だけあって

有馬の湯はとても素晴らしいですね。

 

身体の傷だけでなく、

心や精神や魂の傷まで

癒してくれるのでは?というほど

心地よいものでした。

 

これはほんとうに、

通いたくなりますね温泉照れ温泉

 

 

摂津国の有馬温泉めぐり④ へ つづく

 

 

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☆有馬温泉めぐり全記事リスト☆
摂津国の有馬温泉めぐり① ~有間~
摂津国の有馬温泉めぐり② ~有馬天神社~
摂津国の有馬温泉めぐり③ ~水天神社~

摂津国の有馬温泉めぐり④ ~湯泉神社~