肌合いの問題。

人はそれぞれが、生得的にある種の
性向を持っており、

その性向により近いものを好み、
それから遠いものを退けようとする。

例えば私は、ショウペンハウエルや、
モームや、中島敦を好んでいるが、

それは彼らの思想、
つまるところの、無為自然性が、
私の性向に合っている。

洋服に例えるなら、
サイズ合っているからということ以上のことを
意味しない。

これは、拝金主義者なり、ルッキズムの
信奉者が、金なり、見た目なりを、至高のものと
見做す考え方と、

原理的には同じである。

私の目からみれば、
拝金主義者なり、ルッキズムの
信奉者は、ごくくだらなく思えるが、

彼らの目からみれば、
私こそがくだらなく見えるだろう。

全ては、正しさの問題ではなく、
肌合いの問題なのである。

自分に似合う服が、一番いい服だ。

と誰でも思うはずだが、

それを他人にまで、似合うと考え、
無理に、着させようとするのは滑稽である😁。

ミミズは土を喰らう。
イナゴは葉を喰らう。
虎は肉を喰らう。

さて、何を喰らうのが「正しい」だろうか?

肌合いの問題。