B・フラーのジターバグ(ベクトル平衡体)を内外から観る

11/19(KIN185)に行われた第4回テンセグリティワークショップでは、圧縮材が最小本数となる「6struts共鳴テンセグリティ」と「ベクトル平衡体(ジターバグ)」という2つのシナジェティクス(シナジー幾何学)モデルをモデリングしながら、フラーの研究をさらに発展させ続けている梶川泰司氏による講義を受けた。

毎回切り口が異なる講義は驚きに満ちていて、しかもモデリングとも深く関わっているので、言語的に記録してもモデリング経験の無い人には伝わり難いところがあると思うが、今回、自分が最もインパクトを受け、どうしても記録しておきたいのが、ジターバグの動きについてである。

ベクトル平衡体が正八面体、更には正四面体にまで変換されるそのプロセスが、既に「美」と「驚き」に満ちているのだが、同じ動きをその外側と内側から観察するとまるで違う世界を観ることになる、という事を実感させられるデモンストレーションがあって、そこに強い衝撃を受けたのだ。

デモの詳細は省略するが、外と内という視点の違いを自分の言葉で書いてみると、以下のようになる。まず、外から見ていると、「ベクトル平衡体」の中で向かい合う三角形を両手で近寄らせて行くと、その三角形自体は回転せず、四角形の部分が折りたたまれながら他の三角形が回転して「正八面体」になる(動画参照)。

しかし、もし内側からこの運動を見ていて、特定の軸方向に視点を固定せず、全方位的に見られるとすると、実は全ての三角形が回転しながら自分に迫ってくるという感じになるのだ。ちょっと想像しにくいとは思うが、特定の軸を固定しない動きを何となくでも体感するには、他者の手が必要になる。

例えば自分が向かい合う三角形のひと組に触れ、他の1人が別な向かい合う三角形のひと組に触れて、両方で少しずつ力を入れて行くと、1人で行っている時のように回転しない状態で三角を寄せて行く事は出来ない。実際には誰も触れていない残りの向かい合う三角形の組みも含め、全ての三角形が等しく回転するような動きになるのだ(ただし1人の力が強すぎるとこれは成り立たない)。

他にも沢山の気づきと発見があり、私はこれらのモデルが包括的で多様な視点を育てる自己教育ツールである事を、改めて深く実感した。前回は高校生、今回は中学生が参加していたが、若いうちから真のシナジェティクスモデルに触れていたら、その人の可能性はきっと大きく花開くことだろう(何でもそうだがフェイクモデルは逆効果になる)。

さて、この日はスタッフ打ち上げでもピンポイント過ぎる驚きの出会いがあったが、それについてはまた機会を改めるとして、ジターバグについて思い出した事をもう少しメモしておきたいと思う。「ジターバグ」という言葉と共に、その動きを目にしたのは、神奈川県立近代美術館(かつて鶴岡八幡宮境内にあった)で行われたバックミンスターフラー展での事だった。

11/21(KIN187)の夜、寝付きにそんな事を思い出したせいか、2時間ほどで目が覚めてしまい、気になって眠れなくなったので、デジカメになる前のプリント写真を引っ張り出してきて確認してみた。すると、竹で出来た大型ジターバグの中に、自分やLが入っている写真が見つかった。

見知らぬ子供に急に紐を引っ張られて驚いている

といっても、このジターバグは自重で潰れてしまう重たいもので、紐を引いて吊り下げるような形になっていたため、ジターバグの中に入ってはみたものの、「全ての三角形が回転して集まってくる」というような体験は出来ない代物であった。ちなみに、ワークで制作した梶川氏開発のジターバグは、フラーの時代から更に研究が重ねられていて、比較的容易に手に入る既製品(竹ひごとシリコン)で出来ているにも関わらず、自立できる強度を持っている。

いずれにしても、私たちは時間とスケールを超えてジターバグを外と内から体験した事が明らかになった。しかし、夜中にリサーチしたのは、その時のフラー展が2001年6月2日〜9月2日で行われていたこと、その後、巡回で愛知県美術館とワタリウム美術館でも行われ、図録『ユア・プライベート・スカイ』の編集・翻訳協力がシナジェティクス研究所だった事までであった。

この流れを知ると、今回、シナジェティクス研究所の梶川氏に直接ジターバグの制作指導を受けた事がより感慨深く思えてくる。プリント写真の印字が日付だけになっていて、正確な訪問月がわからないのが気になったが、古い手帳は奥に閉まってあったので、詳細は夜が明けてから調べ直す事にした。

そして今朝、21年前の『13の月の暦・手帳』で確認してみると、私達がフラー展に行ったのは、2001年8月19日(KIN228=7・星)だと判明した。KIN228は今日からぴったり40日後、2023年(令和5年)の元旦に巡ってくる日付で、ちょうどそこからツォルキン(260日暦)を30回逆転させると八幡宮の境内でジターバグの中に入り込んだ日になる。

30銀河スピン(30×260)は7800キンで火星会合周期780日の10倍に当たる。これに気づいた今日、倍音の月8日(5.8)のサイ時間はKIN78(パカルの特別な数字)。今日が令和の始まり2019年5月1日(KIN188)からツォルキンが5回巡ったタイミングである事も含め、倍音の月5日(5.5)に受けたワークの中で、極めて稀な「五角形」の結晶写真が再び撮れたと聞いた事など、全てがリンクしているのを感じる。

興味深いのは、フラー展で八幡宮を訪れた時に引いたおみくじが2人とも「16番」だったというメモが手帳に残っていた事。NPOクリカ設立16周年に当たっていた11/20(KIN186)の『鎌倉殿の13人』に影響を受けて、放映直後に行ったYouTubeライブの中で、私は三浦義村役の山本耕史について触れているのだが、彼の誕生キンがまさにKIN16なのだ!

大河ドラマもまさに鶴岡八幡宮の大銀杏が舞台というタイミングだけに、この八幡宮境内の近代美術館で行われたフラー展に関する発見は、ある種のテルマ(埋蔵経典)のようにも思えてくる(同じ日に大銀杏の横で撮った写真も発掘済み)。きっとあの日、フラー展で竹製のジターバグに入ったからこそ、今、竹ひごの最新型ジターバグを手にし、このブログを書く事になったのだろう。「黄色い星」がその証人である。(D)

倍音の月8日 6・星(KIN188)

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ドリームスペル(13の月の暦)で見る日本と皇室
・「パカルの特別な13日」の由来と真の意味