学習方略とは? 効率的な英語学習に必要なメタ認知・自律学習とは?

はじめに

今回は学習方略について考えていきます。学習方略とはその名の通り、学習効果を高める活動を指しますが、果たしたどのような方略、あるいは効果があるのでしょうか。英語学習の成功には学習方略を効果的に活用する必要があります。その鍵を握っているのが、メタ認知と自律学習です。そのほかにもやる気の正体や動機づけについても考え、最後に学習方略に基づく英語学習方法にも考えていきます。

 

 

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主な参考文献

 

「英語学習のメカニズム」

 

「英語の学び方入門」

 

 

「英単語学習の科学」

 

「英語教師のための学習ストラテジーハンドブック」

 

「やさしい発達と学習」

 

「勉強法の科学」

 

 

学習方略とは

学習方略とは

学習方略の定義

「学習方略」とは、「学習の効果を高めることをめざして意図的に行う心的操作あるいは活動」(辰野 1997)であり、学習活動を効果的かつ効率的に行うために学習者がとるさまざまな方法だと定義されています。学習方略とは教育学や心理学の分野でも使用されており、そこでは「学習効果を高めるための意識的な工夫」と定義されています。

 

認知心理学という学問が1950年代半ばから1960年代にかけて急速に発達してきました。そこでは、人間の認知過程はコンピューターに例えられ、学習も「新しい知識の小獲得、あるいはそれに伴う知識構造の構築」として考えるられるようになりました。学習者に対する見方も変化し、単に知識を享受するものという受動的な学習者像から能動的な学習者へと変容していきます。そこで注目されるようになった概念が学習ストラテジーです。

学習方略の必要性

私たちは無意識に身につけた学習方法には注意を払わない傾向があり、がむしゃらで非効率な学習をしている可能性があります。学習方略を上手に活用することで、学習をより効率化させることができます。

 

学習法略の必要性

引用:ベネッセ・木村治生さん「学習時間より『学習方略』が成績に影響する」

 

東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が全国の小学1年生から高校3年生までとその保護者の約2万組を対象にした調査(2018年)によると、学校の成績は総学習時間ではなく、学習方略と強い相関関係があるという結果がでました。大切なのは学習の「量」ではなく「質」に注目すべきということが示されました。

 

www.asahi.com

 

また、子供の頃に一度計画を立てたり場所を選ぶといった方略をとっていた人は大人になっても活用する傾向があり、学習に良い影響を与えるという調査結果もあるようです。

学習方略の種類(一覧)

学習方略の説明に入る前に、学習モデルとして有名な学習ピラミッドを見ていきましょう。この学習ピラミッドは1954年に出版された「Audio-Visual Methods in Teaching(視聴覚法の教授法)」から使われ始めた理論です。理論の内容は学習内容を練習したり、他者に教えた方が学習定着率が高まるという図です。実はこの理論のパーセンテージには根拠がないにも関わらず引用され続けているのが問題だとも指摘されています。学習モデルは、単一的ではなく心理学や教育学と総合的に考えられるべきだという主張も数多くあります。

 

学習ピラミッド

引用:wikipedia, Learning Pyramid

 

1980年代に入り、学習は心理学の分野と合流して、いかに学習を進めていくべきかという議論が交わされていきます。ワインスタインとメイヤー(Weinstein &Mayer, 1986)は,学習方略に含まれる具体的方法を大きく 5 つのカテゴリーに分類しました。

 

学習方略の5つのカテゴリー

  1. リハーサル:繰り返し練習すること、反復学習
  2. 精緻化:イメージ化したり、関連付けること
  3. 体制化:学習範囲を関連づける、整理すること
  4. 理解監視:目標を立てたり、モニタリングすること
  5. 情緒的・動機づけ:モチベーションのに関する方略

 

Learning strategies are the behaviors and thoughts that a learner engages in during learning that are intended to influence the learner’s encoding process.

引用:Weinstein &Mayer, 1986

 

近年の最も有名な、学習方略の第一人者であるオックスフォードは学習方略を以下のように分類しています。学習方略には、直接方略と間接方略があります。学習者はこれらの方略を組み合わせて、より学習を効率的に進めることができます。残念ながら、誰にもで最適・最高の学習方略は存在しませんが、自分の学習方略を知り、それを改善していくことはできます。

 

Language learning strategies are behaviors or actions which learners use to make language learning more successful, self-directed and enjoyable.

引用:oxford, 1990

 

直接方略

  • 記憶法略(memory strategy):語呂合わせ、語源で覚えるなど
  • 認知方略(cognitive strategy):類推など
  • 補償方略(compensation strategy):母語使用、ジェスチャー

 

例えば、記憶法略において、既存知識の活性化と呼ばれる方法を使えば、新たに入ってくる情報をより効率的に処理することができます。後述する、学習スタイルと組み合わせて、自分にあった最適な学習方略を模索することが大切です。

 

間接方略

  • メタ認知方略(metacognitive strategy):学習計画・目標
  • 情意方略(affective strategy):セルフコーチング、音楽の活用
  • 社会方略(social strategy):グループで学習など

 

学習方略の心理学

心理学の学習モデルとして代表的なのが、スキナーが考案したプログラム学習です。スキナーは自分の小学生の授業参観にしたことで一斉授業の問題点に気づいたと言われています。プログラム学習の原理は以下の5つで現在も学習指導法に活かされています。

 

プログラム学習の5つの原理

  1. スモールステップの原理
  2. 積極的反応の原理
  3. 即時フィードバックの原理
  4. 学習者スペースの原理
  5. 学習者検証の原理

 

特に、インプット→アウトプット→即時フィードバック(正誤の判定など)は英語学習にも大いに活かせる原理で、この一連の流れを繰り返すことが大切だと言えます。教育心理学の分野ではメタ認知も子供が学習をする上で大切な要素となっています。

 

メタ認知とは

メタ認知とは

メタ認知の定義

オックスフォードの間接戦略の一つにメタ認知戦略がありましたが、ここで改めてメタ認知の言葉の定義について解説します。認知心理学などの研究分野では、メタ認知とは「通常の認知の上に、もう一段階上の認知がある」という想定から生まれたものです。英語学習をしている自分を上から観察できていれば、とりあえずメタ認知が出来ている状態です。また、メタ認知という概念は「自分の認知や認知プロセスについての知識的側面」と「認知をコントロールする活動的側面」の2つに分けられます。

 

ただし、どの程度英語学習をしている自分を上から観察できていれば良いのか?自分は果たしてメタ認知ができているのか疑問に思います。そんな時は次に紹介するメタ認知を測るテストが役にたちます。

 

メタ認知を測るテスト

メタ認知を測るテストとして最も有名なのがSam Cartwright-Hatton and Adrian Wells(1997)によって開発されたMCQ(Metacognition Questionnaire)です。その名の通りメタ認知力のアンケートで65の質問から構成され、下記の5つの要素を測るテストとなっています。現在主流になっているのは30の質問から構成されるMCQ-30(WellsCartwright-Hatton,2004)というもので、形式は基本的に同じです。

 

メタ認知質問紙法 MCQ-30 5つの要素

  1. 認知的自信の欠如(lack of cognitive confidence)
  2. 心配事への積極的信念(positive beliefs about worry)
  3. 認知的自己意識(cognitive self-consciousness: metacognitive processes)
  4. 思考制御不能と危険への消極的信念(negative beliefs about the controllability of thoughts and corresponding danger)
  5. 迷信・罰・責任など思考一般への制御欲求の消極的信念(negative beliefs about thoughts in general, including themes of superstition, punishment and responsibility / SPR)

引用:メタ認知質問紙法短縮版MCQ-30(Wells & Cartwright-Hatton, 2004)の手引

 

熊本県立大学の田﨑氏が日本語訳版の手引を公開しているので、下記の質問表を使ってセルフチェックすることができます。スコアが高いほど、それぞれの項目の傾向が強いことを示しています。

 

選択肢と値

  • 1:当てはまらない
  • 2:少しだけ当てはまる
  • 3:やや当てはまる
  • 4:非常に当てはまる

 

MCQ-30

引用:メタ認知質問紙法短縮版MCQ-30(Wells & Cartwright-Hatton, 2004)の手引

 

↓↓仕事の業務における簡易的なメタ認知テストはこちら

motifyhr.jp

 

メタ認知レーニン

メタ認知は日常の行動をモニタリングすることや、瞑想をすることで高められると言われています。その中でもドイツのハンブルク大学のMoritz氏らによって考案されたMetacognitive Training: MCT(メタ認知レーニング)が有名で、統合失調症の患者に対して妄想や過度な思い込みを和らげる効果もあります。

 

MCTの流れ

参考:メタ認知レーニング(MCT)の理論と実践

 

MCTはセッション中に考え方のクセをクイズやグループディスカッションを通じてほぐした後で、メタ認知的活度で自分の認知バイアスを修正したりコントロールすることを目指します。本格的なメタ認知レーニング(MCT)を実践しなくても、実はセルフ・モニタリングをすることでメタ認知力を高められます。

 

セルフモニタリングシート

  1. 状況:ストレスフルな客観的事実を書く
  2. 気分:↑その際の気分と程度を0~100%で示す
  3. 自動思考:↑その際に湧き起こった自動思考と確信の程度を0~100%で示す
  4. 根拠:自動思考の根拠として客観的事実を書く
  5. 反証:湧き起こった自動思考が妥当ではないという視点で反証する
  6. 適応的思考:根拠と反証をふまえ新たに考え直し、確信の程度を0~100%で示す
  7. 気分の変化:気分がどう変化したか記入し、程度0100%で示す

参考:人間関係でモヤモヤするなら「セルフ・モニタリング」を。認知の歪みを修正でき、気分がふわりと楽になる

 

studyhacker.net

 

やる気の正体

やる気の正体

自己効力

人間のやる気とは一見して、何かを達成したいという意思的なものに思えます。しかし、心理学の分野では人のものの考え方(認知スタイル)が実際に頑張るかどうかを決定しているのだという主張が数多くあります。バンデュラ(Bandura,1997)は自己効力(≒実際に行動に移せるか・可能という期待)と結果期待(≒随伴性の認知で、ある行動をとれば結果が得られるという期待)のパターンの行動と感情への効果を下記の表のようにまとめました。

 

自己効力

自己効力に対しては、自分が実行できるタスクや量を適切に考えることが必要です。例えば、文法学習も疎かなのにリーディングの問題を解くのはタスクオーバーです。あるいは、平日は毎日残業があるのに必ず平日は8時間勉強するというのは、量的に不可能な数字です。結果期待に対しては、例えば小さな成功体験を積み重ねる工夫があると良いでしょう。スモールステップで達成感を得られる仕組みを作れば、英語学習という行動を続けることができます

原因の考え方

入学試験に落ちたり、英語の検定試験に合格できなかったりすると自分の努力が足りなかったのか、あるいは自分の能力が低かったのか原因を考えます。原因を考えること自体は良いことですが、何に帰属するのかが大切です。

 

例えば、ワイナー(Weiner,1979)は、帰属要因の分類を三次元にまとめています。失敗の原因を能力に帰属させるのはもっとものように思えますが、自分で統制することができません。安定的かつ自分でコントロールできるのは、ふだんの努力に他なりません。学習を習慣付けるようなコツコツした努力がそれにあたります。

 

 

安定的(統制可)

変動的(統制可) 安定的(統制不可) 変動的(統制不可)
内的

ふだんの努力

一時的な努力

能力 気分
外的

教師の偏見

他者の日常的

ではない援助

課題の困難さ

 

自律学習

自律学習

自律学習とは

メタ認知を持った学習者=自律した学習者であり、自律学習(autonomous learning)の重要性は高まっています。自律した学習者になるためには、自力で効果的な学習方法を模索しながら、自らの学習に積極的に関与する必要があります。それを支えるのがメタ認知となります。

 

学習者の自律の研究をしているP.Benson(2001)の研究で、自律学習者とは「自分の学習をコントロールできる学習者であり、学習管理、認知プロセス、学習内容という3つのレベルにおいて自分の学習をコントロールできる学習者」であると説いています。また、Self-direct Language Learningの研究をしているHolec(1981)によると、自律した学習者とは「自分にどのような学習が必要であるかを見極め、学習のゴールを決め、その学習に必要な教材を選択し、自分の不得意な分部分を認識し、適切な学習のペースをや時間配分を決め、学習をモニターしたり、学習を評価したりすることができる学習者」でもあると言っています。

 

自律学習を促す5つのステップ

  1. 目標を設定する(setting goals)
  2. 学習内容を決定する(determining learning content)
  3. 学習の方法を選択する(choosing methods of learing)
  4. 学習の進捗状況を確認する(monitoring learning progress)
  5. 学んだことを振り返る(reflecing on what has been learned)

引用:英語学習のメカニズム, p129

 

学習者自身が目標設定のプロセスに参画し、それに基づいた学習内容を学ぶことで、「到達すべき目標(ゴール)」、「目指すべき学習者像」を具体的にイメージすることができるようになります。

 

自己調整

何かの課題を解決するために、自分の思考、感情、行動をコントロールすることを自己調整(self-regulation)と呼びます。下記のような自己調整サイクルと回すと良いと言われています。

 

英語の学び方入門

引用:英語の学び方入門 p41

 

課題を終えた後に、振り返りを実行することで次の計画い活かされます。自己調整サイクルを何度も回すことが目標達成の近道になります。

 

自分だけのプリンシプル

自律学習を実現するために、新多氏は著書で英語学習者向けに6つの原則を紹介しています。プリンシプルとは元々「何か行動を起こすための原則・指針」を指す言葉です。ルールと違うのは、プリンシプルはフレキシブルで指針に従っていれば、実際の行動で様々でもかまいません。

 

  • プリンシプル1  英語を使っている自分の姿を思い描く
  • プリンシプル2 ロードマップをつくり、たえず更新する
  • プリンシプル3 習慣的に英語を学ぶシステムをつくる
  • プリンシプル4 「知識」と「スキル」のバランスをとる
  • プリンシプル5 「インプット」と「アウトプット」のバランスをとる
  • プリンシプル6 「個人」と「協働」のバランスをとる

引用:英語の学び方入門, P54

 

記憶方略

記憶方略

語彙学習戦略

英語学習に最も直結するのが記憶方略で、例えば英単語を語呂合わせで覚えるのはそれにあたります。特に語彙学習における戦略は語彙学習戦略(vocabulary learning strategy)と呼ばれています。代表的な戦略はグループ化戦略です。

 

グループ化戦略の種類

  • 意味:シチュエーションごとに覚える、特定の分野ごとにまとめる
  • 形:接頭辞、接尾辞を使って覚える
  • コロケーション:よく使われるフレーズや熟語で覚える

 

カナダの教育センターが実施した外国語学習者の語彙学習戦略の研究によると、テキストの文脈から語彙を推測する学習戦略が最も高いという結果になりました。語彙学習戦略の研究は世界中で盛んに実施されているようです。

 

語彙学習戦略

引用:A Meta-Analysis of Vocabulary Learning Strategies of EFL Learners,2017

 

語源学習

語源学習とは英単語を覚える際に英単語の語源を意識することです。清水氏によれば、語源学習のメリットは英単語そのものを覚えるのを助けるだけではなく、新しい英単語の意味を推測させると解説しています。

 

語源学習のメリット

  • 単語の長期的な保持が可能になる
  • 未知語の意味推測が可能になる
  • 単語の体系的・効率的な学習が可能になる

引用:清水健二『連想式にみるみる身につく語源で英単語』

 

日本人であれば、知らない漢字を見つけても部首を頼りにおよその意味を推測することができます。英単語の中にも意味を類推するための語源があります。語源は接頭辞(prefix)、接尾辞(suffix)、語根(root)の3つに分けることができます。接頭語は単語の先頭に、接尾辞は単語の最後に、語根は語中の中にあります。例えば、「dependent」という英単語であれば、「de-」 が「下へ」を意味する接頭辞、「pend」が「ぶら下げる」を意味する語根、ent が名詞化する接尾辞となります。

 

動機付け

動機付け

動機の種類

学習法略の研究においては残念ながら全ての学習者にあてはまる動機付けの方略は存在しないようです。なぜなら学習者一人一人によって最適な学習方法も異なり、一人一人のモチベーションによっても変わってくるからです。動機はとても不安定なものなので、一つよりも複数あった方が良いようです。一つの動機が達成してしまったら急にやる気が下がる可能性もあります。持続的な学習をするためには、複数の動機を持つほうが良さそうです。

 

まずは、動機の性質によって2つに分かれます。統合的動機は、第二言語社会やその文化に同化・統合しようとする動きです。一方で、道具的動機は就職や経済的成功など、何らかの実利目的を達成しようとする態度です。どちらが優れている動機ということではなく、大切なのはバランスです。学習が長くなるほどモチベーションは下がりやすいので、達成感を保てる工夫をすることが大切です。

 

2種類の動機

  • 統合的動機
  • 道具的動機

 

もう一つの分類方法は、内・外からの欲求で分類します。内発的動機は、第二言語を学ぶこと自体が目的となる動機。外発的動機は、報酬などの外からの影響などによる動機となります。こられも併用することで持続的な動機付けを支えていきます。

 

2種類の動機(内と外)

  • 内発的動機
  • 外発的動機

 

学習スタイル・認知に合った方略

学習スタイル・認知スタイルに合った戦略

学習スタイルとは

学習スタイルとは、私たちの認知の違いや性格に起因するものです。私達は同じものを見ても、違った認識や解釈をすることがあります。そのような多様な学習スタイルをまとめたのが「学習スタイルのオニオン・モデル」です。

 

オニオンモデル

引用:Semanticscholar(参考URLより)

 

学習スタイルのオニオン・モデル

  • 性格・認知スタイルの違い(玉ねぎの中心)
  • 情報処理に関わるスタイルの違い(玉ねぎの中間)
  • 学習環境・学習活動に対する好み(玉ねぎの外側)

 

中心に行くほど、外からの影響を受けいくいと考えます。自分の性格や認知スタイルを把握して、最適な学習環境と学習活動を選択することを推奨しています。それを具体的に支援してくれるのが次に紹介するPLSPQです。

 

学習スタイルの診断

PLSPQ(perceptual learning style preference questionnaire)は、私たちの認知スタイルの好みなどを6つのタイプに分類・測定してくれるアンケートです。神田外国語大学が提供するオンライン版「学習スタイル診断」では、1~16の質問に答えるだけで学習スタイルを診断してくれます。例えば、「自分は耳から情報を入れるのが得意で、個人学習を好む」など自身の学習の傾向を提示してくれます。さらに、解説を読めば自分のスタイルに合った最適な学習方法を深く知ることができます。

 

www.kandagaigo.com

 

英語版であれば下記の「educationplanner」がおすすめです。20の質問に答えるだけで、学習スタイルを診断してくれます。自分の学習のスタイルが「Auditory」(聴覚)、「Visutal」(視覚)、「Tactile」(触知)型なのか診断してくれます。こちらも無料で実施することができます。

 

www.educationplanner.org

 

PDCAと学習方略に基づく英語学習方法

PDCA

プラン(認知スタイルに基づく学習プラン)

英語学習の目標を設定したら、具体的な学習プランを立てる必要があります。闇雲に学習を続けても振り返りもできません。できれば一日の学習計画(一日単位と週のスケジュール)があると良いでしょう。エクセルシートなどで記入すると管理しやすく、可視化することでモチベーションも維持することができます。

 

学習方略

 

仕事で忙しい人は、一日の行動を改めて振り返ることで多くの隙間時間が見つかることが多いです。まとめて1時間の学習時間の確保が難しい場合は15分単位でも良いでしょう。例えば学習スタイル診断で耳から情報を入れるのが得意と判明していれば、ポッドキャストがおすすめで、より習慣化しやすくなります。

実行(記憶方略を活かした学習)

英語学習を実行する際のポイントは、どれぐらいの間隔をおいて復習するかが鍵になります。英語学習を習慣化するためには毎日の学習が大切ですが、同じ項目や内容を毎日学習しても効果がありません。学習には集中学習と分散学習に区別されます。実は集中学習は短期の記憶には好ましいですが、長期記憶をめざす場合は分散学習が優れいてるという研究結果があります。

 

学習スケジュールの分類

  • 集中学習:学習も項目を間隔を置かずに複数回繰り返す
  • 分散学習:学習も項目を間隔を置いて複数回繰り返す

 

どれぐらい学習間隔を置けば良いのかについは、学習者がどれぐらい覚えたいかによると言われています。つまり、長期化覚えていたいのであれば長い間隔で学習するのが好ましいということです。

 

学習のスケジュール

的確に学習項目の間隔を置くために、学習項目を時間軸で整理することが大切です。上記のように項目ごとに学習を終えたタイミングを記録することで、効果的な分散学習をすることができます。復習の間隔が二週間が良いのか、あるいは三週間が良いのかという期間に関する研究は続いているようですが、ベストな間隔というのはまだ明らかになっていないようです。学習の記録を続ける中で、自分に合った学習間隔を見つけるのが大切でしょう。

 

評価(メタ認知方略を活かした評価)

メタ認知を活かした評価(モニタリング)とは、インプット・アウトプットの際に何を覚えているのか・話しているのかを観察する力だとも言えます。PDCAではなく、OODAが大切だとも言われているぐらい、観察という行為は英語学習にとってすごく大切です。

 

※2つの言葉の説明

PDCAPlan(計画),Do(実行),Check(評価),Action(改善)の略語

OODA:Observe(観察),Orient(方針決定)Decide(意思決定),Act(行動)の略語

 

メタ認知方略

引用:英語学習のメカニズム、p126

 

例えば、スピーキングで独り言やスピーチのトレーニングをする際は、自分が話した内容、文法、語彙を観察する必要があります。ここでは自分の話した内容を録音したり、言えなかった表現をメモすることが大切です。自らの話した内容を振り返ることで、英語の穴に注意が向けられ、新たなインプットに対する「気づき」が生まれます。

 

改善(調整から自律)

この段階では自分の学習に責任をもって、自分の学習は自分で管理するという強い気持ちが必要です。自分の学習を管理できるのは他ではなく自分だけという気持ちが、自律学習に繋がっていきます。自分の学習内容を振り返り、やる気が低下している教材などがあったら、レベルが適切なのか?退屈な内容ではないか?と振り返ることが大切です。前者であれば、自分のレベルにあった教材を選びます。後者は難しいのですが、より自分の興味・関心に合ったジャンルや素材を選定し直すこが求められます。

 

調整のポイント

  • 困難さによるやる気低下
  • 退屈/面白くなさによるやる気低下

引用:学習へのやる気低下の理由と 動機づけ調整方略の関連

 

調整の最大のポイントは先ほどのプリンシプルの3でも紹介しましたが、果たして習慣的に英語を学ぶシステムを作れているか、継続できているかということです。大切なのは習慣化する兆しを見逃さないことです。

 

習慣化の兆し

  • 抵抗がなくなる。しないよりもするほうが簡単だと感じる
  • 行動が自分の一部になり、一体感を感じる
  • 意識して決断しなくても、その行動を始めている
  • 続けられないかもしれないという不安がなくなる
  • 習慣が感情に左右されなくなる

引用:英語の学び方入門 p63(「小さな習慣」からの引用)

 

習慣化を積み上げていことで自分に自信が付いてきます。これまでの研究によると習慣化までにかかる日数は平均で66日ですが、個人差も相当あるようです。最初に1〜2ヶ月は苦しいかもしれませんが、習慣化できれば自律学習への道が開けてきます。

 

参考

Japan Science and Technology Agency| 大学生の学習方略と論述課題との関連について

ベネッセ教育総合研究所 小中学生の学びに関する調査報告書(2015| 「学習方略」の獲得は社会階層の壁を 越えられるのか

千葉大学教育学部研究紀要 | 学習方略に関する研究についての近年の動向

Wikipedia | Learning Pyramid

朝日新聞EduA | ベネッセ・木村治生さん「学習時間より『学習方略』が成績に影響する」

熊本県立大学学術リポジトリ| メタ認知質問紙法短縮版MCQ-30(Wells & Cartwright-Hatton, 2004)の手引

市民後見センターさいたま | メタ認知トレーニング(MCT)の理論と実践

Study Hacker | 人間関係でモヤモヤするなら「セルフ・モニタリング」を。認知の歪みを修正でき、気分がふわりと楽になる

Researchgate | A Meta-Analysis of Vocabulary Learning Strategies of EFL Learners

英語学習手帳2015 | 学習スタイルの診断

Semanticscholar | The influence of Confucian philosophy on adults' preference for learning: a comparison of Confucian adult learners and non-Confucian adult learners

EducationPlanner | What's Your Learning Style? 20 Questions

教育心理学フォーラム・レポート | 学習へのやる気低下の理由と 動機づけ調整方略の関連

常葉短大紀要44 | 英語授業で動機づけと自律を促す意義とその可能性