ファブリカを買った訳⑧・・U-CARソリューショングループについて
1.U-CARソリューショングループとは
SMSソリューショングループはファブリカの売上構成比55.8%を占める。
それに次いで大きいセグメントは「U-CARソリューショングループ」だ。
U-CARソリューショングループは、ファブリカの2022年度における売上構成比の19.1%を占める。セグメント利益率は28.2%とSMSソリューショングループとほぼ同等だ。
U-CARソリューションとは、中古車販売業務支援のシステムをクラウドで提供している事業だ。
中古車販売業者は中古車を仕入れ、修理し、在庫を管理し、広告やオークションサイトに出稿し、問い合わせに対応し、見積もりを作成し、販売し、契約を結ぶ。これらの業務を管理するソフトをクラウドで提供するのがU-CARソリューショングループだ。
日本国内には3万以上の中古車販売業者が存在している。そのうちの 3,325社にファブリカのシステムは導入されている。
今回はU-CARソリューショングループのビジネスについて調べたことを書いてみる。
2.U-CARソリューショングループの業績
以前にも書いたが、ファブリカの歴史は1992年9月に愛知県春日井市で自動車鈑金塗装業を開いたところから始まる。その祖業が現在のセグメントのひとつであるオートサービスグループだ。
オートサービス事業のため自社で使う業務支援システムを開発し、それをU-CARソリューションとしてリリースしたのが2004年だ。
同じ年に「車選びドットコム」という中古車検索サイトもリリースしている。
最近の四半期毎のU-CARソリューショングループの業績は以下の通り。
左軸が売上、右軸がセグメント利益だ。ゆっくりと安定して成長していることがわかる。
U-CARソリューション事業は業務支援ソフトをSaaSで提供している訳だから、重要なKPIは導入社数とチャーンレートになる。
導入社数と増加数の推移は以下の通り。
YoYで+17.2~+21.0%のレンジで導入社数は増加している。
増加数が1Qに多いのは、4月の新年度から導入されることが多いのだと予想する。
チャーンレートは以下の通り。
ここまで見て「地味なSaaSだな」という感想を持った方は多いと思う。一時期流行ったキラキラSaaSと比べると成長率も地味だし対象業界も狭くて地味だ。
全くその感想は正しい。
しかし地味でもSaaSだ。導入される企業が増えても原価はほとんど増えないはず。
その証拠にセグメント利益率は、2019年21.8%、2020年26.3%、2021年27.7%、2022年28.3%と地道に上がってきている。これは今後も上がっていく事が予想される。
ファブリカのU-CARソリューションは、巨大なマーケットに広告宣伝費をじゃぶじゃぶ投入して華々しく売上成長していくキラキラSaaSではない。
ニッチなマーケットで広告宣伝費をあまりかけず、成長率は地味だがきちんと利益を上げ利益率を伸ばしていく地味SaaSなんだ。
「PSRなんて知るか。事業は地道にキャッシュを稼いでナンボじゃ」
そんな声が聞こえてきそうだ。
いかにも愛知県発祥の企業だと思う。
3.システムの特徴と競合、は次回
U-CARソリューショングループはSMSソリューショングループとくらべて比重が小さいので1回で終わらそうと思っていたが無理だった。
次回は商品であるシステムの特徴と、競合について書く。
Googleで「中古車販売業務支援」「中古車整備システム」などと検索すると、そこそこの数のサービスが引っかかってくる。
そのあたりの違いと、ファブリカの立ち位置について書きます。
Kindle50%offの商品を眺めていてちょっと気になった本を紹介。
「野球と暴力 殴らないで強豪校になるために」
こんなタイトルの本が2020年に発売されている。
高校野球好きの人には申し訳ないが、ちょっとおかしいだろと思った。
「まんがで読む、はじめての保護猫」
「ねこはペットショップで買ってくるのではなく、もらってくるもの」
我が家の家訓です。
いずれも半額で買えます。