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岸田首相の訪韓に一定の評価      高橋洋一

2023-05-15 07:44:56 | 日記
わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6502号 

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岸田首相の訪韓に一定の評価
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          高橋洋一


【日本の解き方】 レーダー照射や処理水問題など韓国・文政権の"負の遺産"を一掃できるかどうかが鍵 

岸田首相(左)と、尹大統領は日韓首脳会談に臨んだ=7日、ソウル(共同)

岸田文雄首相が就任後初めて韓国を訪問した。韓国は隣国であり、日本を取り巻く安全保障環境が激変しているタイミングで今回の日韓首脳会談が行われたことに一定の意義がある。

両国首脳が頻繁に相互往来するシャトル外交を本格的に再開するという。日韓間のシャトル外交は2011年12月、当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領の訪日を最後に途絶えていたが、冒頭のような状況の中、日米韓の連携が重要なので、一定の評価ができるだろう。

中国メディアが、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が日米に急接近するとして、警戒を強める記事を出しているが、これは日本にとっていい知らせだ。

日韓のマスコミは、いわゆる「元徴用工」問題について岸田首相の「心が痛む」発言を取り上げているが、謝罪ではなく個人的な思いなので、筆者としてはそれほど重要視していない。

何より、安全保障の観点から今回の岸田首相の訪韓を考えたほうがいい。

まず、岸田首相は、訪韓最初の日程として国立ソウル顕忠院を参拝した。国の首脳が訪問国の戦死・殉死した軍人らが眠る施設を訪れるのは自然だ。実際、1983年に当時の中曽根康弘首相、2006年に安倍晋三首相、19年に麻生太郎首相、11年に野田佳彦首相らも訪れている。相互主義であれば、尹大統領も今度来日したら靖国神社や千鳥ヶ淵を訪れてほしい。戦死者などに尊敬の念を表すのは安全保障では基本中の基本だ。


安全保障の日米韓の信頼関係を構築するために、当面障害となるのは、レーダー照射問題だ。軍事上の機密もあるので確たることは分からないが、自衛隊の哨戒機は韓国軍側にとって「不都合なもの」を目撃してしまった可能性がある。当時、韓国は文在寅(ムン・ジェイン)政権だったので取り付く島もなかったが、今であれば、岸田首相のいう「腹を割った」話し合いができるはずだ。

当時から日本側は自制的に謝罪を求めることもなく、事件発生原因の究明と再発防止しか求めていない。それに対し韓国側は「レーダー照射はなかった」というスタンスだ。尹大統領の来日時に何もコメントしなかったが、その後、韓国軍関係者が再び「なかった」と発言している。軍事関係者であれば、なかったというのはあり得ない言い方だ。

筆者から見れば、レーダー照射問題は解決の可能性が最も高い。日韓の安全保障関係の上で、最優先事項としてもいいだろう。もちろん、シャトル外交の中で並行して解決が図られればいい。

そのほか、岸田首相が外相時代に関わっていた慰安婦基金問題、慰安婦像問題、佐渡金山問題、福島第1原発の処理水問題など日韓では問題が山積している。この際、文政権の負の遺産を一掃できるかどうか。今回のシャトル外交再開はそのための第一歩であり、諸問題を具体的に解決してから、その評価が決まる。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)


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